患者Aに対応する医師B
柳鶴
第1話
患者Aに対応する医師B
病棟ログ
××年.4月20日
「A」さんが入室しました。
A:こんにちは。
B:こんにちは。
A:ありがとうございます。
B:何がですか?
A:医師の皆様にこの案が通るとは思っていなかったので。
B:患者さんのことが一番ですから。
B:それにここは、奇病院ですし。出来るだけ心を落ち着かせてもらうためにもそれが一番だと思いましたから。
A:はい。
B:じゃあ。今日の診察をしようか。
A:はい。
B:体の具合は?
A:今は平気です。
B:花は成長してる?
A:いいえ。今は止まっています。
B:痛くない?
A:少しだけ、痛いです。
B:食欲は?
A:あまり、ありません。
B:そう。ありがとう。
B:治そうね。「花光咲き病」
A:はい。
××年4月27日
A:おはようございます。
B:おはよう。
A:先生の資料見ました。
B:エッ!Σ(・□・;)
B:本当ですか?
私の顔どうでした?(ㆀ˘・з・˘)
A:かっこよかったですよ(*'▽'*)
B:よかった。私はAさんの顔見た事ないですね〜
A:今は見せられる顔じゃないので。
A:みんなは綺麗だと言ってくれるんですが、僕はそうだとは思えないんですよね。
A:顔にも花が咲いちゃって。片目の近くに咲いたので片方は花のせいで見えないんですよね。
B:大変ですね。治ったら見てみたいです。
A:その頃ならいいですよ。٩( ᐛ )و
B:ありがとうございます。٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
B:では。今日の診察を始めましょうか!
A:はい。
B:体の具合は?
A:元気です。
B:花の成長具合は?
A:少しだけ小さくなりました。
B:痛くない?
A特にこれと言った痛みはありません。
B:食欲は?
A:菓子パンくらいなら食べられる様になりました。
B:はい〜ありがとうございました。
A:はい。
××年4月30日
B:今日は夜景が綺麗ですね〜
B: 🌌 (空の写真)
ほら・:*+.\(( °ω° ))/.:+キラァキラァ
A:おお(//∇//)すごい!
A:使いこなしてますね。
B:そうでもないですよ?
A:先生て確か30ですよね。今年で。
B:そうだよ。確か君は25だよね。
A:はい(`・ω・´)
先生より若いのに機械にあんまり触ったことがないから写真の送り方とか分からないです。笑
B:精神年齢は君より若いと言う事で^_^
A:(笑)(苦笑)
B:こら、そういうことしない!
(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)センセイカナシイッ
B:ということは置いておいて。
今日の診察を始めましょうか。
A:はい。
B:体の具合は?
A:だいぶいいです。
B:花の成長具合は?
A:花は閉じてます。
B:痛みは?
A:ないです。
B:食欲は?
A:少し脂濃いものを食べると下痢になります。
B:はい笑
B:ありがとうございました。
A:ありがとうございました。
B:おやすみなさい(( _ _ ))..zzzZZ
A:おやすみなさい(_ _).。o○
××年.5月10日
B:おはようございます。
B:ねてるんですか?
B:もうお昼ですよ。
B:大丈夫ですか?
B:Aさん。
××年.5月10日
【医師専用ログ 奇病科小夜无蘭病院】
B:皆さん。
C:どうしたの?
D:ん?
B:Aさんから返事がないんです。
C:気にしなくていいんじゃない?
D:同意。
B:一日中連絡がないんですよ。
B:CさんDさん?
E:気にするな。そのうち返ってくるさ。
××年.5月15日 【Aさん】
A:おはようございます
B:どうして返事しなかったんですか?!
B:心配しましたよ!
B:他の医師さんに聞いたら気にするな。て言われるし!
B:本当心配したんですからね!
A:すみません
B:ところで何があったんですか?
A:はながおおきくなったので
B:大丈夫なの?!
A:いまはおさまったので
B:そうか。よかった。
A:のびつづけてるときは
A:いたかったですけど
B:花の色は分かる?
