第151話 驚くべき夢を見る男
日曜日の朝の良い所は二度寝、三度寝ができることだ。
幸せな夢を見ることもあれば悪夢を見ることもある。
どちらにしても現実離れした世界を経験することができる。
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オレは真新しく広い病院で外来診察をしていた。
次の患者は車椅子で来たが、御付きの者が数名いた。
顔を見たオレは「おっ」と驚いた。
近隣国の独裁者だったからだ。
とはいえ、世界三大独裁者の全員が日本の御近所さんだ。
だからこの情報だけでは特定できない。
その中の1番若い人だと言えば分かるだろうか。
まずは御付きの者からオレに感謝状らしきものが渡される。
オレは立ち上がって両手で受け取った。
ハングルで書いてあるので中身は分からない。
続いて問診にとりかかった。
ここからはあくまでも医師と患者の関係だ。
通訳なしでやりたいが、オレたちに共通言語があるのか?
ところが彼は日本語を話した。
流暢とはいえないが、少なくともオレの英語よりは上手い。
オレはまず身長と体重の確認をした。
医師なら誰でも気になるのが、いわゆるメタボの状況だ。
血圧、血糖、コレステロール値も知っておきたいところ。
動脈硬化がどのくらい進んでいるのか。
父親の糖尿病体質を受け継いだりしていないだろうか。
驚いた事に独裁者は快活で話が上手い。
1対1で話をする限り、非常に魅力的な人物だ。
恐怖だけでは人々を支配することはできない、ということか。
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ふと目が覚めて、オレはトイレに行った。
外はまだ暗い。
何となく幸せな気分に包まれながら再び布団にもぐりこむ。
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オレはなぜかオランダの郊外をさまよっていた。
何らかの事情で遭難したらしい。
救援隊がやってきて食料を手渡してくれる。
これから原子力潜水艦で脱出するのだそうだ。
艦を操るのはトム・クルーズ。
身分を隠してはいるが、元潜水艦乗り。
彼は教官にレクチャーを受けながら操艦方法を学んでいた。
でも途中から勘が戻ったのか教官よりも鮮やかな手つきになる。
そして「押忍!」と一礼し、艦をスタートさせる。
彼には空手の達人という隠れ設定があったのだ。
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再び目が覚めた。
外はすっかり明るく、
まさしく日本の夏だ。
時計を見ると6時14分。
まあいいか、遅ればせながら投稿するとしよう。
登場人物に不足はない。
ネタは新鮮なうちに料理するに限る。
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