休憩その3

「ぐうちゃん…」

「くぅ~ん…」


 朝歌あさかの声に、弱々しく反応したぐう。

 最近、ぐったりする事が多くなっていた。

 起床も、なかなか遅く、前の日の夜はいつも22時に就寝し、昼近くまで寝るようになっていた。

 どこか悪いのかと思い、かかりつけの病院に連れて来た。

 検査中は、嫌な予感しかしなかった。



昼仲ひるなかさん」

「はい…」


 受付に呼ばれた。

 朝歌は沈んでいた為、俺が会計を済ませた。

 朝歌の隣に腰掛ける。


「朝歌、帰るぞ」

「うん…」


 朝歌に抱っこされているぐうは、ぐっすりと眠っていた。



 余命宣告を告げられた。

 長くて6ヶ月だそうだ。

 まだこれからなのに…、と先生は神妙な顔で言っていた。

 しっかりと治療をするともう少し長く生きられると言っていたが、俺と朝歌は、ツラそうなぐうを見たくない為、静かに過ごすことを選択した。

 痛み止めの薬などをもらって帰った。



「朝歌…」

「灯夜君…」


 涙目の朝歌に、なんと声をかければ良いのか。


「うぅっ…」


 朝歌を優しく抱き締めた。

 この涙を悲しみを共有し、受け止めることしか出来なかった。


 これから、静かに、ぐうと最後まで一緒にいよう。

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