第258話 秘密情報をもたらす男

 大阪急性期・総合医療センター(通称は府立。以下同様)の電子カルテがランサムウェアにやられて2週間が経つ。

 ニュースには出ていない噂がチラホラ耳に入ってきた。


 それを披露しよう。


 まず府立が救急患者を受けられないため、周辺医療機関がエライ事になってしまった。


 オレの関係している脳神経外科だと、大阪警察病院(警察)、大阪赤十字病院(日赤)、国立病院機構大阪医療センター(国立)、大阪市立総合医療センター(市総合しそうごう)などが救急患者激増になってしまっている。

 府立も警察も阪大系列だ。

 だけど脳外科は両方とも奈良医大から医師が派遣されている。


 だから府立が困っている時は警察が同門どうもんのよしみで助けることになる。

 でも、日赤は京大、国立は阪大、市総合しそうごう市大いちだい系列なので府立の尻拭しりぬぐいなんぞトバッチリもいいところだ。

 あ、大阪市大は名前が変わって大阪公立大学になったのか。


 ともかく、大阪市内が大変なことになっているのは間違いない。


 もっとも脳外科医には頭のネジの飛んでいる奴が多いので、現場がどう思っているのかは不明だ。

 案外「大変ですわー!」といいながら喜んでいるかもしれない。



 もう1つ。


 府立の中でも大変な診療科とそうでない診療科があるのだそうだ。

 某科の某先生なんかは「他の連中はバタバタしているけど、俺、やることないしな。はよ帰るわ」とか奥さんに電話したらしい。


 もちろん奥さんには「大変そうな顔をして部屋の掃除でもやってなさい!」と怒られた。

 周囲への配慮の足りない奴は非常時にその事がバレてしまう。


 こういった秘密情報は、カクヨム読者がをしたい時に役立ててくればオレとしても嬉しい。


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