第142話 次の目標

召喚来い、シルヴィ。ヴェルグ!」


「ワオォォォン」

 足元の魔法陣からは美しい銀色の毛並みの神狼が現れる。


 そして、今まで陽の下にいた俺達から太陽の光を遮るような形で、大きな影が頭上に現れた。


「キュワァァァァ」

 空中に描かれた魔法陣から出てきたのは、巨大な真っ白い翼を持った大鷲だった。


 バサバサッと翼をたたみ、世界樹の枝に停まった、大鷲フレスベルグのヴェルグが話しかけてくる。

「魔王様。まだ若いですが、良い樹ですね」

「ああ。気に入ってくれたか?」

「はい。守護はお任せ下さい」


「ヴェルグ様、よろしくお願いします」

「シルヴィ。我らに上下はない。様付けはいらない」

「わかりました。ヴェルグ。これから、共に世界樹を守っていきましょう」

「ああ」


「あの…真央くん?この2体は…?」

「この樹を守護する者たちです」

「そう…か」

 光臣もステータスは覚醒しているようで、シルヴィとヴェルグの強さを肌で感じているのだろう。若干の恐れを感じているようだ。


「世界樹の世話はエリーに任せてくださって結構です」

「はい。私にお任せくださいな」

「わかりました。エリーさん。よろしくお願いします」

「今呼んだ、神狼フェンリルのシルヴィと大鷲フレスベルグのヴェルグがこの樹を守ってくれますので」

「魔王様より守護を任された。よろしく頼む」

 ヴェルグが光臣に対して挨拶をする。

「いや…こちらこそ…よろしくお願いする」

 それだけの言葉を交わすと、シルヴィは世界樹の幹に寄り添うように横たわり、ヴェルグは翼を広げ、世界樹の天辺へと飛び立った。


【名前】シルヴィ・クレセント

【種族】神狼フェンリル

【LV】690(502up)

【HP】24270/24270

【SP】17350/17350

【力】3460

【知恵】3115

【体力】2770

【精神】2910

【速さ】6920

【運】99

【スキル】

 神の縛鎖グレイプニル、爪術、月光(NEW)、咆哮、鎖術、封印術、氷魔法、身体強化、限界突破(NEW)

 HP自動回復、SP自動回復、

 念話、言語理解(NEW)、気配察知、魔力感知、並列思考、高速思考、無詠唱(NEW)

 物理攻撃耐性、魔法攻撃耐性、精神攻撃無効(NEW)、全状態異常無効(NEW)


【名前】ヴェルグ・ホークアイ

【種族】フレスベルグ

【LV】850

【HP】23000/23000

【SP】20000/20000

【力】2200

【知恵】2400

【体力】2100

【精神】2800

【速さ】6400

【運】99

【スキル】

 鷹の眼、視界共有、斬撃強化、高速飛翔、風魔法、身体強化、限界突破、

 HP自動回復、HP回復量増加、SP自動回復、SP回復量増加、

 念話、言語理解、気配察知、魔力感知、熱源探知、千里眼、並列思考、高速思考、無詠唱、

 物理攻撃耐性、魔法攻撃耐性、精神攻撃無効、全状態異常無効


 ――――――――――――――――

 世界樹の植え替えが無事に終わったので、俺達は建物の中へと移動した。


「あ、真央さん。こんにちは」

「え?美智子さん?」 

「ああ、彼女はここで、レベルアップポーションの治療と研究を手伝ってくれることになったんだよ」

「そうだったんですね」

「祖父の過ちをそのままにはしておけませんから…」

 美智子さんは目覚めてから、レベルアップポーションに関する情報を集めていたそうで、ここでの研究にもかなり貢献しているらしい。

「それで、真央さんにお願いがあるんですけど…」

 美智子さんからの要望は、すでにレベルアップポーションからの回復をした人達からのヒアリングがしたいとのことなので、俺は宗次さんに連絡を取った。


「宗次さんからはOKを貰えましたけど、他の生徒たちのメンタルケアも必要かもしれないとのことなので、こちらで受け入れてもらえますか?」

「ああ。それは構わないよ。こちらとしても、治療に関するデータが欲しいからね。経過観察とメンタルケア、それぞれに専門医を用意しよう」

 と、光臣からは快い返事を貰えた。

「ありがとうございます」

「当然のことをしたまでだよ。この件は日本の、いや、この世界の未来に関わることだろう?」

「それは…」

「娘からは色々と話を聞いているからね。今起きていることが、異世界の勢力によるものだということも理解しているつもりだよ」

「そうでしたか。光臣さんはその話を信じてくださるんですね?」

「ははは…初めて聞いた時は突拍子もない話だと思ったけどね…起きている事象を検証して、並べていくとね、バラバラだったピースが一つに繋がったというか、異世界の話が真実であると信じるに至ったという感じかな」

 なるほどね…優秀なんだな。この人は。さすがは大財閥の総帥ってところか。

「それで?真央くんはこの後、どう動くつもりかな?」

「そうですね…まずは、女神教を潰します」

「そうか…君も気づいていたか。今、この国を裏から支配しようとしている存在に」

「まぁ、神崎会長に言われて、この世界にも女神教が進出してきていることを知ったんですけどね」

「それで、どうやって潰すつもりだい?」

「拠点に乗り込んで、皆殺しに…」

 俺の言葉に光臣が息を呑む。

「冗談ですよ?」

「ははっ…脅かさないでくれ…」

 少し殺気が漏れていたかもしれない…


「会長の話だと、信者の増加速度が異常だということなので…多分ですが、洗脳か魅了系スキルを使うやつが教団の上層部にいるはずです。そいつを排除すれば操られていた人達の意識も元に戻るはずです」

「なるほど…そういうことか…女神教は、とあるダンジョンを拠点にして活動しているんだ。そのダンジョンに入った者は、みんな女神教の信者になってしまうのでね…拠点のダンジョンまでは調査できたんだが、内部は全くわからないままなんだよ…」

「ダンジョンですか…なら、そのダンジョンごと、潰してしまったほうが良さそうですね」

「流石だね。こちらからもお願いしたい。よろしく頼む」

「任せて下さい」


 こうして、俺達の次の目標は女神教の本拠地のダンジョンになった。


 ――――――――――――――――

 あとがき。


 更新が遅くなってしまいまして、申し訳ありません…

 夏の仕事が忙しく、なかなか続きを書いている余裕がありませんでした…


 最後まで、書き切りたいと思ってますので、これからもよろしくお願いします。


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