相談事その11ー2
「あのさ…」
もったいぶるような出だしに、むず痒く感じつつ。
「旦那の行動が怪しくて」
「ほうほう」
出会いは7年前に合コンとか言っていたな。
同棲期間も長かったらしい。
結婚式に参列した時に初めて旦那さんを見たが、頼りなさそうな感じで、橘が好きになるタイプは意外に思った。
「例えば、どんな行動に怪しさが?」
「土曜に仕事で家を出て帰って来るのが次の日の朝」
「朝!?」
「家にいても、ここ1ヶ月は隠れてスマホを弄るし」
「わぉ…」
「帰って来てスーツを洗おうとすると、甘い匂いがしてさ」
「うぇぇ…」
「どう思う?浮気かな?」
甘い匂いが香水を指すのかは分からんが、ちゃんと会話しろよと思いつつ。
「話はしていますか?」
「話したくても、彼、夜弱いからすぐ寝ちゃうの」
「あちゃー」
頭を抱える朝歌。
「一体、何を隠してんだろう…」
不安な顔になる橘。
話が出来ないのはツラいよな。
「とりあえず、一旦話すのが良いかと!」
そう朝歌は言った。
「何か、こう…すれ違いが発生している可能性がありますし?」
「なるほどねぇ」
橘は悩ましい顔になる。
「2人の休みはいつだ?」
「えっ?」
そんな間抜けな顔をするとはな。
「2人一緒に休みが近々あるなら、旦那とここに来い。そんで、話せ」
その方が良いと、俺は思ったから提案した。
様子を見ると、どこか渋っている。
「それ良いね!さっすが灯夜君!」
朝歌は賛同してくれた。
「うーん…分かった、そうするよ」
ようやく橘は決めた。
※
「じゃあ、また来るね!」
「はい、お待ちしております!」
橘は帰って行った。
「すれ違い、解決すると良いなぁ」
「すれ違いかは分からんが、そうだな」
さて、どうなることやら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます