第31話マルフード領内㉒

また馬車に乗る羽目になるとは。走った方が速いが母親は疲れているから今日は我慢する。真面目騎士と茶髪騎士も馬車に乗ってい。

そういえばこいつらが使っていた気配を消す魔法はなんなんだろう?


「ねぇ、月の女神でつかった魔法ってなんなの?」


「お前に教えることではない。」


茶髪騎士お前には聞いていない。


「気配遮断という特殊属性の魔法だ。匂いや音や殺気を隠すことが出来る。対象との距離が1m以上でないと効力を発揮しない。」


「フィルマン!なぜこのガキに教えるんだ!」


「口を慎めバベット。この方々はアマリア様と契約を交わされた。邪険にしていい方々ではない。」


気配遮断か。暗殺に使えそうな魔法だ。


「どうやってするの?」


「マナを落ち着かせ冷静になりつつ周りの全ての音、匂い、気配を消すイメージをする。」


音、匂い、気配を消すか。目をつぶって集中する。自分の心音しか聞こえなくなる。その心音すらも聞こえないようにしなくては。


うんできるな。自分はマナの使い方上手いようだ。


「ふん!騎士が時間をかけてゆっくり習得するのにこのガキにできるはずがない。」


お、宿の前に着いたな。そうだひとつ忘れていたことがある。茶髪騎士に近づく。こいつが思いっきり蹴ってくれたことは忘れていない。


身体強化をかけて茶髪騎士の顔面に蹴りをお見舞した。茶髪騎士の体が上に10cmほど浮かぶ。詰めが甘いな。騎士ならいついかなる時も警戒しておけ。


「ぶべっ」


気絶したか。前歯が抜けている。こいつにヒールをかけてやるつもりはない。自分で金払って治しにいけ。真面目騎士が剣を抜く。


「さきほどの復讐か?」


「こいつの分は終わった。あの時母さんを人質にするように言ったのはあんたでしょ?なんかあった時はあんたの大事な人を人質にするから。」


目に目を歯には歯をと言うやつだ。


「あんたが自分に何もしなければいいだけ。」


真面目騎士の顔が強ばるのがわかる。ふぅスッキリしたな。真面目騎士たちを放置して母親とはいる。

夕飯を済ませて部屋に帰ったら荷物が届いていた。母親は早速服作りを始めている。

商業ギルドで買った冊子を見ておこう。明日からも魔物をバンバン狩るぞ。



む、いつの間にか寝ていたもう朝か。母親はまだ寝ている機能は遅くまで作業におわれていたからな。今日はこの間行ったポイントより深いところに行こうと思う。冊子にはオークやゴブリンがいると書いてある。ゴブリンは魔石しか取るところがないがオークの肉は豚肉のような味でくせがなく需要が高いらしい。ゴブリンはE級、オークはD級の魔物だ。


先に腹ごしらえがしたいな。下のオーナーにに簡単な軽食を用意してもらう。黒パンとソーセージにコンソメ味っぽいスープだ。


「今日も魔物を狩りに行くのか?」


「今日はゴブリンとオーク。」


「オークか!持ってきてくれたら今日の夜飯で出すぞ。」


今日の夕飯が楽しみだな。


狙っている魔物がいるポイントについた。生き物の気配を探りながら歩く。

ポカポカしてて眠くなってくる。いかんな気を引き締めなくては。この間のように強い魔物に合う可能性がある。

お、ちょうど何かの気配がするな。そうだ気配遮断を使おう。


「“気配遮断”」


木の上に避難する。オークが歩いている。どこかに向かっているように思える。着いて行ったらもっとたくさんオークが見つかるかもしれない。距離を保ちつつオークのうしろをついて行く。


20分ほどすると集落の様なものが見えてくる。都市の比較的近くにこんなものをつくっていたのか。よく今まで討伐されなかったな。


中には目視できるだけで16匹のオークがいた。集落を作っているということは他にもいる可能性がある。夜なら全てのオークが帰ってくるだろう。それまで他の所で狩りをしておこう。いったんその場を後にする。


少し離れたポイントでゴブリンが3匹でナマジカを食っている。親指を噛んで血をだして短剣に擦り付けると鞘から抜けた。やはりさやから抜くなら血が必要だ。


身体強化を使いゴブリンたちの首をきる。

3匹の首が落ちる。ゴブリンなら楽勝だな。魔石を取り出す。


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○補足

魔物の級についてですが基本的に上になればなるほど珍しくて強いです。


・S級 伝説すぎて神話くらいでしか出てこない。国家1つが潰れるレベル もはや災害 討伐するには複数のA級冒険者パーティ、勇者でも討伐できるか分からない。国家総動員で立ち向かうレベル。

・A級 複数のA・B級パーティが必要。珍しいけど存在は確認されてる。単独で討伐するのは不可能と言われている。

・B級 A級パーティなら1パーティで討伐可能。B級パーティなら複数必要な。A級、勇者なら戦闘スタイルによっては単独で討伐可能。

・C級 B級パーティなら1つで討伐可能。単独での討伐は可能だができる人は少ない。

・D級 これを1人で討伐できるようになったらやっと1人前の冒険者。今回のオークなどが該当する。

E級 単独だと弱いけど複数で活動する魔物だと少しやっかい。ゴブリンとか。

F級 戦っても命の危険はない。スライムなど。


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