第323話 恥ずかしい告白をする男

オレは英語の勉強のため、海外のニュースを読んでいる。

日本では考えられないような馬鹿げた事件があるのが面白い。


今回紹介するのはアメリカの話だ。


田舎に住む68歳の男性。

夜中に起きてみると隣に寝ているはずの妻がいない。


何かあったのかと家中探し回ったところ、離れの小屋にいた。


63歳の妻は22歳の青年と行為の真っ最中。

パーキンソン病もちの亭主は杖で青年を突っついた。

すると見つかった青年は居直ったのだ。


怒った亭主は愛用の41口径ピストルで青年を撃った。

が、幸か不幸か跳弾が青年の手に当たっただけ。


妻と青年が逃げ出したので、亭主はダイヤル911に電話した。


「ワシの土地に侵入した若い奴をピストルで撃ったんだ」


911のオペレーターは必要な情報を訊きだそうとした。


「侵入犯はどんな色のシャツを着ていましたか?」

「いや、何も着ていなかった」

「じゃあ下に履いていたものは?」

「いや、何も」


さすがのオペレーターも驚いた。


「裸だったという事でしょうか?」

「たぶんな。そいつらは車で逃げ出したんだ」

「他に誰かいたのですか」

「ワシの妻が一緒だった」


根掘り葉掘り尋ねられた亭主は恥ずかしい告白をする羽目になった。

妻が泥棒とともにベッドに居たということを。


最終的に ”ハロルドとモード” は現場に戻ってきた。

そして青年は待ち構えていた警察に逮捕されることになる。


「ハロルドとモード」というのは1970年代のアメリカ映画らしい。

10代の青年と70代の老婦人のロマンスを描いている。

が、現実はそんな生易しいものではなかった。


ニュース記事の最後はこう締めくくられている。


「他人の家で他人の妻と何やらいたすのは決して良い考えではない。たとえそれが合意の上であっても、亭主の弾丸を食らう可能性があるからだ」


アメリカならではのニュースだな、これは。


ちなみに記事には亭主の実名と青年の顔写真が出ていた。

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