相談事その11ー2

「あのさ…」


 もったいぶるような出だしに、むず痒く感じつつ。


「旦那の行動が怪しくて」

「ほうほう」


 朝歌あさかは頷き、眉間にうっすらシワが見えた。

 たちばなは、俺と朝歌が結婚した数ヶ月後に、今の旦那さんと結婚。

 出会いは7年前に合コンとか言っていたな。

 同棲期間も長かったらしい。

 結婚式に参列した時に初めて旦那さんを見たが、頼りなさそうな感じで、橘が好きになるタイプは意外に思った。


「例えば、どんな行動に怪しさが?」

「土曜に仕事で家を出て帰って来るのが次の日の朝」

「朝!?」

「家にいても、ここ1ヶ月は隠れてスマホを弄るし」

「わぉ…」

「帰って来てスーツを洗おうとすると、甘い匂いがしてさ」

「うぇぇ…」

「どう思う?浮気かな?」


 甘い匂いが香水を指すのかは分からんが、ちゃんと会話しろよと思いつつ。


「話はしていますか?」

「話したくても、彼、夜弱いからすぐ寝ちゃうの」

「あちゃー」


 頭を抱える朝歌。


「一体、何を隠してんだろう…」


 不安な顔になる橘。

 話が出来ないのはツラいよな。


「とりあえず、一旦話すのが良いかと!」


 そう朝歌は言った。


「何か、こう…すれ違いが発生している可能性がありますし?」

「なるほどねぇ」


 橘は悩ましい顔になる。


「2人の休みはいつだ?」

「えっ?」


 そんな間抜けな顔をするとはな。


「2人一緒に休みが近々あるなら、旦那とここに来い。そんで、話せ」


 その方が良いと、俺は思ったから提案した。

 様子を見ると、どこか渋っている。


「それ良いね!さっすが灯夜君!」


 朝歌は賛同してくれた。


「うーん…分かった、そうするよ」


 ようやく橘は決めた。



「じゃあ、また来るね!」

「はい、お待ちしております!」


 橘は帰って行った。


「すれ違い、解決すると良いなぁ」

「すれ違いかは分からんが、そうだな」


 さて、どうなることやら。

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