episode24 犬まっしぐら!
一同は全く揺れない謎の乗り物、フィンスで街の中央に向かっている。
道は石畳だが綺麗に揃っており段差もほとんど無い。立ち並ぶ店には大きなガラス?のショーウインドがいくつもありそれが都会的に見せていた。
そして今乗っているフィンスに似た乗り物に乗っている人をあちこちで見る。大きさはかなり小さくて一人か二人乗り位の大きさの物が動き回っていた。
「あの小さいのもフィンスなのかしら?」
「あれは個人用のワンスだな」
「まあ皆んな自分の足で走った方が早い奴らばかりだがワンスを持つ事は一種のステータスだな」
「へー確かにカッコいいかも」
(主、このフィンスもそうですがワンスと呼ばれる乗り物も龍の気配がします)
え、そうなの?
(確かに白銀の龍殿と同じ気配がしますな)
(カーシャも龍のお姉ちゃんと同じ匂いするー)
カーシャまで、しかも匂いって。
(でもお爺ちゃんみたいな匂いもするー)
(確かに長い時を生きた重厚な気配もしますな)
「ねえセっちゃん、なんか皆んなこのフィンスや外のワンスから龍の気配がするらしいんだけど?」
「さすが姉さんの連れだなよくわかったな。このフィンスやワンスは龍の鱗を動力として動いてんだよ」
「鱗?」
「ああ、長く生きた龍の鱗には多くの魔力があるからな。それを利用して動かしてる」
「すごいですね龍の鱗でこんな大きな物を動かす事ができるんですね!」
サリーは鱗がどこにあるのか探し始めた。
「龍の鱗って言っても普通の龍のじゃ無理だけどな」
なるほど、イヴァさんの気配がしてお爺ちゃんの匂いと言ったら…
「そっか、イヴァさんのお爺さんのね」
「ああ、あのジジイは神龍なだけあるからな。鱗だけでも持ってたら大型獣も逃げ出す程だ」
「そんな貴重な鱗をこんな沢山の乗り物に使えるんだ?」
「鱗だからな、ジジイんとこ行けばそこらに落ちてるよ」
そんな抜け毛みたいに…
「まあ、昔その鱗が人間に流れた事があってなそれで神龍の存在が知られちまって面倒な奴らが森に入る様になっちまってな」
「それで結界があるんだ?」
「そうだな、まあ最近は結界までこれる人間は滅多にいないがな。この辺の獣や魔物も強くなってっから」
チワワの顔でガハハと笑うセっちゃん。
(ですが最近、怪しい者達がいる様なのです)
突然リューシィさんからの念話が聞こえた。
セっちゃんもサリーもリューシィさんを見ているので皆んなに聞こえているらしい。
(そりゃーどんなヤローだ?)
(人間と獣の両方の気配をさせる者が最近街のあちこちで確認しています)
(人間と獣の気配…)
(はい、今日お連れ様の人であるお二人にお会いして確信を得ました。あれは人間の気配です)
(ほんとかよ!ここ数百年人間はこいつら以外来ていないはずなんだがな。姿は見たのか?)
(二人組で外套を深く被り顔は見えませんでしたが一人は細身で背が高い者ともう一人は背が低く小太りの者でした。警戒しているのかフィンスには乗らないので遠目で見た限りですけど)
(そうか、何者だろうな…)
(セっちゃん、獣の気配もしたと言うのはどうなのよ?)
(そうだな… 魔獣の魔石からも獣の気配がするがそれだけじゃ魔石の気配とわかるからな〜魔石を利用して何かしてやがるかもな)
(ともかく報告ありがとうよ、他に動きがあったら知らせてくれ)
(畏まりました、皆さんも街ではお気をつけて下さいね)
話をしているうちに大きな広場に出た。フィンスはその広場の外周をゆっくり周り始めた。どうやらロータリーのようだ。
「まもなく中央街に到着致します。お降りの方はご準備をお願い致します」
リューシィさんの澄んだ声で案内があった。
広場を周った先に停留場がありそこで停車するようだ。
フィンスは停留場に着くと音反動も無く停車した。
フィンッ
横側の結界が消えて透明な階段が現れ皆ゾロゾロと降りる。
「さあ、降りようぜ」
私達も降りる。
「セドリック様、またお越し下さいませ」
「ああ、お前も気をつけろよ」
直子は大福猫がどの様に降りるのか観察してみた。
シュ、クルクル、シュタッ!
大福猫はその体型に見合わず軽快な動きで飛び降りると空中で2回転して見事に着地した。
「あんたなんでそんな降り方なのよ!」
「大福もやれば出来るのを見せたにゃ」
それを見ていた周りの他の客がパチパチと拍手している…
大福猫は満足そうな顔をしていた。
「まもなく出発致します。ご利用の方はお乗り下さい〜」
リューシィさんのアナウンスで待っていた人達がフィンスに乗り込む。
「ちょ、待って凄い沢山の人が乗り込んでるけど?」
どう見てもフィンスの大きさでは乗り切れない人数がゾロゾロと乗り込もうとしている。
「大丈夫さ!拡張魔法があるからな、中に入ればさっき乗ってた時と同じ感じになるからよ」
そういえばさっき降りた時も乗ってた人数より沢山の人が降りていた様に思う。便利な魔法だ。
「さて、まずはメインストリートからだな!離れず着いて来いよ」
2匹と二人はチワワを先頭に続いて大福猫、直子、サリーの順でメインストリートを目指した。
先程のロータリーを少し行ったところで店が立ち並んでいる路地があった。
「ここがメインストリートだな、日用品から服、武器防具なんでも売ってるぜ」
確かに様々な物を売っている。路地を歩いている人も多い。皆んな獣人の姿をしており顔がワニだったり虎みたいな人もいる。
ほとんど人と変わらず耳と尻尾があるだけの人も沢山いた。
「直子さん、ケモ耳の人達可愛いですね〜」
サリーは今にもモフりに飛び出しそうな顔をしてる。
「本当に色んな獣人がいるのね、賑やかで素敵な街だわ」
「ガハハ! そうだろうよ。あいつ頑張って作ったからなぁ!」
セっちゃんも生々してる。
「セドリック様、またペットショップですか?」
「今日は違うぜ!」
「セドリック様、良い肴が入ってますぜ!」
「また今度な!」
チワワ姿のセっちゃんは街の人達に違和感なく認識されていた。
これだけ声掛けられると言う事はしょっちゅう街に来ているのだろう。
「街に入り浸ってるみたいね?」
「何を言ってんだよ街を見て周るのも俺の仕事だぜ!」
本当か怪しいところだが皆に慕われているのは分かる。それに皆んな明るく幸せそうだ。
「直子さん、ちょっと視線が気になるのですが…」
ん?視線?
私は感じないけど…
周りを見てみるとサリーをまじまじと見入っている人達が多い。
「そりゃーそうさ、姉さん達は人間だからなこの数百年人なんて来てないから珍しいんだろうよ」
なるほど… しかしそれにしてはサリーだけ見られているような…
「サリーだけ見られてるみたいだけど?」
「ああ!姉さんはイヴァっちの親戚だからな、魔力も半端ないから人間とは思われてないと思うぞ」
がーん!
人として見られてなかったなんて…
こんな儚い美女を!
「なんかすごい事考えてんな?」
セっちゃん、そんなとこまで鋭くなくていいのよ。恥ずかしいじゃない…
「直子さん、顔赤いですよ?どうしたんですか?」
サリーが心配そうに近寄って来た。
「だ、大丈夫よ。何でもないわ」
「それよりもここでは人間は珍しいみたいだからサリー気をつけないとダメよ」
「それで皆んなの視線を感じるのですね、わかりました。直子さんも気をつけて下さいね」
「ガッハッハ!」
セっちゃん、笑い過ぎ!
