アライさん、勝てるよな?〜アライさん怪文書〜

てんてん

第一話 アライさんVS便器

アライさんは焦っていた。

今出したらフレンズ人生が終わってしまう。

フェネックからうんこマン、いや、うんこウーマンと呼ばれてしまう。

早くトイレに入るのだ!


あと数10メートルで公園にある公衆トイレに入ることができる!


雷のような速さでトイレに入ると一番奥、3つ目のトイレが開いていた!!

個室トイレの鍵をかけて便座に着座すべくおケツを出そうとした時だった!?


ゾボボボボッ!!


便器の中から黒い手無数の手のようなものが伸びてきた。


「ぎゃああああああああ!うぼええええええええええええええええええええええのだああああああああああああああああ!!」


「何なのだコイツ!?アライさんはトイレをしなきゃならないのにこれじゃできないのだ!そこを退くのだ!」


アライさんは限界の状態だ。黒い得体の知れない化け物に恐怖する余裕はなく退くように叫んだ。しかし、返ってきたのは


「ぐおぉぉおおおお!!」


アライさんの首に伸びる黒い手だった。

首を掴んだ手は個室トイレの扉を突き破りアライさんをコンクリートの壁に叩きつける。


「なのだッ!??くっ...はっ...ぐるじいのだ...漏れ、漏れちゃうのだあ...あ、ああああああああああああああああああああああ」


アライさんは力を振り絞り、おケツに力を入れないように黒い手を思い切り引っ掻いた。

アライグマの爪は金剛石のように硬く青龍刀のように鋭い。伸びていた腕を切断したのだ。


「ぐおぉぉおおおお!!」


化け物は堪らずトイレの中へと帰っていった。

しかし困った、まだうんこはアライさんの中。フレンズの体で野糞はできないしトイレの中へ出すしかない。他は空いていないしやはりあの化け物をどうにかするしかない。


「やるしかないのだな、たかがトイレにこの力を使うのは勿体ない気がするのだが...背に腹は代えられないのだ。アライさんの邪魔はさせないのだ!」


そう言うとアライさんの周りにサンドスターが集まっていき微かに輝きを放ち始めた。

そして、


「野生解放!なのだ!今のアライさんは水を自由自在に操れる。便器の中の水を逆流させて吹き飛ばしてやるのだ」


アライさんが便器に手をかざすと

モコンモコンモコン、と水の動く音が聞こえてきて直後大きな水柱が立ちトイレの屋根を突き破った!


「一撃必殺、なのだ。」


そしてアライさんは便器の中に黒い奴がいないのを確認すると静かに座った。


「ふぅ〜危なかったのだぁ〜、結局アレが何なのか分からなかったのだな。まぁ、こうしてうんこができたしどーでもいいのだ。」


「よし、ツイッターでも見るか。トレンドを確認してっと。ん?新型セルリアン?」


ツイートを見てみると、黒くて便器に住み着くセルリアンが発見されたらしい。


「ジャパリパークはトイレも危険なのか...こんな危険な場所に"パーク"とかいう楽しそうな名前付けたの誰だよ」


そんなことを呟きつつ手を洗い

公衆トイレを出ると...


奴がいた。


さっきトイレにいた奴で間違いない。

黒い球体から2本の手が伸びていてこちらを威嚇している。


「さっきの奴か、放置したら新しい犠牲者が出そうだしアライさんが倒しておくのだ。野生解放!」


地面から水が飛び出てきてアライさんの手のひらに集まっていく。それからアライさんが奴に手を向けると水が超圧力で発射される。

それはまるでウォーターカッターのよう、黒セルリアンは二本の手でガードしていたが意味は無い、


「ぐおぉぉおおおお!!」


そのままコアごと真っ二つに裂かれて生命活動を停止、絶命した。


「よし、帰ってフェネックと夕飯の準備なのだな〜、何うどんにしようかなのだ」


トイレを済ましセルリアンを退治したアライさんは今日も無事に帰路についた。


めでたしめでたし








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