お茶会に参加しよう
「茶会?」
「はい。お父様」
「一体急にどうしたんだい?」
「未来の貴族婦人として、社交界で生きていくために必要な事だと思いましたの」
「……バーバラ、
流石はお父様。
何もかもご存知なのですね。それならば話は早いです。昨日、婚約者様と会話した内容を細かく話しました。
お母様は、私とお父様の会話をニコニコ微笑みながら見守ってくれています。
お父様はというと、屋敷の廊下に飾ってある絵のように額に青い筋が見えます。
いつの間にそのような芸当がお出来になったのですか?
まるで絵のモデルである魔王のようです。
我が家は、何故か魔王をモチーフにした絵が多いのです。なんでも三代前の当主の趣味だとか。
――数日後――
「「「「「「キャーーーーーー!!! お嬢様!お似合いでございます!!!」」」」」」
「流石、私の娘!可愛らしいわ!」
お母様と侍女たちの盛り上がりと熱気の凄まじさ。
当事者の私は、といいますと完全に彼女たちの着せ替え人形の状態。
ドレスから靴に至るまで何着も着替え、何足も履き替え、それに合わせた小物を嵌めたりと大忙しです。
茶会用のドレスを選ぶのにここでするのですか?と疑問もありますが、気合が入っているお母様と侍女たちに陳情する勇気はありません。着飾った私を見ては、キャーキャーとはしゃいでいるのです。
「お嬢様は何でもよくお似合いです」
「フリルが多い方が可愛いのではないでしょうか」
「いいえ、少し大人っぽいドレスもお嬢様の魅力を増大するはずです!」
「髪飾りはこちらを使いましょう。お嬢様の髪色に映えます」
かれこれ四時間はこの状態なのですが……。
「皆、バーバラの事をよく理解している者達ばかりよ! さあ、次々いくわよ!」
え!?
「「「「「「はい!奥様!!!」」」」」」
え!?
まだ…するのですか?
この「バーバラお嬢様ファッションショー」が終了したのは夕方。
それも、夕食が出来た事を呼びに来た使用人が扉をノックするまで続けられたのです。
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