第六話 ゴキブリが出たのだ!

春になると虫が増えるんだよね(笑)

アライさんのスズメバチ退治の仕事も休日も容赦なく入ってくる。超Sなのだな。

さっきはマネージャーから電話が来てキイロスズメバチの巣を駆除して来たぜ。また図書館に巣を作られたから駆除して欲しいんだってさ、セルリアンに壁を破壊されたり毎年スズメバチの巣を作られたりお祓いしてもらった方がいいんじゃないかと思うんだよね。


「やめてくれ!スズメバチにだって生存権があるんだよ!!お家作らせろよ!」


「そうだそうだ!スズメバチも尊重しろ!」


「知らねーよ、なのだ。退治するのだ」


「うぎゃあああああ!」

「うげええええ!!」

「やめてくれええええええええ!!!」


「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、なのだ。」


無事に退治したアライさんはフェネックとブラックバスを釣りに川に向かったのだ。何故ブラックバス釣りなのかというと...


「アライさん!アライさん!ブラックバスを釣りに行こうよ〜」


「フェネック、急にどうしたのだ?ブラックバス?バスを買うのだ!?そんなお金無いのだ」


「違うよアライさん、魚だよ魚。今度釣り大会があってね、そこで優勝すると1000万円手に入るんだよ〜。それだけあればアライさんグッズたくさん買えるしアライさんカーも作れるよ」


「何ぃ!?そんなの参加するしかないのだな!フェネック、釣り堀で特訓するのだ!」


「釣り堀の魚全滅させてやろうね〜」


「店員の顔真っ青にしてやるのだ!」


という訳なのだ。

そして今日が本戦の日、ハチ退治を素早く終わらせて時間に間に合わせた。

会場にはジャニ系イケメンからサーフ系イケメン、色黒のフレンズまでたくさんいたのだ。


「参加者はこちらで〜す。エントリーシートを箱に入れて釣具と釣り餌を取っていって下さい。」


係員の指示に従い釣り場に向かう、場所取りはマジで重要、アライさんの嗅覚とフェネックの聴覚の合わせ技で見つけ出すぜ。


「こっちからブラックバスの匂いがするのだ!」


「他の参加者の音も聞こえないね〜、ここなら釣り放題だよアライさん」


アライさんとフェネックの2人にできないことはあまり無い、最高の釣り場を見つけた。

ギン目で周りを見てみると、人間共とフレンズ共が釣り場を探す様子が見える。


「ゲーム的に考えるとここがいいんじゃない?ギンギツネ」


「さすがキタキツネ、私のデータによるとこの場所で金冠サイズのブラックバスが釣れる可能性は50パーセントよ!」


「ギンギツネってデータキャラだったんだ...」



「おい!こっちだ!急げ!優勝が俺らを待ってるぞ!」


「あのダチョウに占って貰ったんだ。間違いはねぇぜ!げっへっへっへ」


「釣りまくって川底世紀末にしてやろうぜ!」


「お前ら何でモヒカンなの?」



「私と同じブラックの名を持つとは、どちらが本当のブラックか思い知らせてくれる!」


「ブラックバックは何言ってるんだ?」


「優勝したいってことだよ」


釣り場に向かっている人、フレンズがほとんどだ。判断が遅い!これはアライさん達の優勝は硬いのだ!とアライさんはガタイで分析したのだ。


釣り始めて5分、早速アライさんの竿に魚がかかったのだ。この引きの強さ、ブラックバスじゃない!巨大ナマズだ!


「ナマズはお呼びじゃないのだ!帰れ〜」


「リリースだね」


今はナマズじゃなくてブラックバスに来て欲しいんだぜ。それからアライさんは釣りを続ける中で新テクを開発した。手から伝わってくる振動で魚の種類を判別するのだ。さらにフェネックの方も新テクだ。水中の音を聞き取り魚の種類を知れるようになったのだ。アライさんとフェネックの2人のテクがあればブラックバスは白目剥いて釣られまくるしかないのだ。


「アライさん!来たよ!この音は間違いなくブラックバス!大きさは分からないけどブラックバスだよ!つ、強い!!」


「うおっ!?アライさんの方も来たのだ!この引きの強さは間違いなく金冠サイズなのだ!アライさんも負けてらんないのだな!アライさん

ファイヤー!!!!!」


2人は野生解放!全力全開でルアーを回す!

