第X話 アライのしっぽ気持ち良すぎだろ!

ジャパリコインを売ったお金でニコニコ動画のプレミアムに登録することにしたのだ。さっそく人気の動画をチェックすると気になる動画が目に入る。


「ティーダのちん◯気持ち良すぎだろ?ティーダって確かファイナルファンタジー10のキャラクターなのだな。ニコニコ動画では人気があるのだ?」


昔フェネックがプレイしてるのを見てた記憶かある。ティーダは主人公だった。

そんなティーダが何故今の時代で人気なのか気になったアライさんは動画を開いてしまう。しかも、スマホの音量は最大だ。


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ!!チン◯気持ち良すぎだろ!!ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ!!気持ち良すぎだろ!!」


「うわあああああ!うるさいのだあああ!!しかも何だこの下品な歌詞はああああ!!」


アライさん邸にアライさんの絶叫が12秒ほど続くと、動画が動かなくなった。静かになったスマホを手に取ると音量を下げて再び再生する。何故再生したか分からないが手が勝手に動いていた。


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ...♫」


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ...♫」


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ...♫」


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ...♫」


気づけば2時間が経っていた。ツイッターを開くと知り合いのフレンズもみんなこの動画についてツイートしている。アライさんもこの奇妙な歌詞の動画を漁っていた。


「なんなのだ、この動画。中毒性があるのだ。もっと見たいのだ。こんな面白い動画...そうだ、フェネックと師匠が帰ってきたら教えてあげるのだ。ツイッターをやるのはアライさんだけだからアライさんがやるしかないのだ。」


その時アライさん邸のドアの音が鳴る。フェネックが帰ってきたのだ。


「ただいまー、おや?アライさんの機嫌がいい時の尻尾してるね〜。ツイートがバズったりした?」


「尻尾だけで分かるのか!?流石フェネックなのだな。そうだ、フェネックに見せたい動画があるのだ。さっきまでアライさんが見てたのだが、面白いのだ。」


「お?どれどれ?」


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ!チン◯気持ち良すぎだろ!...(以下略)」


「フッ...w何でティーダww」


フェネックが静かに笑った。無事、フェネックのツボに刺さったようなのだ。それを見たアライさんは「ワイにも分かるで」という表情をしてフェネックを見る。


「フェネックも知ってしまったのだな。この動画の中毒性を...後はこんなのもあるのだ。」


それからはもうめちゃくちゃにティーダの動画を見た。アライさんは器用な手先でMAD

"アライのしっぽ気持ち良すぎだろ!"

を爆速で作ってツイッターにアップするとすぐに100万回再生、5度目の万バズ達成なのだ。

フェネックもニコニコ動画に張り付き野獣のような眼光を光らせていた。もはや電子ドラッグだ。少し前にシャブ漬け戦略が流行っていたけど、こういうのを指すんだな(笑)


ツイッターをチラリと見ると"FF X"、"ティーダ"、"アライさん"、"気持ち良すぎだろ!"、"株価上昇"、"サンドスター壊れる"などが並んでいてお祭り状態だった。最高なのだ。


その時、師匠が慌てた様子で帰ってきた。


「みんな大変なのだ!!頭がサイレンのセルリアンが現れて不気味な曲流してるしセントラルのフレンズも奇妙な歌を合唱していたのだ!パークの危機を救いに...って2人とも何見て、うわ!今すぐ止めるのだ!!」


カコミスルがスマホを取り上げてテレビを付けるとそこにはあのサイレンヘッドみたいな姿のセルリアンがセントラルを歩いている様子が中継されていた。問題はそいつが発している音だ。「ティーダのちん◯気持ち良すぎだろ!ちん◯気持ち良すぎだろ!...」、なんとさっきまでニコニコ動画で見ていたMADの曲だ。でもそんな、そんなの...


「知らねーよ。そんなの、なのだ。本能が求めているのだ。ティーダ見るのだ。」


「ティーダのちん◯気持ち良すぎだろちん◯気持ち良すぎだろティーダの...」


「こ、コイツら...既に手遅れなのだ。」


このままあのMADが広まり続ければサンドスターもティーダに染まり私もティーダ中毒になるかもしれない。そしたらみんながちん◯ちん◯言っている地獄のパークが完成してしまう。

あのMADをオワコンにする方法はないだろうか?ティーダのちん◯より魅力的なもの...

そんなものがあるのか?

いや、ひとつだけあった。

"アライさんの尻尾"、アライさんの尻尾だ。

アライさんの研究をしているプロ級マニアのおっさんが書いた本に書いてあった。「アライさんの尻尾には強力な中毒作用がある。全力を出せばどんな薬物より気持ち良くなれるのだ。しかしアライさんは尻尾の力を知っているのでセーブしているのだ。」と。


「そうか、その手があったのだ。ずんだもんの尻尾を作っている職人のフレンズなら、アライさんの尻尾を作れる。それをティーダ中毒者に配れば救うことができる。」


その時だった。カコミスルの耳の近くで曲が流れた。


「ティーダのチン◯気持ち良すぎだろ!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおええええええ!!」


現れたのはフェネック、

ハメられた!近距離で聴いてしまった。

急いで耳を離したが強烈な聴きたい欲に脳が犯される。だがな、本気を出したアライグマ科のフレンズにそんなもんは効かないんだよ!


