9 一家団欒、掘り炬燵
我が家は冬になると掘り炬燵が登場しました。
それは一家団欒の居間にありました。冬の間の暖房器具は掘り炬燵が中心でした。
他には火鉢などありました。
居間は普段は畳が敷いてありフラットな状態ですが、中央の畳を外したら、そこに穴が掘ってありました。穴には灰が入れてあります。
その穴の四方は木で囲ってあり、そこに掘り炬燵のやぐらを設置します。
掘り炬燵のやぐらも木で出来ていました。
掘り炬燵の燃料は炭でした。お風呂を薪で焚くのでその炭を炬燵に使っていました。お風呂の焚口から
居間まで運んだら、掘り炬燵の掛布団を持ち上げ、炬燵の中の木枠を外して、穴の中に入れてある灰の上に炭を投入します。投入した炭に灰を軽く被せて完了です。木枠と掛布団を戻して、家族で暖まります。
炭が消えてきたら、又新たな炭を足していきます。
じんわり温かくて気持ちが良いのですが、足を伸ばし過ぎたら炭に当たって火傷をしてしまうので木枠が取り付けてありました。炬燵の中に長時間、顔まで潜り込んでいると一酸化炭素中毒になるので注意が必要でした。
炬燵の大きさは広くて、家族6人(祖母、両親、姉2人、私)が炬燵を囲んで座り食事を摂ったり、遊びも宿題も団欒も寒い間は殆んどここで過ごしていました。
寝る時には、この掘り炬燵は使わずに、祖母、両親、姉達と私の3人はそれぞれの部屋で寝ていました。
寝る時の暖房器具は、湯たんぽや※豆炭あんかです。
お正月に、親戚が集まってない時は、この掘り炬燵に入って家族6人でトランプをするのが恒例でした。だいたい、ババ抜きと七並べをしてました。
当時は他に娯楽が無かったので、このトランプ遊びはとても楽しかった覚えがあります。バツゲームで2番目に勝った人から順番に手を重ねていってビリになった人が一番上に手を乗せます。そして一番に勝った人が、順番に並べた手の甲に向かって上から思いっきり叩きます。並べていた手は、勝った人が手を振り下ろすと同時に引っ込めることが出来ます。手を引っ込み切れなかった人は思いっ切り打たれてしまうという訳です。これがきゃあきゃあ言いながらかなり盛り上がりました。
家族みんなでこうしてトランプ等をして楽しんでいたのは私が小学生だった時の事です。中学校になった頃からは、家族で遊ぶこともなくなりました。
※豆炭あんかの画像があります。下記にて確認して見て下さい。
楠瀬スミレ 様の近況ノート「はなドン第13話 昭和日本昔話からの豆炭あんか」
https://kakuyomu.jp/users/sumire_130/news/16816927861560008618
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