そんな話をしながら進んでいると先にある店にセっちゃんに良く似たチワワが描かれているポスターが貼ってあった。
近いて行くと中の店員?が出て来た。
なんかデカい人だ。
「セドリック様!毎度どうも!」
勢いの良い小太りで私よりも背が倍はあるんじゃないかと思う人が挨拶して来た。
全身黒い毛に覆われており顔は鼻の低い熊のようだ。耳も丸い耳が頭の上にぴょこっとある。
「おう、オウガー。いつも元気いいな!」
オウガーと呼ばれた熊さんはデカい背を精一杯にチワワのセっちゃんに近づける為に屈んでいる。
「今日もドッグフードをお求めで?」
ドッグフードって…
セっちゃん…身も心も犬に…
「いや、今日はこいつらのお守りだ」
「そうでしたか…」
そういうとオウガーは私とサリーの前にどどーんと大きな体で立ち塞がった。
近くで見ると見上げないと顔が見えない。
サリーはサッと私の背中に隠れる。
「人間のお客様は初めてですが歓迎致しますよ」
オウガーはそう言うとセっちゃんの時と同じ様に精一杯身を屈めて何かを差し出した。
大きな毛むくじゃらの手からポンッと手品の様に棒付きキャンディを出した。
「どうぞ、美味しいですよ」
「ほら、サリー。キャンディだって」
後ろで警戒していたサリーはそろりと出て来てキャンディを受け取った。オウガーの顔をじっと見つめていた。
「あ、ありがとうございます」
受け取るとサッと私の所に来て二つの内一つを私にくれた。
「直子さんオウガーさんのお顔はフサフサでモフモフですね、お目目もつぶらで可愛いです」
確かに大きい体に似合わないきゅるんとした目をしている。
「ガハハ!よかったな〜可愛いってよ!」
「セドリック様からかうなら試食のペットフードあげませんよ」
「お、おい。そりゃねえだろ」
二人のやりとりよりも試食のペットフードというのが気になる…
「おめえらよかったな!そいつはベアーハニーキャンディと言って熊獣人が集めた蜂蜜で作るやつなんだよ。うまいぞ。滅多に無いしな」
貴重な物だったとは。
包みを外して口に入れてみた。
「「あま〜い!!」」
二人して思わず叫んでしまった。
濃厚な甘さが口に広がる、そしてその甘さは潔く消え涼やかな花の香りに変わって甘さの余韻を残す。
こんなの前の世界でも食べた事はなかった。
「美味しい… 感動する美味しさね!」
「うう、うう、おいひいです…」
サリーは感動のあまり泣きながら食べている。
「な!うめえだろ。まあ、俺はドッグフードの方がいいがな!」
これよりいいなんてどんなドッグフードよ。
「喜んで頂いて嬉しいですね、最近は大量生産とかで魔道具を使って作る人もいますがやはり丹念に手で作った方が美味しくなりますからね」
二人で頷いた。
「ささ、中にどうぞ。」
街の見学に来て最初の店がペットショップか…
よっぽど気にいってんのねセっちゃん。
犬まっしぐら…
中に入るとみた事の無い動物が綺麗に整えられたガラスケージに数種類居る。
どれも小型で可愛い。
「直子さんこの子見て下さいよ」
サリーが興奮気味に指を指す。
その先にはモルモット位の大きさで全身がフワフワな白い毛でヒョウタンを横にした様に真ん中でくびれておりきゅるんとしたくろい丸い目と同じく黒い枝の様な手足が生えている。
「わ〜本当可愛い〜」
「そいつはあまり近寄らない方がいいぞ」
「え、なんで?こんなに可愛いのに」
その時どこからか虫が飛んで来てフワフワ白い毛の動物のガラスケージに停まった。
その瞬間。
ファバ!!
ビタッ!
突然フワフワ白い毛の頭が六つに割れてそのまま虫を食べようとガラスに張り付いた!
