3年生 カレーライス

オレとゆうきは1年生からのつきあいだ。

入学式の次の日、教室がわからなくてないていたゆうきに声をかけたことがきっかけでなかよくなった。

そんなゆうきから、今朝すごくおどろくことを聞かされた。

「転校する??」

「うん、おばあちゃんが病気みたいで、お母さんといっしょにおばあちゃんの家に住むことになったの」

「この前夏休みになったらいっしょにうら山のたんけんに行こうって話してたのに…」

「転校はどうにもできないからしょうがないよ…ごめんね」

「オレめっちゃ楽しみにしてたのに…ひどいよ」

あんまりにもびっくりして、思わずせきを立ってしまう。

「ごめん…」

なんとなく気まずくなって、ゆうきは自分のせきにもどってしまった。

あのなき虫ゆうきが?転校?新しいところでうまくやっていけるか?いつもオレが助けていたように、新しい学校でもだれかが代わりに助けてくれるのかな…それはなんだかすごくいやだし悲しい…


けっきょく、その日の午前中は一切ゆうきと話さないまますごした。午前中だけでこんなにさみしいのに、これから先ずっと会えないなんて…


「…たっくん、きゅうしょくの時間だよ!どうしたの?いつもは一番乗りできゅうしょく取りに行くのに…みんなもうならんでるから早く行くよ!!」

「おぅ。今行くよ…あかりんはゆうきの転校の話を聞いてどう思った?」

「わたし?まぁとつぜんだし、さみしいなぁとは思うけど、ゆうきくんなら他の学校でもうまくやってけるだろうし、一生会えないわけじゃないから…それだけかな?…そっかー、たっくんゆうきくんとなかよかったもんね。さみしいんだね」

「はぁ!べつにさみしくないし!オレらは、はなれていてもともだちだからな!」


きゅうしょくのはんは、ゆうきといっしょだ。

「ゆうき、さっきはごめん…引っこしはしょうがないことなのにひどいとか言っちゃって…引っこしてからも会える?」

「ううん、だいじょうぶだよ。たっくんがびっくりしてたことはわかってたから。もちろん、引っこしてからも会えるよ!お父さんが仕事の都合でこっちにのこってるから、夏休みのうら山たんけんはぜったいに行こうね!!」

「おう!楽しみだな!向こうの小学校でもがんばれよ!」

「うん!ありがとう!はなれてもたっくんはぼくの一番の親友だよ!」

この日食べたカレーはサイコーに美味しかった。


そして、さいごにみかんジャンケン!

「みかんジャンケンする人ーー!」

「「はーい!」」

10人ほど集まった中に、オレもゆうきもいる。

「転校するからってみかんはゆずらないからなー!」

「もちろん、のぞむところだよ!」

「「さいしょはグー、ジャンケンポン!」」

「勝ったーー!」

「くそ、負けた…」

「さんまなら勝てたのに…」

「やるな!ゆうき!」

「えへへ、ありがとう、たっくん。はい、一つぶだけあげる!」

「ケチかよ!でももらうー!ありがとう!」

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