4年生 ジャンボ餃子
「みんなー席ついてー!今日は新しいお友達を紹介しまーす!入ってきていいよ!」
先生に呼ばれて入ってきたのは、少し小柄な色黒の男の子だった。
「それじゃあ、自己紹介をお願いします」
「神奈川から引っ越してきた、廣瀬成海です。よろしくお願いします」
「それじゃあ、なるみくんの席は窓際の1番後ろね。席が近いたくみくんとあかりさんはなるみくんが何か困ってたら助けてあげてください!」
「「はーい!」」
「なるみん!私は遠藤あかりよ!みんなからはあかりんって呼ばれてるから、よかったらなるみんもそう呼んでね!」
「オレは山口拓海だ!たっくんとかたくみくんって呼ばれてるぜ!よろしくな!」
「あかりんに、たっくん、だね!よろしく!」
2時間目が終わって20分休みになったら、囲まれるかな?って思ってたけど、珍しい転校生の存在に戸惑っているようで、みんな遠巻きに見ているだけで、誰とも話せなかった。たっくんとあかりん以外は、まだ誰も覚えられてないけど、2人が校内を案内してくれたおかげで、学校内で迷子になることはなさそうで一安心。
4時間目が終わると、みんなお楽しみの給食!
僕の班は、あかりんとたっくんと今日は欠席のひなちゃんっていう子だ。
「今日の給食は久しぶりのアレか!」
「たっくん、アレって何?」
「なるみんは知らないか。今日の給食はジャンボ餃子なんだ!今日の欠席は1人。つまり予備の2つと欠席分の3つがおかわりのチャンス!ジャンボ餃子は人気が高いから、勝ち取るのが大変なんだよ…お前もジャンボ餃子ジャンケン参加するだろ?」
「うん、美味しそうだから参加したい!」
「なるみん細いのにいっぱい食べるんだね!男の子ってすごい!」
「あかりんは女だけどたくさん食べるだろ!」
「たっくんうるさい!」
そしてついにジャンボ餃子ジャンケンの時が来た…!
「ジャンボ餃子食べる人!既に半分以上給食を食べ終わってて、全部食べ切れる自信のある人だけ参加してください!」
「「はーーい!」」
14人の挑戦者たちが、前に集まってきた。
「人数多いから王様ジャンケンにしようか、じゃあ先生に勝った人だけ残ってねー!いきまーす!王様ジャンケン、ジャンケンポン!」
「「うぉぉおお負けた…」」
「「うっししゃーーー!勝った!」」
勝ち残ったのは僕、たっくん、あかりんの他に男の子2人。
「5人か、それじゃあ一気に決めるか!」
「「さーいしょーはグー!ジャンケンポン!」」
「「よっしゃーー」」
最終的に勝ったのは、僕と知らない男の子2人。
嬉しくて思わず3人で手を取り合う。
「転校生やるな!俺は後藤弘樹!ヒロとかひろくんって呼ばれてる。よろしくな!」
「僕は宮本凪!ナギって呼ばれてるよ!よろしく!」
「えへへ、僕はたっくんたちに、なるみんって呼んで貰ってるよ!ひろくんとナギ!よろしく!」
「よかったね、なるみん!」
「うん、ジャンボ餃子勝てたよ!」
「羨ましいぜー」
「違うよーいや、それもだけど、私たち以外とも仲良くなれたみたいでよかったねってこと!ジャンボ餃子ジャンケンのおかげだね!」
「うん、そうだね!今日がジャンボ餃子の日でよかったー!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます