休憩その1
「お散歩行って来るね!」
「「行って来まーす!」」
「はい、行ってらっしゃい」
ぐうを連れて来た、あの子達と一緒に。
散歩の手伝いをしに、たまに来てくれるようになったあの子達。
2人は兄妹で、名字は
人懐っこい2人。
元気だし、お手伝いのご褒美に、おやつをあげてるが、それを「美味しい」と言って、美味しそうに食べるから、見ていて微笑ましく思う。
子供…かぁ…。
まだ、かな…。
「ふぅ…」
さて、準備準備。
開店まで、あと30分。
気を取り直して作業を再開した。
※
「「「ただいまー!」」」
「おかえり」
午後3時過ぎ。
3人と1匹は帰って来た。
「ぐうちゃん、今日もいつもの所で止まったけど、帰りは歩いたから進歩したよ!」
いつもの所とは、木々を抜けて直ぐの所。
帰りも歩いたなら良いじゃないか。
「何で、あの場所から先はダメなんだか」
「不思議よね?」
ぐうはキョトンとしていた。
不思議なやつだな。
「はい、手洗いして来よっか!」
「「はーい!」」
手を洗いにトイレに行った朝歌と子供達。
その間に、生地は出来ていたやつを、冷蔵庫から出し、フライパンを温めた。
油を少量ひいて、生地をお玉で掬ってフライパンに流す。
ふつふつと、穴が出来た所で返した。
うん、良い色。
「はい、2人とも座って座って!」
手洗いから出てきた3人。
カウンター席は高さがあって危ない為、2人用のテーブル席に座らせた。
「甘い匂いがする!」
「今日は何だろう?」
1枚皿に移し、また生地をフライパンに流す。
返して、焼いて、皿に。
繰り返すこと10分。
上にバターを乗せて、蜂蜜をかけて出来上がり。
「朝歌、運んで」
「はーい♪」
お盆に出来上がったそれを乗せて、フォークを2つと共に、朝歌は運んだ。
「お待たせ~♪ホットケーキだよ♪」
「「わぁ!」」
さっそく2人はフォークを持って「いただきまーす!」と元気良く言ってから食べた。
「「美味しい!」」
「ありがとう」
口を大きく開けて美味しそうに食べる2人を見て、本当に可愛いなと思った。
「
「何?」
いつの間にか隣にいた朝歌。
「可愛いね、あの子達」
今にも泣きそうな、でも、慈しむような目で、子供達を見詰めていた朝歌。
それだけで、俺は朝歌の頭を撫でた。
「灯夜君?」
キョトンとする朝歌。
「ほら、そろそろ食べ終えそうだぞ」
「あっ、本当だ」
手を引っ込めると、朝歌はサッと光希と光羽ちゃんの所に行った。
こればっかりは、どうにもならないから。
優しく寄り添うことしか出来ないから。
いつか、叶ったら、その時は。
あの時以上に、大事に守ろうな。
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