第4話 学校にて(化学室)マッドな先輩
ふ~
やべやべ
早くしないと移動教室間に合わない
ここが旧棟の端の教室だから、新棟の化学室までは走って2分ってとこか……
あれ、次って単元テストだったから予習に五分欲しいからって、もう行かなきゃ間に合わない。
いそげいそげ
うちの学校は新棟と旧棟に分かれていて旧棟には1~3年生の教室があり、新棟には科学室や、被服室電算室等々の教室がある。それで少々遠いが新棟に渡らなければならない。
いや~だるい。
「お~い。華憐そろそろ行こー」
そんなことを言ってると幼馴染のグループに所属している。
所属と言ってもいつも一緒にいるだけだ。
しかし、この学校はカースト制度がとても強く、陽キャと勉強できる奴は上に上にと囃し立てられる。
因みに私はそこまでだ。
低くも無く、高くもない、可もなく不可もなくといったところだ。
「うん、先行ってて私も後から追いかける。」
私はそう言って先にあいつらを行かせた。
正直言ってあいつらは苦手だ。
だって気持ち悪いじゃないか。
あいつら私の外側しか見ようとしない。
はぁ、授業めんどくさい。
このままさぼろう。
幸いなことに科学部が使ってる部室がある。
この時間は皆授業中だから誰もいないだろう。
科学部はいつも鍵が開いていることで有名な部活だ。
このまま授業に行くふりしてさぼってしまおう。
あれ、誰かいる。
可笑しいなこの時間帯は誰もいないはずなのに……
「あれ、君はだれだい?」
科学部にいた彼女は私に言った。
彼女はブロンズとゴールドを組み合わせたような色の髪をしており、腰よりも若干上にくる髪は少しウェーブがかかっていた。
目は髪と同じような色だが、その眼には何も映していないような、ハイライトがないそんな暗い色をしていた。
子供みたいに小さな体で、肉付きはなくとても華奢な体つきだ。
腕も細くすぐに折れそうだ。
それぐらい細かったのだ彼女の体は。
だがその体と不似合いなその眼は鋭い眼光で何も映ってないハイライトを失ったその瞳は私の背筋を凍らせるのに十分だった。
なんだろう、とても不思議な感じだ。
彼女の声や姿はか細く可愛らしいものなのにその雰囲気は人を威嚇している。
まるでそれ以上近づけば命はないぞと訴えかけてるようだ。
この空間にいるととても息苦しい。
寒気も相俟ってとてもつらい。
けれどそんな中でも私は勇気を振り絞って近づいた。
「ねぇ、貴方は何でここにいるの?もう授業始まってると思うんだけど」
その少女は一瞬呆けたような表情をした後に少し嬉しそうな顔をして話しかけてきた。
「大丈夫。許可はとってある。それに私のが先輩。敬語を使うことをお勧めする。」
機械のような物言いだ。
単調で感情がこもってない。
え、ちょっと待って今先輩って言った?
先輩?
この小さくて愛らしい少女が?
信じられない。
噓でしょ。
この背も胸も私よりも数段小さいこの子が?
「ちょっと、今失礼なこと考えたでしょ」
結構怖い声色で言ってくる。
こんな声も出せるんだな~
って感心してる場合じゃない。
何か弁明しないと私の命が危ない予感がする。
ほら、机にあった謎の怪しい色の液体をかけようとしてくる。
え~っと、何かないか?なにか。
「え~っと、そんなことないですよ。それよりも先輩だったんですね。驚きです」
私は先輩の手を握って
「ほら、そんなことより、私たちこれで今から友達ですね。」
そう言ってごまかした。
先輩は何か一瞬凄く驚いた顔をして
「本当に私なんかが友達でいいの?今であったばっかりだし、暗いし、ぼっちだよ。」
先輩が不安そうに言ってきた。
私は自分ができるであろう一番野優しい笑顔で慰めるよに頭を撫でた。
だってめっちゃ頭撫でやすい位置にあったんだもの
仕方ないじゃん。
不可抗力ってやつだよ。
「私だってぼっちだよ。だからね、先輩。こんな私でよければ友達になってくれますか?」
先輩が首を大きく縦に振った。
首振ってる姿がとても可愛く思えたのはここだけの秘密だ。
こんな歯が浮くような気障な台詞を言ってしまった。
仕方がないじゃないか。
こんな可愛い幼女みたいな子が目の前にいるんだよ。
まぁそんなことは置いといて。
「これからよろしくお願いしますね、先輩。」
そんな感じで私達は仲良く放課後まで色々とお互いのことを話していた。
「そういえば先輩、まだ自己紹介していませんでしたね。私の名前は花道華憐です。先輩のお名前は?」
「私の名前は
先輩は微笑みながらそう答えた。
こんな表情も出来るんだと思ったのはここだけの秘密だ。
とても綺麗だった。
過去の経験がトラウマで恋愛が嫌いな私の周りわ気づけば百合でした⁉ (Hollow) @kk_s_
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