第35話マルフード領内㉖ 初めての市場
短剣を鑑定してみる。
【吸血の刃
使用者の血をつけることで使用可能になる。敵味方関わらず血が刀身に触れると武器としてのレベルが上がる。
現在の性能 Lv1
効果
なし】
え?武器ってレベルがあるの?書いてあることをジオルドに説明する。ジオルドは髭を触りながら「こいつは迷宮産だ。どんな効果を身につけるかわからん。」
不安だ。大丈夫かこいつ。とんでもないものを買ってしまったような…、返品しようかな?そんなことを考えると吸血の刃が震え出す。
【吸血の刃
使用者の血をつけることで使用可能になる。敵味方関わらず血が刀身に触れると武器としてのレベルが上がる。
現在の性能 Lv1
効果
捨てても使用者の手元に戻ってくる】
こわっ!こいつは意志を持ってる。そういえばウォータードラゴンの時も震えて存在をアピールしたな。まぁこいつのおかげで死ななかったからいいや。
ジオルドが不思議そうにしているのでわけを説明する。
「カッカッカッ!迷宮産の武器だからな。意志を持っていてもおかしくないぞ。お前さんのことが気に入ったんだな。」
こいつが気に入ったのは自分じゃなくて自分の血だろう。現金なヤツだ。
ここでの用事はすんだ。エルフたちのところに行く時にまた来よう。ジオルドに挨拶をして店を出る。市場に行く前に宿にいって母親を誘おう。ぷりちーえんじぇるな自分が誘うのだから母親は嬉しいだろう。
母親は部屋で作業をしていた。
「あらリッカおかえりなさい。今日は早かったわね。」
「1回帰ってきただけ。市場があるらしいから一緒に行かない?」
「いいわね、少し休憩しようと思っていたところよ。行きましょう。」
母親と2人でクリークに教えてもらった市場に向かう。オークを狩りすぎてクリークが冒険者ギルドに依頼することや市場でエルフたちの服を買う話をする。母親は服作りが順調なようだ。あと1週間くらいを目処に完成するらしい。
そうこうしていると市場に着いた。大通りに負けず劣らず活気がある。場所ごとに売ってる店が固まっているようだ。市場の入り口は主に食べ物が売っている。何か面白いのがあったら買おう。
露店は文字が読めない人のために看板に絵が書いてある。これですぐなんの店かがわかるようになっている。
お、飴が売ってる。串に刺さってるりんご飴、オレンジ飴、いちご飴や個包装にしてるものある。りんご飴とオレンジ飴が銅貨3枚、いちご飴が銅貨5枚で個包装が1個銭貨5だ。果物と砂糖を使っている割には安い。仕入れの問題だろう。
りんご飴といちご飴を4個づつと個包装のものを銀貨1枚でまとめて買う。母親にいちご飴を自分はりんご飴を食べ歩きする。残りはおやつだからマジックボックスに収納する。
「甘いね。」
「そうね。いちごって初めて食べたけど甘酸っぱくて美味しいわ。」
いちごの話しはをしているとショートケーキが食べたくなってきた。甘いものは大好きだ。というか食べ物で嫌いなものは無いな。
お次はどこに行くかな。肉屋や魚や野菜などの食品も多く売られている。今回はいいかな。ここら辺はまたこんど買いに来よう。
「おそこは何屋さんかしらね?」
母親が指さす方を見れば麻袋に何かが詰められている店がある。なんだあれは。店に近寄り店主に「ここ何が売ってんの?」と尋ねる。
「ここは調味料を売ってんだよ。」
調味料!コショウやブラッペッパーが欲しかったんだ。その他にもスパイスがあれば購入したいところだ。
「塩とコショウある?あとブラックペッパーも」
「塩とコショウはあるがそのブラックペッパーってのはないよ?調味料なのかそれ?」
無いのか。それは仕方ない。もしかしたら名前が違うだけかもしれない。店主にブラックペッパーの特徴を説明するがそんなものは食べたことがないと言われた。
「砂糖ある?」
「砂糖はうちでは売ってない。もう少し先を歩いたら菓子の材料を売ってる店があるからそこに行けばあるぞ。」
菓子の材料を売ってる店もあるのか。ほんとになんでもあるな。塩は1kg金貨1枚、コショウは1kgで金貨10枚だそうだ。高すぎて涙が出そうだ。コショウは100g金貨1枚もする計算になる。比較的寒いこの国では生産できないから仕方ないのかもしれないがこれはやばい。高すぎる。海にも面してないから塩も高い。塩は500g、コショウは100g購入する。
「お姉さん美人だからまけとくよ!金貨1枚と銀貨2枚でいいよ!」
おい、うちの母親は銀貨3枚レベルの女だと思ってるのか?もっと高いぞ。
「まぁ本当ですか?嬉しい!」
…高いよな?
残りの手持ちがだいたい金貨30枚前後かな?オークの報酬額すぐ手に入らなかったのが響いてるな。
だめだ食べ物は何でもかんでも買ってしまう。砂糖も今度買うことにしよう。
食べ物ゾーンを抜けると服屋アクセサリーが売っている。中古服の店を探そう。服に関しては母親が専門だ。
「どこがいいかな?」
「あそこなんて良さそうね。行ってみましょう。」
ある中古服の店に入る。母親にエルフたちの体型や性別を聞かれる。確か女性が3人の男性が5人だったはず。体型は何となくしか覚えてない。そのことを伝えると母親がよさそうなのを見繕い始める。
「エルフさんたちのはこれでいいと思うわ。あらこれ可愛い!」
上がオフショルダーみたいなっている赤布にクリーム色のフリルがあしらわれている。下のスカート部分もクリーム色だ。
母親ならなんでも似合うぞ。
「これはリッカに似合いそうね。」
上が襟部分にフリルのついた白のシャツに下が裾が少し広がったサスペンダーつきの短いパンツだ。えらく高そうな古着だな。
「それは貴族の古着だよ。他のものより上等な作りだから高くなるよ。」
店主のおばちゃんが教えてくれる。なるほどな。
「動きにくそうだからやだ。」
「可愛いのに…」
自分は元々可愛いぞ。
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サブタイトルの表記のしたかを変えました。
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