第34話マルフード領内㉕
クリークの店にオークを売りに来た。昨日食べたオークの魔石はオーナーから返してもらった。いくらになるかな。
「オークを売りたい。解体してないから買取から引いて。」
「わかった。何匹だ?」
「沢山いてわかんない。多分50匹以上?」
「は?50以上?いやいや、50匹なんて群れのレベルだぞ?50以上ならオークキングだっていただろうし…いやお前ならありえるな。工房に来い。そこで見よう。」
工房でオークを全て出す。3匹くらいはオーナーに持って行ってなにか作って貰うからマジックボックスに戻す。クリークが1匹づつ状態を確認している。20匹を超えたところで
「だぁー!多すぎだ!残りの状態の確認と解体は冒険者ギルドに依頼していいか?おれのとことそんなに料金は変わらないからさ。買取自体は俺のとこでする。」
「買い取ってくれるならどこでもいいや。」
「他のとこで売ってくれるなよ?お前が持ってくる魔物は状態がいいんだから。」
ジト目で見てくるな、おっさん。
「しかし都市の近くでこれだけのオークの集落があるのはおかしいな。せいぜい10匹くらいの集落しか出来ない。やっぱ最近おかしいな。」
「スタンピード?」
「あぁ、冒険者ギルドもそのせんで調査してるらしい。あんまりでかいスタンピードじゃないといいな。下手したら都市が潰れるなんてこともあるしな。そうなったらお前のことを頼りにするよ。」
クリームに頭をグリグリ撫でられる。自分のキュートな頭を乱暴に撫でるな。そういえばエルフたちの服と武器を買わなきゃいけないんだった。武器はジオルドの店でいいけど服はどうしようかな?中古服を売ってる店を聞くか。
「ねぇ中古服ってどこで売ってる?」
「中古服なら市場がいいな。検問所の門から左側に行けば露店がずらっと並んでるぞ。大通りじゃないから分かりにくいけどな。色んなもんが売ってて面白いからエイミーさんと一緒に行ってこいよ。というかエイミーさんをうちの店に連れてこい。あんな美人滅多に見れないからな。」
聞きたいことと聞きたくないことを耳に入れてしまった。必要がなければ絶対に連れてこない。母親にも言い聞かせておこう。
「市場の話はありがと。必要ないならここに母さんは連れてこないから。」
「…お前顔は可愛いのに性格は可愛くないな。」
顔が可愛ければ正義だろう?うちの母親はメロメロだぞ?
「オークの買取価格は明日までに出しとくよ。」
「わかった。じゃあね。」
クリークの店をあとにしてジオルドの店に行く。隣だけどね。
「お!この間のガキンチョじゃねぇか。今日はどうしたんだ?」
「エルフがよく使う武器ってわかる?」
「…何でエルフのことを聞くんだ?」
少し警戒の色をみせる。たしかにいきなりエルフが使う武器なんて聞かれたらおかしいよな。あのエルフたちは別に人に言うなとは言ってないしな。それにドワーフはエルフと同じ亜人だ。悪いことにはならないと思う。それにジオルドはログの紹介だし。
ジオルドに簡単にエルフたちのことを伝える。どんどん顔が真っ赤になる。
「かぁーーー!!どこのどいつだ!!いまだにエルフの売買をするやつがいるとは!!サンクトゥスの奴らだな!?あいつらに間違いない!!」
oh…かなりお怒りだ。怒りが収まるまで武器でも見とくか。少しすると多少落ち着いたようだ。それでも機嫌がかなり悪い。
「ふぅ、すまんな話の途中に。エルフを助けてくれてありがとよ。」
「別に助けたわけじゃない。それにエルフとは等価交換してるだけ。」
「付呪士が作った奴隷用の魔具を壊すのはかなり難しい。お前がしてることはすごいことなんだぞ。普通はできないしな。等価交換だろうがあいつらにとっては救いそのものだ。」
だろうなあれ壊すの疲れるし。
「エルフとドワーフって仲良いの?あとサンクトゥスってどんな国?」
「亜人はみんな助け合いで生きていかないといけないからな。サンクトゥスみたいに人族至上主義の奴らに昔から奴隷にされたり虐げられてきたからな。神聖大国サンクトゥスは人族が信仰する教会の総本山だ。あそこは亜人を人として見てないから家畜以下の扱いだ。国によって亜人に対する対応が違うからな。この国は良くも悪くも干渉しないから他の国よりマシだ。」
神聖大国サンクトゥスか。自分的にもあまり近づきたくない国だな。鑑定されたら1発アウトだし。
「エルフたちの話はわかった。俺もお前が行く時に一緒にいく。行く時になったら声をかけに来い。武器はこっちで準備するからお前は買わなくていい。」
決定事項のようだ。口出しするのもめんどうだしその通りにしよう。
「話しは変わるがお前この間の武器はどうだった?」
「血をつけたら鞘から抜けた。」
試しに短剣に血をすり付ける。すると鞘から簡単に抜けた。
「血か…。おい確かお前鑑定を使えるようになったらしいな。使ってみろ。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
中途半端ですが次回に続きます。
○補足
国によって教会に対する考え方が違います。教会の教えの中で人族こそが世界を作った的なことが書いてあるから神聖大国サンクトゥスは人族至上主義の考えがあります。
リジュール国は利用できるから一応教会を国が容認してます。国民自体も熱心な信徒はあまり多くないです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます