第4話
芳醇な香りに深い膨らむ味のアッサムに甘酸っぱいブルーベリーソースのレアチーズケーキが上品に絡み合う。
要するに、うまし!!!!
実は私は緑茶より紅茶派です!緑茶のタンニンで喉がイガイガ痛くなる(涙)
コーヒー?お子ちゃまには分かりません。
「生活とメンタルのサポートって、そんなの王子やらヒーローのイケメン達にやらせれば良いじゃない、私である必要性を感じないんだけど?」
なんだが面倒くさそうだからケーキと紅茶だけ頂いて退散しようかな。
そう質問すると狐は人間みたいに「はぁ〜、それがさ〜」と、溜め息を吐きテーブルに片肘を突き顎に手を置いた。
「神の世界でも異世界ものが流行ってね〜、自分の国に転生させよ〜!転移させよ〜!って、ノリノリでやり始めたんだよ〜!
転生の子達ってさ〜、生まれ変わりだから転生ハイになる子や〜、落ち込む子がいるんだけど〜、前世の記憶を思い出して前世てわ死んじゃった事実さえ受け入れれば〜、魂と記憶が融合して落ち着くんだ〜!
でも〜転移はそうじゃないからね〜!
いきなり違う世界に拉致してるものじゃ〜ん!
みんなパニックになっちゃうんだよ〜!ゲームや物語の様にすんなり受け入れてくれるって思ってたんだけどね〜。
あてが外れちゃってさ〜、ヒロインみたいに救世主として活躍する子が一割で〜、納得はしてないけど受け入れてくれる子ニ割なんだ〜!戦いに無理矢理つれだされて怖気て殺される子四割、行方不明、自殺者三割って感じでさ〜!
僕の主人は興味が無かったからやらなかったけど〜、今回は事情が事情なだけにね〜、無理矢理異世界から連れて来るんだからさ〜!聖女召喚される女の子が平穏無事に暮らせるように支えてくれる人をと考えたんだ〜」
ん??
私にメイドの真似事でもさせようとしているのかね??
んなの、知ったこっちゃない!
自己中な話にイライラしてきたからフルーツタルトも食べちゃうわよ!
そういえば、23歳の時にタバコ辞めてから甘い食べ物、特に生クリームにチョコレート、ケーキやアイスは一口で気持ち悪くなってたのに。
死んで食べれる様になったのね、生身の体ではもう味わう事が出来ないのね…。
そう思うと私は寂寞を感じ乱暴にケーキを食べついた手を止めてティーカップを両手で包み込んだ。
飲むとちゃんと温かいアッサムなのにカップは熱くないなんて不思議ね。
まあ、この場所でこんな話を狐から聞いてるのが一番の不思議なのだけども。
「ねぇ、私にメイドでもさせるの?」
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