ひとつになった空
ももいくれあ
第1話
その疲れた背中を眺めて、無理しないでね。
と呟いた。
今日までの苦笑いと、明日への希望を背負って、夢を抱いてここまできた。
たまには一緒に行ってみるか。と初めて見せた照れた横顔。
混浴だけは絶対イヤだ。と言い続けて20年。
壁の向こうの空が見たくて、いつもほんとは寂しかった。
同じけむりに包まれたくて、背中を流すわ。と誘い続けた。
ようやく肩を並べたものの、遠くの空を見つめ続けた。
気がつけば二人共、もうすっかり白髪まじり。
また、いつか来ましょうね。と言い出せずに肩を沈めた。
もう出よう。と立ち上がり、また来ればいいじゃないか。と
そっけない一言に、嬉しくって、霞んだ景色。
ひとつになった空 ももいくれあ @Kureamomoi
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