A:ぴんく
B:え
A:ぴんく
B:末期の色は確か。
A:あか
B:そうか。大丈夫。絶対助ける。
A:うん
B:体調は?
A:わかんない
B分からない?
A:うん
B:気持ち悪いとかは?
A:たぶんない
B:そっか。
A:うん
B:もう疲れたでしょう。寝なさい。
A:わかった
A:おやすみなさい
B:はい。
B:ねぇ。
B:知っているんでしょう?
B:貴方。
B:彼の鬱を治す方法を。
B:彼は何で悩んでいるのかを。
B:彼が話した病気も。
B:この病棟も。
B: …………。
B:精神科だと。
B:彼は………。
B:…………。
B:何を見ていると思います?
B:幻覚ですよ。
B:この話はここでおしまいにしましょう。
B:彼に見つかって仕舞えば。
B:悪化するだけですから。
B:…………。
B:………………。
B:あ、そうそう。
B:この事は。彼にはバレないようにお願いしますね?
B:では。
B:また、こちらから話しかけるかもしれませんね笑。
管
コノ世界ノ 理II :【B』サン 退室シマ
ン ガ
患者Aに対応する医師B
第二部
【昨年】××年.9月1日 【Fくん】
A:次いつ会える?
F:んー明日?
A:ええ笑。早すぎ笑。
F:だってお前に早く会いてぇーもん❤︎
A:もう❤︎
××年10月1日【Fくん】
A:次いつ会える?
A:ねー
A:ねぇー
A:ねー!!
F:なに?
A:次いつ会える?
F:んー
××年12月23日
F:なぁA
F:悪いけどさ
F:クリスマスとかもう一緒にいらんねぇーわ
F:ごめんなー
F:じゃあな。
A:え?
【ブロックされています。】
A:どうして?
A:なんで?
A:………。
A:F君は浮気をしてた。
A:F君に問い詰めたら、浮気されるお前が悪いって。
A:浮気相手は女だった。
A:あんな奴の何処がいいんだよ。
A:…………。
A:痛い。
A:なんだろう。
A:喉が熱い。
A:痛い。
A:頭の奥が、痛い。
A:…………。
A:痛い。
A:痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
A:はぁ。
B:Aくん。入りますよ。
ゆっくりと扉が開く。
月明かりに照らされ。冬だというのに窓が空いていて、一瞬にして身体が凍った。
空いた窓から揺らめく風をカーテンが描き出す。
A:……たい。
彼の今にも枯れそうな声が静間に響く。
B:?どうし A:いたい。
A:しにたい。いたい。くるしい。ころす。ころす。あんなやつなんて。あんなやつなんて。
言葉に被さってきたかと思えばFへの恨みつらみを呟いた。
そして。
A:あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"‼︎¡¡
一瞬静まってかと思えば、阿鼻叫喚。
喉が潰れるのでないかというくらいの大声が病棟の一室から響く。
B:………。
A:もうやだ。もうやだ。もうやだもうやだもうやだもうやだもうやだもうやだもうやだ。
B:大丈夫。
A:…ぁ……ぁぁ。
その言葉を聞いた途端。ぴくりと動きが止まり、まるで錆びた鉄のように首をがぐがくさせながらゆっくりとこちらに顔を向けた。
A:みないでよ。
A:ぼくのことなんか…みないでよ
B:……。
ゆっくりと近づく。
「くるな、くるな」と言われても歩みを止めることなく、同じ速さで淡々と近づく。
ベッドの前まで来れば、壁に背中を押し当て、まだ「くるな」と繰り返すAがいた。
泣きながら自らの顔を爪で引っ掻く。
皮が点点と剥ける。その隙間の小さな傷口から血が垂れる。
さらに掻きむしろうとする彼の手を引っぺがす。
B:醜いなんて…私には美しい以外の言葉は不要に思えますよ。
A:……うそ、だ。
優しく微笑み。そして抱きしめて。
B:いいえ。
A:うそだ
胸板を両手で押し突き放そうとするAを無理矢理抱きしめて、そっと頭を撫でてやる。
A:やめ…ろ
B:嫌です。
A:………。
急に大人しくなったかと思うと、大粒の涙をこぼしながら抱きしめ返してきた。
A:もうやだぁ……もう、誰も信用しないてぇぇ、決めてたのにぃぃ。
A:へんなこといってぇ……へんなことするからぁぁ。
B:ごめんなさい。
優しく抱いて頭を撫でる。
肩の方を掴んで泣きじゃくり声が掠れて出なくなるほど泣かれた。
肩が涙と鼻水のせいで濡れてしまった。
彼は疲れてしまったのか泣いている途中でぐったりと寝てしまった。
B:………いい子。いい子。Aくんはいい子。
管
コノ世界ノ 理II :【B』サン 入室シマ
ン ガ
B:こんにちは。
B:お久しぶりだね?
