診察室のトホホホホ

第228話 腰が痛くなってしまった男

　オレは毎年のように人間ドックを受けている。

　勤務先では本格的な健診をしていないので近所の病院に行く。

　若い頃は適当だった。

　が、年を取るにつれて結果が心配になってくる。

　特に最近は疲（つか）れ易（やす）くなった。

　会議中に意識がなくなったり、書類作成中に椅子に座ったまま眠ってしまったり。

　そうなると悪い病気にかかっているんじゃないかと疑心暗鬼になる。

　思い起こせば昔の上司は疲れがひどいので調べてみたら白血病だった。

　残念ながら1年ほどで亡くなった。

　別の診療科の医師は疲れやすくなるとともに妙に怒りっぽくなった。

　調べてみたら腎不全で透析（とうせき）生活に突入した。

　他にも脳出血、狭心症、肺癌、腎癌と、同僚の病気をあげたらキリがない。

　だから次は自分かとビクビクしてしまう。

　そういえば、最近になって腰も痛くなった。

　車から降りるとき、椅子から立ち上がったとき。

　つい、イテテテテ、となってしまう。

　動作時痛（どうさじつう）なので内臓疾患ではなかろう、と自分に言い聞かせるが、それでも不安が残る。

　なぜ最近になって疲れやすくなったのか。

　なぜ急に腰が痛くなったのか。

　ん……1つ心当たりがあった。

カクヨムじゃん！

　そりゃ1日に2時間も3時間もエキストラでパソコンに向かっていたら消耗するし腰も痛くなるわな。

　かと言って毎日投稿をやめるわけにもいかないし。

　作家生活が身体（からだ）に悪いのは間違いなさそうだ。