第38話マルフード領内㉙ エルフに教えてもらう

何回かしているとなんとなくできるようになった。ただ複合魔法になると威力を抑えるのがかなり難しい。美少女エルフが使っていた複合魔法を使おうとしたら危うくここらへん一帯を爆破してしまうとこだった。でかい敵以外は今のとこ使えないな。

「凄いです!こんなになる人初めて見ました!」

褒めてるのかそれ。美少女エルフ改めシータはぴょんぴょんはねながら褒める。ちょうどツインテ出しうさぎっぽい。

「そうですね。リッカさんのマナの量や飲み込みは素晴らしいです。」

ナゼールが頭を優しく撫でる。ソフトタッチなことはいいことだ。やはりイケメンはおっさんたちと違って配慮があるな。

「えへへ可愛いですね!」

なぜかシータも自分を撫でてくる。わかるぞ、ぷりちーえんじぇるなリッカさんが可愛くて仕方ないのだろう?苦しゅうないぞ。

それを横目で見ているジオルドが「どうなっても俺は知らんぞ…」などと言っている。

どういうことだろう?


「今日もお疲れ様でした。またよろしくお願いしますね。」


「うん、バイバイ。」


ジオルドを背負って帰る。エルフたちの達が帰るのは4日後だ。それまでに手錠を外さなければ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

???視点

腹が減った。食っても食っても空腹のままだ。

暗闇の中の何かが周りの魔物を貪っている。それは苛立っている。何時まで食べても満腹にならないことに。

暗闇はもう飽きた、どこか他のところに行きたい。

何かが身動ぎすると辺りは地震のように揺れる。魔物達は永遠と何かに餌を運ぶ。そうしなければいけないことを本能的にわかっているかのように。しかし何かの食慾は増すばかりでどうにもならない。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

エルフの手錠を壊すのも今日が最終日だ。昨日は特殊の“拘束”を教えてもらった。マナで出来た縄のようなものが対象を拘束する。自分と相手の体格差がありすぎたら使えないそうだ。自分の場合あまり関係無さそうだな。


最後のエルフたちの手錠を壊した。エルフ達は皆おお喜びしている。良かったな。では魔法を教えてくれ。

「リッカさん、今までほんとうにありがとうございます。服の分のお礼もあるので明日も是非来ていただければ嬉しいです。」


「服の分は貸しでいい。そのうち自由連邦に行くかもだからその時返して。明日は狩りに行きたいしね。」


「それなら明日私たちと一緒に狩りをしませんか?戦いの参考になるかもしれませんよ。もちろん魔物は全てお渡しします。」


まぁ確かに人が戦っているのを見る機会は今まであまりなかったな。いいかもな。ナゼールの提案に了承して今日の魔法を教えてもらう。

「付呪を教えて。」


「付呪ですか。もちろん教えるのは構いませんが今のリッカさんが覚えてもあまり意味はありませんよ。」


「なんで?」


「付呪と言うのは付呪魔法を使えると同時に付呪する魔法が使えるということです。例えばこの石に光魔法の“ライト”を付呪します。この場合だと付呪魔法プラス“ライト”を使っているでしょう?今使える魔法が少ないリッカさんが覚えても実際使えるのは先になりますよ。それに付呪は様々な細かい調整が必要なります。付呪士の多くは第一線を引退した者です。それだけ多くの魔法を知っていないと使い物になりません。」


ふむ、なるほど。自分には難しそうだ。正直細かい作業を魔法でするのはめんどうだ。オークを狩ったときにも思ったな。

「わかった。付呪はまたいつか覚えるよ。じゃあ他の何か教えて。」


「うーん、下手に大きい魔法を教えると制御が大変ですし辺り一面を火の海にしかねません。そういえばリッカさんはいつもその都度身体強化を自身にかけていますね。身体強化を使いこなしたいなら常日頃から意識していなくても身体強化をかけていた方がいいですよ。自身を強化するタイプの魔法を使いこなすにはいつも使うことが1番です。今日から明日まで泊まり込みで一緒に狩りをしませんか?そうすればすぐに改善点を指摘できますから。」


「一旦帰って母さんに伝えてくる。」


母親に泊まり込みのことを伝えてきた。コレで思いっきり打ち込める。エルフたちの一緒にリトルホーが出現するポイントにいく。元集落から西に進んだところだ。リトルホークはD級の魔物で雄の羽根が鮮やかで高く売れるそうだ。肉は鶏肉みたいな味で特別美味い魔物じゃないみたいだ。残念。

飛行する魔物との戦いを覚えた方がいいと言われたので我慢する。早速2匹いた。雄と雌の番見たいだ。

「先に私たちが狩るので見ていてください。」


まずエルフたちの中の弓使い達が一斉に矢を放つ。リトルホークが簡単に避けてしまうと思ったらリトルホークを矢が追いかけている。魔法だな。リトルホークはどんどん陸地に近づいてくる。

ナゼールが風の魔法を使って飛びながらリトルホークの雄に近づく。リトルホークが風の刃を放つがそれを腕で薙ぎ払う。驚いたリトルホークが反応できない間に首を素手で折って仕留めた。もう1匹も同じようにほかのエルフが仕留めている。まさか素手で仕留めるとは。ナゼールがリトルホークを持ちながら歩み寄ってくる。

「格下相手なら素手で仕留めた方が傷もなく綺麗な状態を保てます。リッカさんのようにいちいち身体強化をかけていたら仕留めるタイミングを失ったり怪我に繋がります。慣れればあまりマナを使わずに持続して使用できるようになりますよ。さぁ時間はまだまだあります。頑張りましょうね。」

ナゼールはスパルタだ。こちらができるギリギリを攻めてくる感じだ。6歳だもの優しくしてくれても良いんだぞ?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る