第39話マルフード領内㉚ エルフとの別れ

疲れた。この2日間ギリギリまで狩りの仕方やマナの使い方を教えこまれた。そのおかげで身体強化、バリアは無意識的に使えるようになった。

「2日間よく頑張りましたね。リッカが優秀すぎてついつい熱が入りすぎてしまいました。」

エルフたちには自分のことは呼び捨てにさせた。100歳以上年上にさん付けされるのは変な気分だ。ちなみにツインテ美少女シータは173歳だった。どこかのおばちゃん魔女が可愛く見える年齢だ。

「そろそろ行くぞぉー。」

ジオルドと商売をしている亜人たちだ。今回はドワーフしかいなかった。そのうちほかの亜人も見てみたい。

「リッカ!絶対自由連邦に来てね、約束だよ!」

シータにはえらい懐かれたな。泣きながら抱きついてくるのでなでなでしてやる。全くどこぞの母親を思い出すな。

「うぅー、リッカを連れて帰りたいよぉ。」

勘弁してくれ。ペットじゃないんだから。

「そのうち行くかも。」


「かもじゃなくて、絶対だからね!」

シータが自分の頬にキスをする。弟やペットにするような感じだ。やめろ。


「全く、シータはまだまだ子供ですね。リッカ私はいつまでも待ってますよ。自由連邦にはいい所が沢山ありますからぜひ来てくださいね。」

…なんだろうこの人の目はギラギラしてる。艶麗(えんれい)な笑みを浮かべ頬が少し赤い。美人なお兄さんという感じだ。ナゼールに手を握られる。なんかスリスリされる。色んな意味で食われそう。

なんで??自分あんたよりだいぶ年下のお子様だよ?


それとなくジオルドの方に逃げたいがそれを察知してかナゼールの力が強い。このイケメンが見た目に似合わずパワフルなことは2日間で学んだぞ。

エルフたちに感謝の言葉を述べられる。それはいいけどこの状況から助けて?みんな既読スルーだ裏切り者めが!


「リッカ。あなたは私の救いです。」

ナゼールがおでこにキスをする。手が離されたから急いでジオルドの後ろに避難する。

「ふふふ、また会いましょう。」


簡素な馬車にエルフたちが乗り込む。ナゼールには会いたくない。

「なんなのあいつら?」


「カッカッカッ!エルフが祀る神は愛と豊穣の女神だ。あいつらは長生きだから種族、性別、年齢、なんぞ興味ないんだよ。惚れっぽいしなぁ。だからいっただろ大変なことになるって。」

そんなことを知ってるなら早めに教えてくれよ。怖かったんだぞ。まだ6歳児にあの色気は無理だ。ベアトリスもやばかったけどナゼールはそれ以上に本気で来ていた。ニヤニヤするな。その髭燃やすぞ。


うぅぅぅ、母親に会いたい。


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エルフ視点

「ふふふ、可愛かったですねぇ。これからの成長が楽しみです。」


ナゼールは楽しそうに馬車の外を眺めている。人族のことは好きではなかったがあの子供のことを気に入ってしまったのだ。


「ナゼール様楽しそうだね…少しリッカが可哀想だよ。」


ほかのエルフもリッカに対して同情の念を送るのであった。


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見送りが終わったらすぐに宿に帰ってきた。部屋にいる母親に突撃して抱きつく。やはりコレが1番いい。6歳児向けの抱擁だ。

「あらリッカどうしたの?」


「なんでもない。」


柔らかい腹に顔を埋める。早く大きくなりたいと思うことも多いが今は子供のままでいたい。

おとなのいろけこわい。


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少し短いですが次回に続きます。


少しナゼールの感情的な面の補足ですが彼は神官という立場でありほかのエルフよりくらいが高いです。つまり地獄の中で他の者を支えるため強い心を持ち続けなければいけませんでした。常に終わりのみえない地獄の中で助けてくれた(結果的に助けた)主人公が救い(希望の象徴)に見えてます。

お気づきかもしれませんがこの世界のエルフは線が細く美しいだけではありません。わりとゴ〇ラ感がありますね。


主人公は前世の記憶があやふやで前世が大人なのか子供なのかすら分かりません。おとなびて見えても今の年齢に精神が引っ張られているから自分に露骨にアピールしてくる人からは逃げたくなります。


参考までに主人公の現在の持ち物

お金 金貨140枚くらい

武器 吸血の刃【Lv1 主人公に懐いてる?】

〇黒のウエストポーチの中身

ハンカチ、解体用のナイフ、メモ帳とインク付きペン、お金を数枚入れてる。

〇マジックボックスの中身

おやつの飴(リンゴ飴1、いちご飴1、個包装の飴いくつか)

オーク3匹

ウォータードラゴン 1匹 全長(首の長さからしっぽまで)15m

真珠大30mm1つ、真珠小10mm5つ

リトルホーク 雄27匹、雌18匹


好きなもの

母親、うまいもの、戦うこと、綺麗なもの、金


嫌いなもの

自分に露骨にアピールしてくるやつ、タダ働き、不誠実なこと、自分と母親が貧しいこと


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