そしてついに魚体が宙を舞った!!

フェネックの釣り針には巨大なブラックバス、70cmはある化け物だ。そしてアライさんの釣り針にはこれまた体長1メートルはある巨大な化け物が...しかし何か変だ。影が魚の形をしていない!!!


「う!?コイツは!ブラックバスじゃない!」


「アライさん...これってあの...あれだよね」


ご存知、ゴキブリだ。意味が分かんねー。何故川から釣れるのか。何故こんな巨大なのか。アライさんが感じた振動は確かにブラックバスなのに何故ゴキブリなのか。

そんなこと考えてる場合じゃない、見た感じ体長1メートルはありそうだ。大顎も発達していて人間の首なんか一噛みだ。


「フェネック、こいつは退治すべきなのだ?」


「わ、分かんないっぴ。このまま川に帰ってくれるなら殺さなくて済むんじゃない?」


そんなことを話していると、ゴキブリは急にアライさんに背を向けた。アライさんのことなんか眼中にない態度だ。

そして逃げた先がかなりまずい!

釣りの参加者がたくさんいる。


「まさか、アイツは捕食をしようとしているのだ!?危険なのだ!」


アライさんは釣り竿をその場に置いて巨大ゴキブリを追いかける!現場は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。何人かは既にゴキブリに襲われたらしく腕から血を流してる人までいる。大会運営のアリツカゲラの姉ちゃんが「落ち着いて逃げてください」とか言ってるけど、無理なのだ。


アライさんとフェネックはギン目でゴキブリを探していると、草藪の方から色黒ブレンズの悲鳴が聞こえてきた。


「いやあああああああ!!!!化け物おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!腕噛まないでええええええええええええ!!助けてオーストラリアデビル!ブラックバック!」


近くに仲間のフレンズ?が2人倒れている。絶対絶命といった状況だ。アライさんたちはそこにウルトラマンのようなヒーローっぽく参上する。アライさんって超Hだよな。


「とりゃああああ!!何しとんじゃああああああああああ!!なのだ!」


「はい、砂地獄。ゴキブリさんいらっしゃい」


「ヒィッ!?アライさん!?」


タスマニアデビルに覆い被さるゴキブリをアライさんが蹴り飛ばし、それをフェネックのケモミラクルで捕まえる。無敵のコンボだぜ。

足をバタバタして砂地獄を這い出ようとする奴に向かってアライさんはトドメの一撃を喰らわせる。


「ゴキブリでも容赦はしないのだ!アライさん!サファイアスプラッシュ!!」


無数の水の弾丸が砂地獄に降り注ぐ!

全弾撃ち終わると、周囲は砂埃で見えなくなっていた。


「や、やったのか?」


「多分ね〜」


「ゴキブリ相手に本気出しすぎた気がするのだな...運営の人にも知らせるのだな」


倒れた2人を担ぎ帰ろうとした。

だが、アライさん達はゴキブリの生命力を舐めていた。まだ息絶えてはいなかったのだ。


「グォォオオオオ!!川底まで吹き飛んどけええええ!!!」


「ドゥワアアア!!!?」


ドボンッ!!!


アライさんは回転して体当たりしてきたゴキブリに吹き飛ばされ川の中に落ちていった。


「「アライさん!!!」」


「フレンズだか何だか知らないがアライグマ如きが生きた化石に勝てるわけないぜ。」


色黒のゴキブリは人間の言葉ではっきりそう言ったぜ。口は動いていない、テレパシーを使えるエスパーゴキブリなのかな(笑)。アライさんは水没プレイに強いしきっと無事だ。戻ってくるまで足止めしてればいいよね。でもコイツがエスパーだとしてテレパシー以外の技も使えるのかな?アライさんの技をどうやって防いだのかな?あの回転体当たり、当たったら耐えないな。なんて、フェネックは考えているとタスマニアデビルの声が耳に届いた。


「フェネック!?何してるんだ!?攻撃してくるぞ!!」


「ッ!?!!?」


マジかよ。目の前には青白い光に包まれたゴキブリと無数の岩が浮いている。完全にサイコキネシスだ。マジもんのエスパーゴキブリだなんて、ジャパリパークにいるんだね(笑)。


そんなこと考えている場合じゃない。結構大きい岩だ。ぶつけられたらいくら人より頑丈なフレンズでも骨折してしまう。

すかさずフェネックは野生解放!

砂を固めた壁を出現させる。


「そんなもので、私の岩落としは防げないぜ。蜘蛛の子のように散らしてやるぜ。」


「フェネック!俺の力も受け取ってくれ!その壁じゃ防げない!!」


タスマニアデビルが手をかざすとフェネックにパワーが送られると壁は鋼鉄より硬くなる。

サイコキネシスで加速された岩がぶつかるたび凄まじい衝撃に襲われる。しかし、壁が破られることはない!このままアライさんが来るまで耐えれば...


「厄介な技だな。じゃあこれならどうだ?

恐竜絶滅アタックぅううう!!!熱線で焼けるがいい!!」


攻撃手段を変えるらしい、あの虫炎技まで使えるのか。衝撃は防げても熱はどうしようも無い。そして熱線を放つ瞬間だった、横なら水でできた龍がゴキブリを咥え込み押し流した。


この技はアライさんだ。

アライさんが帰ってきたのだ。


「さっきは油断したのだ。まさか超能力者だとは思わなかったのだな。弾が当たる感触で気づくべきだったのだ。」


「アライさん!」


「アライさんだ!シュワッチ!」


「なんだこれ、ただの水なのに抜け出せない。アライグマがやったのか!?」


「その龍はな、獲物を咥えたが最後、絶対に離さないのだ。そして身動きが取れないお前にはこの技なのだ。シャークラッシュ!!」


アライさんの手から無数の小さい水の鮫が飛び出してゴキブリに向かっていく。全身に喰らい付きボロ雑巾にする人やフレンズに使わない恐ろしい技だ。


「あ、これやばいやつだわ...逃げよ...」


そう言うとゴキブリは鮫の群れに飲み込まれた。でも手応えは無い。今度はテレポートだ。アライさん達から少し離れた場所にいた。


「なんだめちゃくちゃ強いじゃねーか。アライグマ如きって言って悪かったぜ」


「な!?まさか逃げるのだ!?」


「そうだ、復活して早々死にたく無いからな。じゃあな。強いアライグマ」


「あっ、待て!砂鳥k....あ〜、逃げられちゃったね〜」


「なのだ...」


アライさんの顔はツライさんになっていた。

エスパーとは言えゴキブリに負けたのだ。アライさんはもっと修行して強くなろうと心の中でつぶやいたのだ。


それからは運営に報告して怪我人も病院に運ばれて終了。当然バス釣りは中止、危険なゴキブリが釣り上げられたことからジャパリ探検隊が川を調査することになった。


「ここならいい水没プレイができそうだな」


「隊長、何言ってるんスか?ここのゴキブリ、超能力を使えるらしいっス...警戒しないと首が...」


「つぶやきくらい許してくれよ。まぁ、警戒するのは正しいけどな。強者のオーラが残っているし...。あ、コツメ戻ったか。何か見つかったか?」


「わ、分からないっぴ。オオサンショウウオがいたくらいかな!」


「マジかよ...」


まさかブラックバスを釣りに来たのにゴキブリと、しかもエスパーと戦うことになるなんて予想できないよな。うっかり川に突き落とされるしフェネックを危険な目に遭わせてしまうし、アライさんはもっと強くならなきゃダメなのだな。みんなもゴキブリには気をつけるのだな。


ーーーーーーーーーーーーーーー

こんにちは、筆者のてんてんです。

春になるとゴキブリが増えるって言うしアライさんにはゴキブリと戦ってもらいました。最初はナマズとか巨大ブラックバスと水没プレイしてもらおうとしたのですが、夢の中にゴキブリが出てきて「これだ!」となりました。

アライさんの新テク、フェネックの新テク、今後もたくさん書いていきたいですね。

次は何を戦わせようかな(笑)






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る