第2話 2エピソード投稿でスーパーチャレンジ賞

 またまた佳純です。

 九郎ちゃんに書かせても良いのだけれど、どうしても言いたいことがあって、面白くもなんともない佳純のエッセイ的小説である。作り話ではないのだが。


 実はある靴を買った。

 私としては高い靴で、買う前に何度も悩んだ。


 登録していたところからメールが来て、ポチっとクリックしたら靴のサイズがずらっと並んでいた。

 靴だもの。サイズは人によって違う。だから、これだけボタンがあるのは当たり前。


 自分の靴のサイズをぽちっと押してみる。

 ポチポチと押して行き、次のボタンを押すと購入になってしまう。


 そこで画面を閉じた。


 スマホ画面を見て、ポチっとしたら買える。

 でもポチっとしたらお金が飛んで行く。


 こんな靴、誰が履くのだ。

 こんなに高い靴、誰が履いて歩くのか。


 大好きなアーティストのコラボ商品。

 ものすごく惹かれた。欲しくて欲しくてたまらなかった。


 悩んで悩んでポチっと押してしまった。

 ただ押した後に想った。


 サイズが本当に大丈夫なのか?

 本当は、履かずに靴を買うとかありえなかった。


 昔、とても可愛らしい靴があった。

 履いてみたら小さかった。でも、かわいかった。可愛かったから買ってしまった。


 でも、小さい靴は、痛くて歩けなかった。

 頑張ったけれど、足が痛いのは辛かった。


 薬屋のひとり言で纏足の話があった。小さな頃から小さな靴で生活する人たちのこと。それを読んで、もっと昔にミュージアムに行った時のことを思い出した。小さな小さな堅そうな靴と、その中の足の状態が置いてあった。靴は本物で足は模型だったと思う。足の指が折れ曲がって足の中央にある、恐ろしい模型だった。


 小さな靴は痛い。

 とってもとっても痛い。恐ろしいくらいに痛い。足が小さい方が美人って、昔の人はなんて恐ろしいことを女性に課すのかと思った。

 自分のサイズよりも0.5mm小さいだけでこんなに痛いのに、骨が変形するくらい小さくするのだ。


 でも、踏んでしまう草木を少しでも少なくするようにという仏様かなんかの話をマンガか何かで読んで、へーと思った。優しい仏様みたいな話になってたけれど、仏様だろうと、小さな子供にそんな痛みを与えちゃダメだよ。


 話がそれたけれど、靴が小さいと足が痛いということを知ってから、大きな長靴を買ってみた。雪の日にこれを履いたら、脱げてしまってエライことになった。雨と雪の中間くらいの寒さで、氷と水の半々の冷水に靴下でベチャっとはまる。冷たい。

 脱げないように足に力を入れて歩いた。とっても歩き難かった。疲れたし寒かった。


 そんなことがあって、履いてみたらものすごく歩きやすい靴と出会った。それから何年もずっと同じ靴を履いている。ボロボロになったら同じ数字の靴を買うことにしていた。その番号の靴がなくなっても、似たような靴を店員さんから聞いて履いて買っていた。


 ただ、メーカーが違うと、同じサイズでも合わないことも知った。このサイズなら大丈夫と思っていたけれど、履かせてもらったら0.5mm大きくしなければならなかった。


 それがあったから、ちゃんと靴は履いて買わねばと思っていた。

 でもネットだとそれができない。


 やっぱり0.5mm大きくした方がいいかなあと思ってサイズを変えられないかな? と思いながらそのサイトを見たら、SOLD OUT売り切れ になっていた。

 え? サイズ変更、できない?


 それで、諦めて、小さかったら飾ろうと思っていた。

 でも、待ちに待って、ようやく届いて、履いてみたらピッタリだった。

 色も思っていたよりも地味で、その時着ていた服とも合っていた。


 すごい、良いかもしれない。

 高いけど、たまになら履こう。


 今度、友達と遊ぶから、その時に履いて行こう。車で出かけるだけだから、そんなに汚れないだろうと思っていそいそと箱にしまう。たまに眺めて、劣化していないか確認せねば。


 それで、ゲームでもしようかとスマホを起こす。

 メールが来ていた。


 ゲームの前に確認した。

 え? 不良品の可能性がある?

 あんなに履き心地がよかったのに?


 まさか、自分の靴は大丈夫だろうと思って、メールの写真を見ながら確認……。

 全部当てはまっていた。


 ロゴは隠れていたし左右で位置が違っている。こすっても落ちない汚れはあるし、色が地味だったのはデザインが間違っていたかららしい。


 え、どうしよう?

 交換してくれるレベルだとは思うけれど、けっこう気に入ってはいる。でも、これ、問題になるレベルの歪み具合なんだけど……。


 高かったのにコレってアリか?


 気持ちは急降下。

 とりあえず、二度とこのメーカーは買うまい。


 いつもの靴がいい。


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