第二話 オオスズメバチに遭遇
アライさんも当然働いて生計を立てている。
今日はそんな仕事の日だった。
仕事内容は蜂の巣の駆除、ヒトがよく出入りする場所に巣食ってしまった蜂を退治する仕事だ。蜂はヒトだけでなくフレンズにとっても危険な存在、それを取り除きみんなの安心を守る。とてもやりがいがある仕事だ。とアライさんは思っている。
今日駆除するのはジャパリ図書館近くにできた蜂の巣だ。そして、パーク管理局からの緊急の依頼らしい。図書館からフレンズ含め従業員全員避難するレベルだという。
でも安心だ。蜂殺しのカズマサさんと蜂探しのノドグロミツオシエ(ミツオ)さんが応援で駆けつけてくれたからだ。
2人とも蜂駆除界隈では超有名人だ。
特に、ミツオさんは超人的で半径数km以内にある蜂の巣の場所を正確に当てることができる。
元動物はハチミツを探すらしいのだが、流石フレンズの技といった所だろう。
「今日はよろしくなのだ。」
「よろしくお願いしますぞ。アライさん」
「よろしく!美味しいスズメバチ...じゅるり」
1人食材探しと勘違いしてそうなのだが...
そしていつものように蜂駆除が始まる。
「今回の目標はあそこですね。種類はオオスズメバチ、木の根元にデカいのがあります。」
「流石はミツオ氏、では私がサクッと駆除いたしましょう。アライさんは巣から出てきた蜂をこのラケットで叩き落としてください。周りに被害が出たら大変ですからね。」
「ウッス、おまかせして欲しいのだ」
そうして対スズメバチ用の防護服を着込んで駆除を始めた。ジャパリパークのオオスズメバチは特に凶暴なので本土の防護服より分厚く作られている。
煙玉を巣穴に投げ込みハチを気絶させ、苦しんで巣から出てきたハチをアライさんのラケットで叩き落とす。アライさんの動体視力は鷹並みだ、1匹たりとも逃さない。
そんなこんなでオオスズメバチを無力化し、ついに蜂の巣を取り出すことができた。
直径は20cm以上?50cm以下の普通サイズの巣だった。
「しかし、この程度の巣で全員避難なんて大袈裟ですな。」
「そうなのだな。文系特有のビビりなのだ。」
「何故文系が出てくるんです!?それよりさっきから変じゃないですか?私たち以外に生き物の気配がしないんですよ。」
「ん?何か音が近づいてきますぞ。」
「これ、まさか...ハチの羽音なのだ?...姿は見えないのだが殺気が押し寄せてくるような威圧感があるのだ。」
「そのハチはあれです!ジャパリパークにはオオスズメバチよりも大きいハチが生息してて、エンペラースズメバチって呼ぶんですけどそのハチは体長10cmでその凶暴性はライオン並み、羽音を聞いただけでセルリアンが逃げ出すそうです。そしてこのハチのすごいところは...」
「ミツオさん今ハチを語らないで欲しいのだ」
羽音はどんどん大きくなっている。
1分もしない内に接触してしまうだろう。
逃げるのも現実的ではない。エンペラースズメバチは時速60kmで飛ぶことができる。
戦うしかないようだ。
「私は後衛からバフをかけます!カズマサさんとアライさんの2人は頑張って全滅させてくださいね」
「ウッス」「了解ですぞ」
ミツオシエから強力なパワーを貰った2人は黄金の輝きを放った。
次の瞬間、森の奥から大量のハチが襲いかかってきた!軽く1000匹は越えている!!
「しゃあああああああ!!!」
カズマサはいつ抜いたか分からない鎖鎌を振り回してハチをどんどん死骸へと変えていく。
アライさんも負けてはいない!金剛石より硬い爪と水の力で紙屑のようにハチを散らせている。ハチハンターの前ではどんなハチも子猫ちゃんより弱いのだ。
「のだのだのだのだのだァ!!!」
「お粗末ですぞ」
「宴の始まりですよ!」
ミツオさんの強化のおかげで楽勝に終わると思われた。しかし、このハチは子猫ではなかった。女王が現れたのだ。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
「何なのだあのデッカいの!?50cmはあるのだ!」
「出たわね、あれがエンペラースズメバチの女王なのだわ。体に生えてる毛も全部毒針だから気をつけて」
「なんと!?油断なりませんな。安全に行きますよ、2人とも」
「ウッス」「はーい」
女王バチはドリルのように高速回転しながら突っ込んできた。体中の毒針でズタズタにする気なのだろう。
だが、そんな攻撃でやられるほど甘くはない。
2人は攻撃を避けると同時に
「おりゃあああ!」「のだああ!!」
鎖鎌と水流でカウンターをしていた。
所詮は虫、殺気を読めば簡単に避けられる。
そしてスタミナを使わせたところでアライさんが水流で女王の体を真っ二つに引き裂き絶命させた。
「やったのだ!」
「アライさんナイス!」
「お見事」
こうして図書館周りのスズメバチは絶滅した。
避難していたヒトもフレンズも戻ってきていつもの図書館になった。
ジャパリ図書館のギルドマスターのアフリカオオコノハズク博士からはお礼にシマハイロボ握手券と博士カレーを貰った。
「いい仕事をしたのだな。フェネックにも話してあげるのだ!」
アライさんは帰路についた。
これからもたくさんの強敵に出会うだろう、
頑張れアライさん!負けるなアライさん!
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