第15話
洗礼式で
神殿では聖獣だ!神獣だ!と、大騒ぎになりましたが、子猫さんは転移魔術を使って、
転移魔術は魔法陣を用意しなくては使えない高位魔術です。しかも、最低でも魔術師は3人は必要です。それをこんなに小さくて可愛い子猫が、魔法陣もなく無詠唱で3人も転移させてしまうとは…。
怪しすぎるので
『僕はにゃんこだよ!アリシアと冒険の旅をする幸運のにゃんこだよ!』
「幸運の……にゃんこ?」
『そだよ!僕が願う事はなんでも叶うんだ!逆に僕に叶えられない願いはないよ!』
可笑しな子猫さんと思い信じてはおりませんでしたが、数日後に、今まで人生でどんなに願っても叶わなかった、アーノルド殿下の婚約者候補から外されたのです!
どんなに嫌がっても婚約者にされていたのに、5回目でやっと婚約者にならずにすんだのです!
『良かったね!』と、笑顔で言ってくれた子猫さんが、
「子猫さんは
『エスペルってなに?』
「古代語で希望よ、子猫さんが
『アリシアの願いを叶えて、幸せにするのが、僕の1番の願いだからね!』
「ありがとう子猫さん…、エル。エルの事は
『‼︎エルって僕の名前⁉︎』
「そうよ、エルは
『嬉しいな!
「あら、エルはみんなの希望なのね」
5回目でやっと自由になれた
セシルとアリスも一緒に旅をしていましたのですが、魔界に連れて行くのはやめようと思っていましたが、2人は叔父様の許可を得てきたのでした。
まあ、2人のお婆様のお兄様ですから、2人のお祖父様でもあるのです。
そして、
神を信仰する神官が魔界に来ること自体が異常ですが、それ以上に2人の様子が異常事態を知らせていました。
アムラ教の神官が着る白いマントは血で真っ赤に染まり、顔は殴られて腫れ上がっていた。
2人の話はこうだった。「3人の神使を連れた聖女が現れた」「アーノルド殿下の恋人となり、共に人々を癒す旅にでた」「赴いた村々では聖女を唯一神として崇め始めた」
「聖女が『なぜアムラ様は、病に苦しんでる人達や、貧困で苦しむ人達を救わず、か弱い子供達から両親を奪うのか』と、発言し、聖国の至る所で平民達が暴動を起こした」「神を信仰していない魔術国家で布教活動をするいい、神使達が魔術師達に法悦を与えて、魔力と神力が反発し自我を失い暴れ出した」「聖女の世話係の神官達に襲い掛かり、撲殺し始めた」そして、命からがら逃げたして、神獣を使役するアリシア・コーデルハイムに助けを求めようと、魔界にいる
その話を聞き、家族が心配になり
なにより、エルが
しかし、
そして、中央にはアーノルド殿下に絡み付く様に抱き付いているあの女と、腰まである長い白髪の白いローブ姿の男性が3人いました。1人が
髪型や服装が違くとも、あの顔を忘れる事はありませんわ!
過去の記憶が脳裏を巡り、あの時の苦痛と絶望が蘇ってきて息ができなくなると、エルが肩に飛び乗りスリスリと頬ずりするのです。その温かさに気持ちが落ち着いていきましたわ。
『アリシア、落ち着いて』
「……エル、ありがとう」
『この時の為に練習したのをやるよ』
「一度も成功してないけれど……、できるかしら……」
『アリシアならできるよ!このだと、人界は滅んでしまうよ?それに、アイツら天界の奴らだから、魔界も襲うかもしれない』
「そんな……」
『そんなの嫌でしょ?人界のみんなの事も、魔界のみんなの事も守りたいでしょ?』
「
『うん!僕も、大好きなアリシアが守りたい人達を、一緒に守りたい!一緒に頑張ろ!』
「ありがとう!
『じゃあ、イメージして!青い炎と赤い炎を、練って混ぜて絡ませて、アリシアの好きな色の炎に変えるんだ!』
ふふ、相変わらず分かりづらい言い方ですわね!ようするに、聖力である青い炎と魔力である赤い炎を融合させるって事ですわ。今迄は融合出来ても、炎の色のイメージが出来ずに失敗してしまいましたが、やっとイメージ出来ましたわ!
そう思った瞬間に、
『偉いよ!アリシア!綺麗な白い炎だよ!』
「
「あー!やっと来たよ!遅いよアリシア!」
ああ、何度聞いても嫌な声ですわね!
「今まで何処に隠れてたのよ!アンタのせいでバン様ルートに進めないじゃない!」
「
「はっ!何が祖父よ!男の家でヤリまくってたんだろ!淫乱のアンタがやりそうな事ね!」
「それは、貴方ではなくて?」
怒りが爆発しそうなお祖父様をチラッと見ると、察してくれたのか、小さく頷いてくれました。
ええ、あれは
さあ、復讐される準備は、できてまして?
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