第十二話 「тестовое задание(検査)」

"ガチャ!


「―――おい! 礼文っ!?」


「いや~ これも、みなさんのおかげですよー」


「・・・・?」


「お前、これ、滅多にもらえるもんじゃないぞ!」


「Утром и днем ​​


 головной офис делает


 такую ​​систему.

(日朝には、本社でこういう制度を


 作ってるんだね)」


「いや、僕もあまりこう言うのはまだ


 社に入ったばかりで


 よく分からないんですけど...」


"コト"


「・・・何だ?」


局欄に上げる記事の


先取り

※(紙面の記事の構成を


  あらかじめ簡単に決めておくこと)


を済ませ、太田が喫煙所から


第四編集局の入り口を抜け自分の机まで戻ると、


今は自分と同じ役職"デスク"となった


新人社員、礼文 健一の周りに


局内の社員が何人か集まって


何か騒いでいるのが見える


「・・・なんでも、礼文君、


 最近の記事の掲載を受けて日朝本社から特別に


 表彰を受けたそうですよ」


「・・・礼文がか!?」


「いやー こう言う事ってあったりするんですね」


「お前、本社から直接表彰されるなんて


 普通、まず滅多にないぞ!?」


「Ребун―кун, тебя вполне


 можно ожидать

(礼文君、君、かなり


 期待されてるのかも知れないね)」


「・・・・」


太田は、あまり興味が無い様な素振りを見せ、


自分の少し先の礼文の席の周りで固まっている


局内の自分の部下たちを見ながら


自分の席に腰を下ろす....


「何でも、河野総局長、それに


 本社の松坂編集局次長がかなり


 本社に礼文君の事を表彰する様に


 言ってたみたいですよ...」


「河野総局長が....」


隣に座っている三咲が聞きもしないのに


礼文の情報を入れてくるのを聞きながら、


自分の席に腰を下ろすと


局員達に囲まれている礼文に目を向ける...


「・・・太田さん、聞きました?」


「"!"


・・・・ゆかり。」


礼文に目を奪われていると、いつの間にか


自分の席の横に礼文と同じ新人社員である、


"田中 ゆかり"が立っている


「―――聞いたって、何がだ?」


澄ました表情で答える太田の様子を


まるで気にしていないのか、ゆかりが


少し興奮した様な口振りでまくし立てる


「何でも、礼文君、東京の日朝本社から


 特別に表彰されたらしいですよ!」


「・・・ああ、今三咲に聞いた」


「すごいですよね~」


「オイ! 今日は


 "メシ"! "メシ"でも食うか!?」


「中根さん~? また~?


 それじゃ、もうすぐ健康診断受けるどころか


 新弟子検査受ける事になっちゃいますよー」


「おい、止せよ~」


「アハハ!」


「アハハハ!」


「(・・・・礼文...)」


「この調子だったら、礼文君もしかしたら


 どんどん出世して、すごい人に


 なるかも知れないですね~」


「あ、ああ、そうかもな」


「お前、新弟子検査って俺を相撲取りか何かと


 勘違いしてるんじゃないか~?」


"ガンッ! ガンッ!"


「 ――い、痛っ!」


「―――オイっ! オイ!? 礼文っッ!?」


「ちょ、な、中根さん――っ!?」


"ガンッ! ガンッ!"


「それに、お前、俺が力士だとか....


 この間は、メタボとか言ってやがったよな~?


  ―――アハハ!?」


"ガンッ!


「ちょ―――、な、中根さんっ


 ま、マジ、"入って"ますって!?」


「この野郎~っ」


「いや、痛っ! ―――痛いっ!?」


「アハハ!」


「アハハハハ!?」


「(・・・・・)」

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