第3話
「やっと聞いてくれるんだね!」
私は話を聞く事にした。
NO!を言うにもまずは狐の話を一通り聞いてからにしよう!
話を聞かずに断るのはこの相手の場合時間の無駄だろうから。
「はい、聞くので短く端的に」
「う〜ん、なんだが少し引っかかるけど〜まあいいや〜!」
もふもふ白狐は納得のいかない顔をしながら指をパチンと鳴らすと、白い薔薇柄のガーデンテーブルとティーセットが目の前に現れて私はテーブルと同じ柄の椅子に座っていた。
三段のケーキスタンドにはショートケーキにチョコレートケーキ、チーズケーキやカヌレなど彩り豊かスイーツが並び、カップからは私の好きなアッサムの甘い香りがして心が安らぐ。
「僕のご主人様の世界は人界、魔界の三回層あるんだ〜」
白狐の話はこうだった。
上界にある天界の住人は魔界の瘴気に息も出来ないし穢れて暗黒の炎で焼かれ消滅してしまう。
下界にある魔界の住人は天界の清浄な気に浄化され聖なる炎で焼かれ消滅してしまう。
そして、中界にある人界の住人は聖力を持つ聖人と魔力を持つ魔術師と両方の力を持たない人間がいる、聖力を持つ聖人は天界の清浄な気にあてられない、魔力を持つ魔術師も魔界の瘴気にあてられない、しかし、力が少ない者又は無い者が長く居過ぎると影響を受け人外化してしまう。
だから、三界にはお互いの領域を侵さない不可侵条約を結んでいたけど、暇を持て余したろくでもない神達がいない。
天界の中だけでやる魔界を壊滅したり人界を支配下に置いたりするゲームや物語ならまだ良かった。
でも、奴等は行動に起こしてしまった。
聖人に法悦を与えて天界の戦士とし魔術師達には魔力浄化をして無力化し人間達と共に法悦を与たえ。
痛みを感じず死すら恐れないただただ戦いつ続ける人間兵器にしてしまった。
魔界と人界の魔術国家は魔石や魔道具などの貿易をしていて繋がりはあった為、難を逃れた魔力量の多い魔術師達は魔界の王に助けを求めた。
そして、天界と魔界の全面戦争が始まる直前に天界の長が時戻しの術を使い10年前に戻す事にした。
魔族の王と天界の王が力を合わせ術式を発動し10年前に時は戻った。
世界は平和に戻り皆んな何事も無かった様に生きている。
術式に関わってた魔界四天王、天界の四神、人界の聖国王と王太子、魔術国の総裁と副総長は二度とこんな事を起こさせないと、記憶を持ってままにしてる。
事を起こし魔界に追放された神達3神は聖力を奪われて魔界に死んでも天界には戻れない。
けれど、天界の長は術式を発動させた時に聖力を思いの外使ってしまい回復する為に眠りについてしまい、目が覚めまで後20年は掛かるらしい。
で、その間天界の長が不在になっちゃうんだけど、代わりに四神が均衡を保つが、もし、万が一同じ事が起きてしまった場合に備えて人界の均衡を保ち天界にも魔界にも影響をされない異世界の聖女を召喚しようとなったと…。
やはり神様だろうと碌でもないやつはいるのね。
人間兵器にされた人達は可哀想に思う。
戦争はどこの世界だろうと地位も名誉もお金も無い弱い市民が犠牲になるのよ。
人をチェスの駒の様に弄んでるんでしょうね。
「それで、私に何をさせたいの?」
「それはね〜、聖女が異世界から召喚された後の生活とメンタルのサポートをして欲しいんだ〜!」
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