ガラス越しに割れた口の中がグニグニと動いている。
「ぎゃー!!」
「きゃー!!!」
サリーと二人で悲鳴をあげてしまった。
「な!近くに行かない方がいいだろう?」
「これはこれは、大丈夫でしたか?」
店主のオウガーが試食のペットフードを片手に慌てて様子を見に来た。
私とサリーはあまりの驚きに動けずにいた。
「この子はホワイトナッシュと言って森に住む食虫植物なんですよ」
植物なの⁉︎
「植物なのに良く動くのですね…」
「自走種ですね、動物と同じ様に動き回って餌を探します。捕食の仕方がダイナミックなので人気があるのですよ」
あれが… 人気なのね…
「危険ではないんですか?」
「この子には牙は無く口の中は柔らかいので噛まれても大丈夫ですね」
バキッ!
ゴキキ!
ホワイトナッシュは近くにあった太い枝を噛み折りながら食べていた。
「………」
「 ね、可愛いでしょう?」
いやいや、危ない子じゃない?この店長さん大丈夫か⁉︎
「あ、セドリック様このドッグフード美味しいですよ!」
オウガーは逃げるようにセドリックにドッグフードを持って行った。
「あ、あっちの子可愛いですよ直子さん」
サリーもホワイトナッシュの事は無かった事にした様だ。
よく見ると店内に居るペットはどれも見た事の無い生き物だ。まん丸な木?に顔だけがあるのとか、一見ウサギに見えるが体がムッキムッキとかでっかいカブト虫、見事なリーゼント頭をしているカエルなど。
「普通の猫とか犬は居ないのね?」
「そうですね、この辺は普通の犬猫は生きていけませんですね」
確かに人も来れない所だしね。
「ですのでセドリックのお姿は珍しいのですよ!」
なるほどセっちゃんは見た目普通のチワワだしね。
ここでは珍しいのか、通りでポスターのモデルになってるのね。
「ささ、セドリック様この度入荷した新作!犬まっしぐら!です」
聞いた事がある様な名前だ。
カリカリ
セっちゃんは美味しそうな音をさせて食べている。
「ささ、貴方様にはこちらをどうぞ。猫にマタビー!です」
オウガーは大福猫にもキャットフードを出してくれたようだ。
「我の存在に気がつくとはお主なかなかやるにゃ」
何故偉そうなのよ大福。
「いやーセドリック様も希少ですが貴方様もそのお姿、素晴らしい!」
「フフフ、わかるかにゃ」
「ええ、ええその丸々とした体… 何やら野生の心を刺激されます。ジュル」
オウガーを見ると大福を見てヨダレを垂らしていた。
「な、お前!我を餌として見てるにゃ!」
「そんな事はありませんよ、さあ極上のキャットフードですよ。どんどん食べて下さい…」
試食とは思えない量のキャットフードを差し出して来た。そして目は大福猫の丸々とした体にロックオンされている。
「い、いらないにゃ!食べ過ぎはだめにゃ」
大福はトトトと転がるように素早く直子達の後ろに隠れた。
「この子は精霊だから食べても歯応えないわよ?」
「直子さん、言い方…」
「そうにゃ我は生身じゃないにゃ美味しくないにゃよ!」
必死にアピールしてる。
「なんと、セドリック様と同じ精霊様でしたか…」
明らかにがっかりした様子で丸い耳が前にへたっと倒れている。
「ガハハ!こいつ俺に初めて会った時も同じ反応したんだよ。よっぽど美味そうだったんだな〜」
なんだかんだ言ってもやっぱり熊だった。
丸々とした大福猫の魅惑ボディに本能が抑えられなかったらしい。
「それじゃあ次行くか!」
口の周りにドッグフードの食べカスをいっぱい付けたセっちゃんが言い放った。
「その前にちゃんと口を拭きなさいよ、まったく」
フガフガ
近くにあった布でチワワの口を拭いてあげた。
そして大福を見るとちゃっかり出されたキャットフードを全て食べていた。
「せっかく小さくなったのにまた太るわよ?」
返事の代わりにゴロゴロと喉を鳴らしてフラフラとしている。全部食べたかと思ったらゴロンとその場に転がった。
マタビーとか言ってたからもしかしてマタタビだったのかしら?
