第4話 御ひげ(コメディ)
ボクは源九郎義経。
とっても有名な歴史上の人物である。
ボクはあまりヒゲが好きではない。
そう言うと、少し語弊があるかもしれない。
ボクにとって、いいヒゲと悪いヒゲがある。
いいヒゲとは、ボクが好きなヒゲのことである。
例を挙げると、喜劇王チャールズ・チャップリンのヒゲ。
あれは好き。
無声映画というのか、動作だけで面白い。
小さい頃に観たコミカルな動きは大好き。
そして整えられた御ひげの微妙なバランスもいい。
さらに、チャップリンはかなりのイケメンである。
透明感のある瞳でニコっとすると、とてつもなく素敵なのである。
そのご尊顔がアップになった時、改めて惚れた。
では、悪いヒゲとはどういうものか。
一応、言っておくけれど、あくまでもボクの意見なので、髭面の人をディスっているわけではない。
ボクが苦手と言うだけだ。
強いて言えば、苦手な髪型がある程度に思ってくれればいい。
ヒゲは似合う人と似合わない人がいる。
例えば、閻魔様のような風体の人にはヒゲはなくてはならない。
むしろこういう人はヒゲを生やしてほしい。
似合うから。
ヒゲは生やしていると強そうに見えるという側面がある。
だから生やすというのはボクは嫌いだ。
強さは外見で決まるのではない。
見かけだけ強そうで、ホントは弱いというのはみっともないであろう?
威嚇していなくなってくれれば御の字だけど、それはボクにはできない。
ボクは優男の代表のような存在だから。
だから、ボクのようなナヨっとした風体の者はヒゲが似合わない。
あれで威嚇したらコメディだよ。
ボクの肖像画は剃る
それは置いておこう。
形ばかりで中身がないのは恥ずかしいし、弱いヤツほどよく吠える。
だからボクはよくしゃべる。弱いからね。
ナヨっとしててヒゲがあって、それで高い声でキャンキャン言うのはダメ。ヒゲはやっぱり地響きがするような低音の声のおっさんに似合うと思う。
ナヨっとしててヒゲがあっても、手入れが行き届いていてキャンキャン言わなければいい。チャップリンのように、無口で微笑むようなのは全然良い。もちろん、人々を楽しませるために、笑わせるためにそれを演じるのはもっと素敵である。
ヒゲも髪型も、素敵に見えるもそうでないのも、全ては振る舞いである。
振る舞いが美しくなければ、どんなに手入れをしたヒゲも髪型も姿も色あせてしまう。醜くなってしまう。
でも振る舞いが素敵なら、ボロボロな姿でも美しいと昔から言われているのだ。『襤褸を着ても心は錦』外見で人を決めつけてはいけない。
少し、もやもやしていることがある。
ある御方の御ひげが苦手という。
兄上の肖像画である。
兄上なら、どんな御姿をしていようとボクは文句は言わない言えない言わせない。
そもそもあの肖像画は本人ではないという逸話もあるらしい。
まあ、それは良い。
でも、それを元にドラマ等は作られるわけであろう?
兄上は御ひげが似合わないのだ。
なよっとしていると言いたいのではない。
兄上は御ひげがない方がイケメンなのだ。
兄上が女ったらしという話になっているが、兄上が女ったらしなのではない。
兄上はイケメンだからモテるだけなのだ。
御ひげがない方がカッコいい。
御ひげがついてると、ただのコメディにしかならない。
兄上は、御ひげがない方が断然カッコいいのだ!
ボクは二刀流じゃないからな。
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