B:いつぶりかな。
B:君が気になっているかもしれないことを、一つ教えてあげよう。
B:なんで君のことを僕が認識できているか。
B:それはこの世界の管理人が繋げてくれているからだよ。
B:………。
B:何故。私が貴方に語りかけていると思う?
B:君は……いや、君達は私の知らないことまで知ることができる存在だからだよ。
B:でも一方的に私から語りかけるばかりで返事もしない。
B:正確には返事ができないのかな?
B:まぁ。もうどちらでも構いませんが。
B:彼を救いたい一心でこんなことをしましたが。
B:話が聞けないなら意味がないと思ったんです、
B:なので。もうこれで終わりです。
B:どこまで私達を見れるかはわかりませんが。そろそろ時間切れでしょう?
B:では^_^
B:完全に小夜无蘭。
管
コノ世界ノ 理II :【B』サン 退室シマ
ン ガ
気づけば朝になっていた。
小な夜は一瞬にして終わった。
彼は私の腕の中で体を小さくして寝ていた。
少しみじろいだと思ったら目を開けた。
B:……もう少し……もう少し、寝ていても良いですよ。
そういうと彼は何も言わず、Bの腕の中をするりと抜け出し、窓に立った。
続いて起き上がりそちらを向くと。
A:……綺麗でしょ。
B:ええ。
A:僕ね、これだけは毎日見るために起きてたんだ。
そう言って窓の外を見る。
A:ガラス越しだと本物じゃないから、窓を開けてる。
風が吹いて髪が揺れる。
ピンクと水色と白と。少しの黄金色が創り出す空を眺めた。
昨日の黒く濁った彼の瞳が、今はなぜか澄んでいる気さえする。
B:そっか。
A:ねぇ。先生。
B:どうしたの?
A:先生はさ。僕のこと「綺麗」て言ったよね。
B:そうだね。
A:なんで?
B:理由なんてないよ。
B:綺麗に理由なんて必要ない。
B:この空が綺麗なのと一緒で、理由なんであっても意味がないよ。
B:強いて言うなら、綺麗て私が思ったから。
B:それだけで十分だと、私は思うよ。
A:そっか。
A:ありがとう。
A:ねぇ先生。
少しの間があった後。
B:ん?
A:ありがとう。
彼が笑ってそう言った。
B:どういたしまして。
___「問題正解」END___
【☆あとがき☆】
どもども!!
世界の管理人でぇーーす☆(※柳鶴です)
ぐりぃんぐりぃん☆
↑言いたかっただけっす。すいやせん。
いやぁ。こういう話かくとね☆なんかね☆こう、はっちゃけたくなるんですよ。
好き勝手書きました本当。
いつもそうだけど☆
結構早く終わったねんねんねんねん☆
他にも書いている作品がございやすんが。息抜きという感じでぇ?書かせてぇ?あっ!もらったぁぁぁんよぉぉ⤴︎
(カンカン!)
ごめんなさいね、あとがきの人うるさくて笑。
本当に最後まで愛読いただきありがとうございます。涙が止まらんっ!血涙を流すレベルでございやす!ヘイ!
ということでそろそろ消失しますわ。
今後ともえれぇーご贔屓に!!
まいどぉぉ!!!!エイ!ヘイ!
衛兵☆!
完☆
患者Aに対応する医師B 柳鶴 @05092339
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