「ウィ〜 シャワーでも爪切りでも持ってこ〜いにゃ〜」
「なんでシャワーと爪切りなのよ!」
「直子さんあれじゃないですかね、猫にとって怖いものとか?」
「ああ、確かに猫はシャワーとか爪切り嫌がるものね… しかしキャットフード食べただけでこうなるとは」
「ねえセっちゃん大福潰れちゃったわよ。移動するんでしょう?」
「それなら問題ねえさ」
セドリックは寝てる大福猫に近づき前足でそのお腹を叩いた。
ぺしっ!
するとまるで風船を叩いたかの様に大福猫が舞い上がりこっちに飛んで来た。
「なにこれ⁈」
ふわりと飛んでくる大福猫を空中で捕まえる。
大福猫はとても軽くまるで重さを感じなかった。
「俺ら精霊は肉体を持ってねぇからな、普段は意識して魔力で体重を作ってんだよ。だから酔っ払ってそんなになると体重を作るのを忘れるのさ」
なんと、精霊ってそうなってるのね。
「セドリック様も酔っ払った時に中に浮いてましたね」
オウガーがセドリックを見つめて呆れた様に言った。
「そう言えばセっちゃんも精霊だったわね」
「そう言えばは余計だ!」
「俺らは精神体だからな、姉さんの覇気でも食らわせりゃ大福も直ぐ起きるだろうよ」
「おっと、やるのはそいつはだけにしろよ!」
よっぽど直子の覇気が嫌いらしい。
覇気ってまだ上手くコントロールできないのよね…
とりあえず大福に意識を集中して…
〈大福!起きなさい!!〉
心の中で念じてみた。
「ヴャーーー!!」
すごい声と共に大福が飛び起きた。
さっきまでの酔っ払いが嘘の様にしっかりと立って周りをキョロキョロしている。
「何があったにゃ⁉︎魔王の襲来にゃ⁈」
誰が魔王じゃ!
「精霊は酔っ払っても危機を感じれば防衛反応で回復すんだよ、すげえだろ。まあよっぽどの危機を感じないと発動しないけどな」
私の覇気がよほどの危機だったらしい…
◆ ◇ ◇ ◇ ◆
「ねえねえ、
「どうしましたか?カーシャ」
「あたち達の出番少なくてしょんぼりなの…」
「確かにそうですな〜 我なんかこの前変な精霊と精霊界の繋がりを切っただけですぞ」
「それならカーシャはお爺ちゃんの匂いを教えただけなの!」
「盾のお姉さん!なのですから我々盾がもっと出番があっても良いと思いますな」
「そう不満ばかり言うものではありませんよ。主もいきなり知らない世界に来られて気丈に振る舞っておられるが本来はか弱い乙女なのです」
「我らが黙って陰からお守りするのが務めと言うものです」
「白たまはご主人と話をしてるの!」
「ずるいの!ご主人はもっとカーシャを甘やかすの!」
「そんなわがままを言ってると怒られますよ?」
「主殿のあの覇気は勘弁じゃな〜、いかに盾といえでも骨身に染みるわい」
「剣のおじちゃん骨ないの」
「例えですぞ、骨はなくとも盾の芯まで響いて来る覇気はさすが主殿と言った所」
「当然ですね、我々の主であるお方ですからね。本気を出せば我々も粉々になるでしょう」
「ご主人怖いのー」
「主はそんな事はされませんがね」
「うんむ、我々を信用して下さっておりますな」
「それに何やら怪しい気配もあるのでこれから忙しくなりますよ」
「出番なかったらデブ猫とチワ犬を眠くさせるの!」
「おお、カーシャ殿はその様な術を身に付けたか!」
「ふむ、着実に成長している様で安心しました」
「デブ猫にはマタビー、チワ犬にはお酒なの!」
「術でも何でもなかったですな…」
「あんまり変な事を覚えてはいけませんよ…」
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