第246話 名前付けを楽しむ男

オレは自分の小説の登場人物に名前をつけるのが苦手だ。


というのも、自分で自分に色々な制限をつけているからだ。



まず、迷わず読める名前をつけている。

どう読むのか、読者に考えさせるようでは申し訳ない。


次に余計な誤解をされないよう、知り合いの名前は避けている。

少なくとも友人知人の名字は使わない。

でも大抵の名字の人には何処どこかで出会ったりしているので苦しい。


また、知り合いでなくても同業者には要注意。

だからネットで「〇〇△▽ 医師」と検索してヒットしないかを確認する。

とはいえ、これがなかなか難しい。

苦労してつけた語呂のいい名前は大抵、同姓同名の医師がいる。


というわけで、いつも名前をつけるのには困っていた。

下手すると何時間も費やすことになる。



そんな試行錯誤の結果、3つほど妙案をみつけたので披露する。

カクヨム作家の皆さんの参考になれば幸いだ。


まず「すごい名前生成器」というサイト。

ありふれた名前から珍しい名前まで男女別にランダムに作成してくれる。


そればかりか外国人の名前まで作成可能だ。

アメリカ、イギリス、フランスだけでなく、スペイン、ロシア、ベトナムまである。

もちろん、中国、韓国、台湾もOKだ。


さらに凄いのは名前に使いたい漢字を選べることだ。

たとえば名前の「名」という漢字を使うとしよう。

新名、名倉、名和田、海老名など、いくらでも出てくる。


「とても珍しい」という設定をすることもできる。

奥名、神名、名加、名波、仙名など、これまたいくらでも作ってくれる。

ただし、珍しい名字は難読のことが多いので、いささか使いにくい。


とはいえ重宝するのは事実だ。


2つ目の方法として外国人の名前なら「イタリア 男の子の名前」でグーグル検索するとランキングが出てくる。

フランチェスコ、アレッサンドロ、ロレンツォ、アンドレア、レオナルドなどなど。

このようなサイトは複数あるので使い放題だ。


オレの小説ではイタリア人のミケーレが登場してくれた。


余談だが、イタリア語のミケーレは、英語でマイク、仏語でミシェル、独語でミハエルになる。

ついでに英語のピーターは仏語でピエール、イタリア語ではピエトロだ。


閑話休題。


3つ目の方法として、名前に使う漢字に意味を込めるやり方がある。


研修医に厳しい「おにづか先生。

周囲に恐れられている「おそれやま先生。

超優秀な「ゆう弁護士。

不正行為を行う「じま教授。

茨の道を歩む「いばらくん、などなど。


名は体を表す、とはこの事だ。


それに恐山とか優木などという名字はあったとしてもごく稀だろう。



そんなこんなで、最近は名前付けを楽しんでいる。

少なくとも何時間も費やさずに済むようになった。

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