「ぐ、ぬおおおおおおおおおおおおお負けないのだああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


カコミスルはティーダを振り切ると玄関を飛び出てアライさんの尻尾を作る職人の元へ急いだ。幸い、職人はネット環境の無い山奥に住んでいる。ティーダを知らなかったのだ。


職人の住む家に入るとそこには色黒のフレンズがいた。ご存知ツキノワグマとカニクイアライグマだ。カニクイアライグマはアライさんに似た見た目をしていて全体的に色黒だ。


「ジャパリパークを救うにはアライさんの尻尾が必要なのだ!作れるのだ?」


「ウッス、もちろんだぜ。」


「まかせてくれ、究極のアライさんの尻尾を作ってやる。カニクイアライグマには無い気持ち良すぎるアライさんの尻尾を」


それからは早かった。2人の連携と今までの経験、カニクイアライグマの神のような手捌きでアライさんの尻尾の試作品が完成した。


「簡単に作ってみたぞ。昔アライさんの尻尾を触ったことがあったがこんな手触りだったはずだ。」


「昔見たアライさんマニアの本の通り、サンドスターで中毒性?とやらも入れといたぜ。」


「この手触り、見た目!完全にアライさんなのだ...これがワザマエなのだな。すごいのだ。」


「これをたくさん欲しいんだよな?材料代と時間代が結構かかるぜ?それでも大丈夫か?」


「もちろんなのだ。300万円、用意してきたのだ。これで頼むのだ。」


「うむ、その気持ち受け取った。熊職人の腕がなるぜ。」


「家に直接納品する形にさせてもらう、でいいんだよな?」


「それで頼むのだ。」


ジャパリコインで稼いだ現金を渡した。パークの危機だ、金をケチる考えなど無い。


それから数日後、大量のアライさんの尻尾が入ったダンボールがたくさんアライさん邸に届いた。相変わらずティーダ漬けのアライさんとフェネックのスマホをアライさんの尻尾と取り替えると洗脳が解けたみたいな反応をした。


「のだ!?アライさんの尻尾があるのだ!!あれ?さっきまで何してたのだ?」


「こ、これは!?アライさんの尻尾!?アライさん!?え!?アライさん!?アライさん!?」


冷静になった2人に状況を説明すると3人でセントラルに繰り出し次々にアライさん尻尾を配布した。ティーダ漬けの人とフレンズを救ったのだ。あの緑髪のパークガイドもカコミスルの髪飾りを付けた研究員も救った。空気にティーダのちん◯が見えるようになった重症のホワイトライオンのフレンズも救った。

それから、セントラルに居座っていたサイレンヘッドセルリアンもサイレンをバキバキにして倒した。これで一件落着だ。ただ...


「アライさんの尻尾気持ち良すぎるでち!」


「アライさんの尻尾最強すぎるだろ。」


「隊長さんにもアライさんの尻尾あげます!絶対ハマりますって!」


「なによー!アライさんの尻尾?そんなもの...んにゃ!?何この気持ちよさ、アライさんは神か何かなの?調べなきゃ」


「アライの尻尾気持ち良すぎだろ!尻尾気持ち良すぎだろ!アライの尻尾気持ち良すぎだろ!気持ち良すぎだろ!アライの尻尾気持ち良すぎだろ!尻尾気持ち良すぎだろ!尻尾!気持ち良すぎだろ!尻尾!」


アライさんがミームとしてジャパリパークに広まってしまった。アライさんは「人気者になれたのだ」と言っている。まぁアライさんの尻尾は健全なので問題は無いだろう。


「それにしても、何であの動画にハマってたんだろ?アライさんの尻尾の方が1000倍気持ちいいのに、大体ティーダのコンボは気持ち良くないよね。」


「パークの七不思議なのだな。」


「分からない方がいい事もあるのだよ。じゃあ私はまたジャパリコイン探し、行ってくるのだ。」


「いってらっしゃい」「行ってくるのだ」


パークに平和が戻った?気がするのだ。


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こんにちは、アライさんの尻尾気持ち良すぎだろ!を見ていただきありがとうございます。作家の藍沢柚葉です。今回はアライさんが戦わない回なのでX話とさせていただきました。この小説は深夜に執筆されているためおかしい点があったかもしれませんがお慈悲をください。今回のお話はネットのあるミームを参考にしました。ツイッターを見ていたところハマってしまいましてね、本当はアライさんとダイオウセルリアン戦わせる予定だったんですけどね。書いてしまいました。あのティーダの動画の中毒性は本物で私は毎日聴いてるような気がします。本気じゃないアライさんが中毒になるのは仕方ないですね。次のアライさんの相手はダイオウセルリアン、アライさん中毒になったカラカルや隠れアライさん中毒のヤタガラスが出てきて色々します。この藍沢柚葉、全力全開でアライさんの冒険、戦いを書いていきますのでよろしくお願いします。

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