13 夏休みのあみだくじ

 今回は私の小学生の頃の思い出話です。


  小学生の頃、夏休みに入る前には学校から夏休みの宿題と夏休みの計画表を書く用紙等と一緒にラジオ体操カードを何枚かもらっていました。このラジオ体操カード、今でもあるのでしょうか?何枚かもらったラジオ体操カードからお気に入りのカードを選び、朝のラジオ体操に持って行っていました。


 毎年、順番に地区の子供会の誰かの家の庭がラジオ体操の場所になり、体操が終わるとその家の保護者の人にカードのその日の日付の所に印鑑を押してもらっていました。私の子供の頃は土日も休まず体操していました。お盆の3日間だけがお休みでした。ラジオ体操カードも夏休み明けには学校に提出していたので、宿題みたいなもので毎日休まないように頑張っていました。


 その夏休み期間中は、ラジオ体操は別として、午前10時までは外出せず家で宿題をしたりして過ごす決まりがありました。夕方は6時にこの地域のどの家にも設置されていた有線放送電話から「夕焼け小焼け」の歌が流れて外で遊んでいても家に帰る事になっていました。


 さて、夏休みになると我が家には恒例の行事がありました。

共稼ぎだった両親の代わりにお家の掃除をするのです。

私には姉が二人おり、一番上の姉(私より6つ年上)が権限を持っておりました。

 毎朝の宿題が終わると、姉があみだくじを作って、当たった場所の掃除をすることになっていました。このあみだくじが凄く不思議だったのですが、(多分、私のくじ運が悪いのだと思いますが) お風呂掃除とトイレ掃除が当たる確率がたかいんです。一番やりたくない掃除場所でした。

姉達は、庭をほうきで掃いたり、部屋をほうきで掃いたり、私から見たら簡単なところばかりなんです。でも、私は姉には逆らう事もせず、自分が当てたんだからしょうがないとしぶしぶ頑張っていました。

 今にして思うと、姉から「風呂掃除とトイレ掃除をやりんさい(やりなさい)」と言われていたら多分嫌だと言って不満をぶつけていたと思いますが、あみだくじというゲーム感覚で今日は楽な掃除が当たるといいな、なんて思いながらドキドキしながら引いていたので、それはそれで子供心に楽しかったのかもしれないなと思います。

 そして何より嬉しかったのは、仕事から帰ってきた母に「今日はトイレ掃除とお風呂掃除をしたよ」と報告すると「ありがとう、ありがとう、助かるよ」とニコニコして言ってもらったことです。私はその言葉を聞きたくてやっていたようなものです。


 それから、夏休み中の夕食は私がまだ小学生の低学年だった事もあり、姉二人が交代で作っていました。私は毎回、夕食の後片付けに決まっていました。

 その為か大人になってから、料理を作るのはそんなに得意ではありませんが、後片付けの皿洗いなどは全く苦になりません。どちらかというと食べたらすぐ片付けたくなります。これは小さい頃、姉に鍛えられたお陰ではないかと今では感謝しています。


 子供の頃の夏休みと言えば、今でも姉妹でひいたあみだくじを思い出します。



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