第十二話 サッカーバトルに遭遇〜第一試合〜

今日のアライさんは休日のアライさんだ。

そして、草原でのサッカーの日が始まる。

いつものライオンの姉ちゃん主催のサッカー大会に参加するのだ。この日のためにアライさんとフェネックは必殺技の特訓もしてきた。

今回こそアライさんのチーム


"パーフェクトアライアンス"


の優勝だ。


この時、まさかあんな事になるとは観戦フレンズ、人間を含め誰も予測できなかった...


大会はトーナメント方式で参加チームは15。

優勝すれば豪華景品がもらえる。

ちなみにアライさんは前回大会で決勝で敗退、悔しい思いをした。絶対に勝つ!

アライさんのチームメンバーとポジションは次の通りだ。


アライさん(GK)

フェネック(DF)

ニホンアナグマ(DF)

ツキノワグマ(DF)

タヌキ(DF)

カラカル(MF)

ヒグマ(MF)

カコミスル(MF)

ハクビシン(MF)

オコジョ(FW)

ホワイトサーバル(FW)


防御に厚めの無敵の布陣なのだ。


「今年こそは優勝なのだ!」


「うん、叩き潰してやろうぜ!なぁ、白いの」


「うん、サーバル台風になる!」


「フォールガ◯ズで練習してきたからきっと大丈夫」


「うん、いい雰囲気だね。今年こそは絶対勝てる。」


「特訓の成果、みんなに見せてやるのだ。」


「ウッス(たくさん)」


「それじゃあ、気合い入れていくのだ!」


「おおー!!」


ー第1回戦ーサイレントヒル戦ー

一回戦の相手はワシミミズクとアフリカオオコノハズクのチームだ。試合開始直後必殺タクティクス"ザ・ミスト"を展開。サンドスターの力でフィールドに霧を発生させて視界を奪う凶悪な技だ。


「お前たちはボールも我々も見ることすらできないのです。」


そう博士の声が聞こえた次の瞬間にはボールはゴールの中にあった。


「何が起こったのだ!?」


「最凶すぎるだろ...匂いもしないし音もしない。本当に勝てるのか?」


「全然見えなかったですぅ」


「おいお前ら!まだ一点目だろ!」


博士のチームがこんな新テクを開発していたとは、アライさんも予想していなかった。

そしてアライさんチームからのキックオフ、いつもならフェネックとカコミスルの采配で一気に相手ゴールの前に攻め込むのだが...


「行かせないわ!」


「スッカラカル!?」


ギンギツネと思われる影にボールを奪われるとあっという間にディフェンスを突破、自陣ゴールに攻め込まれる。

しかし、アライさんは落ち着いていた。手に意識を集中させていたのだ。アライさんの手の触覚は高性能センサー並み、そしてフィールドの空気の動きを読みとってやると...


「ん?ここなのだぁ!!」


バシィ!!!


猛禽類らしい静かで重いシュートをアライさんはキャッチしたのだ。


「ば、馬鹿な。何も見えないはずなのです!」


「アライさんの手を舐めすぎなのだ。じゃあ、お返しなのだ!ヒグマ!!」


自陣に戻っていたヒグマにボールを回すとその場でシュート体制に入る。


「ひ、ヒグマはマズイのです!!誰か止めるのです!」


「助手スライド!」


「焦ったのかな?音が聞こえてるよ。じゃあ、逝こうか」


助手のスライディングを避けたヒグマは足に赤黒いオーラを纏わせるとオーバーヘッドの体制でボールを蹴り出した。


「フローラルデスベアー!!」


ヒグマの放ったシュートは竜巻のような突風を起こし霧を全て消し去った。


「ま、負けないでござる!!つ、土壁のじゅ...キャアアイエエエ!?」


キーパーのパンサーカメレオンごとゴールさせた。


「流石ヒグマです。アレは無理ですね。」


「でも、こっちには"ザ・ミスト"があるわ。こっちが有利なのには変わらな...」


「できないのです。さっきのヒグマのシュートが強すぎてサンドスターが不安定になってるのです。何が起こるか分からないのです。」


「博士の言う通りなのです。特にギンギツネはよく爆発させますからね。」


「そんなぁ...」


「では、いつものプランBなのです。お前たち、攻めるですよ。」


「ようやくオレ達の出番だな。」


「やはりあの作戦はジャスティスに掛けてたわね。サッカーは正面から殴りあうべきよ」


クズリ、ハクトウワシなどが姿を表した。

なんと、先程までの博士、助手、ギンギツネ、パンサーカメレオン以外全員潜伏していたのだ。

そこからは30分以上に渡る壮絶なサッカーバトルだ。


「クズリ!そのままゴールに運べ!」


「させるか!デストラップ!!」


「ぐわあああああ!!」


オコジョの攻撃的な攻め。


「我々の必殺技を見せてやるのです。」


「「ダブルウイング!!」」


博士と助手の必殺シュート


「させないのだ!アライさんハンド!!」


アライさんが出した水の手でボールをキャッチ


「ジャスティスウイング!」


「茶釜ディフェンス!」


「カラカルアタック!」


そして試合終了直前、アライさんのチームにチャンスがやってくる。


「今だ!ホワイトサーバル!決めてやれ!」


「うん、行くよ!ジグザグホワイトクロー!!風になれ!!」


「止めるでござる!風で岩を壊せるかあああああああああああああ!!土壁の術!!」


ゴール前に巨大な石壁が出現、しかしホワイトサーバルのシュートは止まらない。


「な、何だこのパワーは!?耐えろ、耐えてくれでござるぅ!!うわあああああああああ!!」


ゴール!!そしてここで終了のホイッスル、

"パーフェクトアライアンス"は2-1で"サイレントヒル"に勝利、2回戦に進出したのだ。

一回戦から強敵だった、今年も楽では無さそうなのだ。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る