第2章 そして、戦争へ

第3話 ウクライナ・ロシア戦争 現在までの戦況

 第3話では、ウクライナ・ロシア戦争の戦況を解説しつつ、以下の何個かの疑問について解説していきたいと思います。


・1週間経過現在、なぜキエフは陥落せずに持ちこたえているのか?


・西側諸国が支援するという武器はどうウクライナに持ち込むのか?


・停戦協議はどうなっているのか?


・深刻化する戦況、今後の展開は?


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 まず、直近の戦況について解説します。


 ハリコフ(ウクライナ第2の都市)などに対する攻撃も激しいですが、主軸は

キエフを早く陥落させたいロシア軍VS必死に抵抗するウクライナ軍の構図となっています。


 情報が錯綜していてイマイチ分からないのですが、一番信頼できそうなアメリカ国防省からの情報に基づくと、キエフに対するロシア軍の包囲はまだ半分も完成してないそうです。


 ですが、ロシア軍は開戦以来10万以上の軍をウクライナ国内に投入しているようであり、時間の経過と共に、ウクライナ側の被害も徐々に拡大してきています。


 ロシア軍のキエフとハリコフの2都市に対する砲撃が、民間人を標的とする砲撃となっており、国連によると少なくとも227人の民間人が戦闘で死亡したとの事です。


 この他にも、ウクライナ南部ザポロジエにある原子力発電所でロシア軍の攻撃を受けて火災が発生したという情報や、南部の1都市が陥落したという情報もありましたね。


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 1週間経過現在、キエフが陥落していない理由は主に4つあると考えられます。


①軍事施設制圧に非常に有効な精密爆弾という爆弾がロシア側で深刻な在庫切れを 

 起こしている事。


 この精密爆弾は何と1発2万ドルする兵器であり、この爆弾の不足によって侵攻が

 停滞しているというのが、理由の1つとして考えられます。


②ロシア軍は数がやたら多いだけで、練度と士気という2つの重要な要素が大きく

 欠けている事。


 どうやら、戦わずに降伏するロシア軍すらいるそうですね。


③燃料が不足している事。


 戦争の長期化に伴い、大軍を擁するロシア軍は補給に苦労しているそうです。


④ウクライナ上空の制空権を完全に制圧しきれなかった事。


 ロシア軍は、キエフ近くの空軍基地に何度かパラシュート部隊を展開しようとして

 いましたが、それらは全てウクライナ軍に追い返されて撃退されているとの事で

 す。


 制空権の獲得に失敗したことによって陸軍部隊の進撃にも影響がでており、これも

 理由の一つとして挙げられるでしょう。


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 欧米諸国がウクライナ軍に対して支援している対戦車ミサイル、対空ミサイル、防弾チョッキ、ヘルメットといった物資は主にポーランドから陸路を用いて輸送されています(空路輸送は危険過ぎてムリ)。


 ここで重要になってくるのが、ベラルーシという国の動向です。


 アメリカの情報によると、どうやらベラルーシの軍が本格的にこのウクライナ戦争に介入する予兆があります。


 ベラルーシ軍が介入すると、ウクライナの西部を抑えることができるようになり、こうなってくると、欧米から提供される武器弾薬がウクライナ国内に届かなくなる可能性があります。


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 停戦協議自体は既に2回行われた訳ですが、肝心の戦況に関して、どちらかが圧倒的に有利な立場に立てていないという事もあり、今の状況が推移する限りは、お互いに最大限の主張をひたすら行い、交渉は決裂を繰り返すと考えられます。


 もし、キエフが陥落した際には、停戦協議が大きく進む可能性はありますが、ここに関しては未知数です。


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 今後の展開に関しては、ロシアのウクライナに対する核の脅しと、世界各国の対ロシア制裁が急拡大するという2つが予想できます。


 核の種類に「戦術核」というものが存在します。


 これは戦場単位で通常兵器の延長線上での使用を想定した核兵器であり、米ソ間の核軍縮協定などでは射距離500キロメートル以下のものが想定されています。


 これをウクライナ国内にぶち込むぞと脅し、ロシア側がウクライナ側の譲歩を引きずり出そうとする可能性があります。


 対ロシア制裁に関しては、次回の第4話で詳しく解説していきたいと思いますが、この戦争が長期化するに伴ってドンドン厳しくなっていく事は確実です(今の時点でも十分に厳しいと思いますが)。


 第3話はここまでです。


 次回、第4話では戦争開始後の全世界の対露制裁に関して解説していきたいと思います。


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 2022年3月6日 霊凰より





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