ロジェス伯爵side
「ぶわっははははははは!」
目の前でバカ笑いしている王を絞め殺したい。
「いや~~。相変わらず伯爵の息女は面白い!」
「こちらは何も面白くございません。娘のバーバラは公爵家のクソガキに言われて『茶会に出席したい』と言いだしたんのですよ?」
「まぁまぁ。そう怒るな。公爵家のボンクラ息子のいう事も一理ある」
「どこがですか!」
「令嬢が茶会に出席しないのは非常識と言われても仕方ないだろう。実際、バーバラ嬢の年齢の令嬢は母親に連れられて茶会三昧の日々が普通だろう」
「あんな茶会に意味はありません」
「そう言ってやるな。令嬢達が親交を持つ場所でもある。まあ、伯爵の言う通り伯爵家以下の家は実のない会話が多いだろうがな」
そうなのだ。
侯爵家から上の家は政治や経済、文化的活動を話し合う一種の「国内外交」をやっているようなものだが……それより下の家柄は高度な会話をする処などあまりない。
「夫人や令嬢達のストレス発散にもってこいの場所なんだ。大目にみてくれ」
「旦那の悪口に花を咲かせつ場所の間違いでは?」
「それは夫人達だろう。令嬢は違うぞ」
「ええ、ターゲットを
「まだ根に持っているのか……例の貴族達は親も子も王都追放したはずだ。それでも飽き足らず没落寸前まで追い詰めて『紐付き』という名の下僕化したんだったか?」
「あの手の連中は同じような事を何度も繰り返しますからね」
「やれやれ」
実行したのは私だが喜々として許可を出したのは陛下だ!
「よし!余がバーバラ嬢のために茶会のピックアップをしてあげよう!」
不安だ。
「始めはランスリット伯爵夫人の茶会はどうだ? あの伯爵夫人なら気配りも出来るし客層もそこそこいいぞ!」
……確かに。
「ロジェス伯爵夫妻の恐ろしさを嫌という程知っているからな。迂闊な事はしないだろう!」
陛下、一言余計です。
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