第37話マルフード領内㉘ 魔女との対話
「その短剣すこし貸してみな。見てやるさね。」
魔女に吸血の刃を手渡す。ベタベタと何かを確かめるように触る。…なんか触り方がやらしいぞ。魔女は引き出しから果物ナイフを取り出し指を切りつけ血を刃に擦り付ける。直後刃が震えだし魔女の手から弾き飛ばされて自分の方に飛んできた。
「っ!全く癖の強いやつだね。そうとうお前が気に入ったようだよ。ちょっとやそっとのことでは離れないねこれは。」
やっぱり呪い?怖いんだけど。
「まぁ、いいさね。それで他に聞きたいことは?」
「転移者ってるいるの?あとテイマーってどうやってなるの?」
「転位者はたまに現れるよ。あるどこかの異世界に綻びがあってそこから転位者が現れるらしい。テイマーは魔女にしか教えられないよ。やりたきゃ別の方法を探しな。」
世界の綻び?どこの世界かわかってないのか?テイマーは無理だったか。
「詳しくはわかってないの?転移者のこと。」
「さぁね。転移者が現れるとだいたい国が保護という名目で捕まえるらしいからねぇ。」
知りたいことはわかった。転移者がなぜ捕まるのだろう。知識かそれでももっと別の何かがあるのだろうか。今考えても仕方ないな。
「他になければ買物していきな。魔具が沢山あるよ。」
部屋から出ると母親が猫じゃらしを使って遊んでいる。
「あの娘のことが気に入ったようだね。若い子好きのエロ猫さ。」
母親に歩み寄る。やはりこのデブ猫どうにかしなければ。首根っこを掴もうとすると母親に怒られた。動物に優しくしろと言われた。どうせ可愛がるなら自分を可愛がれ。まぁいいさ。そのうちその皮剥いでやる。
店のなかを見渡す。変なものが多すぎて何が何だか。
「リッカ、これ可愛いわ!お揃いにしましょう!」
母親が黒のチョーカーを勧めてくる。これも魔具だろう。
【幸運のチョーカー
着けているととまぁまぁないいことがあるかも。たまに凄くいいことがあるはず。】
なんだこれ。あいまいな効果だ。別のものにしないか?
「これ2つください!」
「金貨2枚だよ。」
しかも高い。母親は詐欺にあいそうだな。
「似合うわリッカ!」
母親が自分に着けた。母親も似合ってるな。
「おやおや、ママ離れができてない子供だねぇ。可愛いことだ。」
魔女が胸に自分の頭を抱え込む。
<むにゅう>
く、苦しい、窒息死する。立派なお胸だがおばちゃ「ん?何か言ったかい?」なんでもないです。
ぷふぁ、死ぬかと思った…。死因胸に挟まれて窒息死なんて一部の人間に羨ましがれるな。たしかに柔らかかったけど。
「ヒヒヒ、将来有望な子供に粉をかけるのは大事なことさね。」
怖い。
ここでやることは終わった。クリークの店に行こう。母親を宿に宿に送りとどける。
「おう来たか。今回の料金もなかなかだぞ。オーク1匹金貨2枚だ。とくべつでかいのがいただ?あれはオークキングになりかけのやつだ。惜しかったな。あれは金貨4枚だ。全部でオーク56匹で解体料が1匹銀貨1枚だから金貨108枚と銀貨4枚だ。」
報酬をドンッと置かれる。儲かったな。
「ねぇ、なりかけってどういうこと?」
「魔物はなある程度強くなると進化するんだよ。いきなり進化するやつもいれば徐々に時間をかけて進化するやつもいる。個体差がある。あれがオークキングならC級になって肉ももっと美味いんだけどな。」
ほう、オークキングの肉は美味いのか。是非とも欲しい。
クリークの店を後にしてジオルドの店に行く。ジオルドの準備は出来ていたようですぐ出発した。
時間をかけるのが面倒なのでジオルドを背負って身体強化をかけながら走る。15分くらいで着くぞ。ジオルドは速度に驚いていたがそれよりもエルフたちのことが心配なのか落ち着きがない。
エルフたちのところに着いた。オーク達の元集落だ。相変わらず全員マッパだ。ナゼールに全員分の服を渡す。彼はジオルドの方に興味があるようだ。
「ドワーフの方ですか。リジュールにいるなんて驚きました。」
「リジュールは亜人が多くないからな。それより事情はこいつから聞いたら。大変だったな。よく生き残ったな!」
全員が涙がぐんみながらそれぞれ話しをしている。故郷の話でもしてるのかな?
「リッカさんがジオルドさんのお知り合いで良かったです。彼のおかげで故郷に帰ることが出来そうです。」
ジオルドの知り合いの亜人たちが定期的にリジュールに品物を下ろしに来るそうだ。そこで一緒に帰るとのことだ。
「自分は魔法さえ教えてもらえばいいよ。今日も手錠壊すよ。」
今日の分の手錠を壊した。ほんと疲れるな。手錠壊しが終わるまで狩りは無理だ。エルフたちは服と武器を装備している。
「攻撃魔法教えてよ。」
「そうですね。今回は複合魔法を教えましょう。例えば火魔法と風魔法は相性がいいので使いやすいです。シータ!こっちにきて使ってみなさい。」
最初に手錠を壊した美少女がやってくる。ナゼールが指示をだしている。
「分かりました。複合魔法ですね。“エクスプローションウィング”」
美少女エルフが木むかって魔法をは 放つ。少しの爆発後に無数の風の刃が辺りの木に傷をつける。
「威力を落としましたが出来ました!」
「あのようなものを複合魔法と言います。リッカさんならすぐできるようになりますよ。」
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