第48話 明璃のランクアップ試験
「おにぃ!ねぇ!おにぃってば!!」
「なんだ、明璃…こんな朝っぱらから…」
「レベルが…凄いことになってるんだけど…」
「んー?ちょっと待ってろ…」
「ステータスオープン」
【名前】獅童 真央
【職業】召喚士
【LV】37
【HP】410/410
【SP】610/610
【力】84
【知恵】82
【体力】85
【精神】73
【速さ】81
【運】99
【スキル】
魔物鑑定、契約、召喚、送還、魔物言語、魔物探知、複数召喚(NEW)、魂の絆(封印中)
【契約中】
1/1
【称号】
帰還者、世界を超えし者、元魔王
「おぉ〜。結構上がってるな。スキルも覚えてるし」
【複数召喚】
2体以上の魔物を同時に召喚する。同時召喚可能数はレベルに依存する。
よし!どうやら、複数同時召喚が可能になったみたいだな。って言っても、アルスしか契約魔物がいないんだが…
「ね!ね!上がってるでしょ!?」
明璃がずいぶんと興奮してるな…
「まぁ、こんなもんだろ」
「え〜?おにぃ…感動が薄いなぁ…」
「そんなこと言ったってなぁ…」
「一晩でレベルが10も上がるなんて、有りえないことなんだよ!」
取得経験値UP装備付けて、ダンジョン一つ殲滅したなら、これくらいは当然というか…Cランクダンジョンだったからこの程度で済んでいるというか…
俺としては…正直、アルスをSランクダンジョンにぶち込みたいんだが…ランク制限があるなら門が開かないしなぁ…
「真央!いるか!?」
「お?咲希も来たみたいだな」
「な、なぁ!?一晩寝たらレベルが上がってるんだが…」
「咲希もか…」
ちょっと、アルスに確認してみるか…
(アルス〜)
(あっ!マオー様ぁ〜)
(そっちはどんな感じだ?)
(ボス以外は大体終わったよ〜。今はみんな集合して魔物が生まれるの待ってる感じ〜)
(お〜!さすがアルスだな。頑張ったな!偉いぞ〜)
(えへへ〜。それよりね、見つけたよ)
(何をだ?)
(んとね…黒いやつ)
(黒いやつ…?まさか…
(そうだと思う。女神の嫌な感じがするもん)
(マジか!そいつどんな魔物だ?)
(
(わかった。なら、そのまま見張っててくれ)
(はーい)
「真央?」
「あ、あぁ。今、アルスに確認したら、Cランクダンジョンの魔物はほぼ殲滅したらしい」
「ダンジョンの魔物の殲滅…」
「だから、こんなにレベルが上がってるのね…」
「それで、真のボスを見つけたらしい」
「え?」
「だから、今日はCランクダンジョンへ行こうと思うんだが…」
アルスの分体も回収しなくちゃいけないしな…
だが、ここで一つ忘れていたことに気づいてしまった。
「明璃…Cランクダンジョンって入れないよな?」
「あ!そっか…ごめん」
「謝ることじゃないさ。ついでだし、ギルド行って、明璃のランクアップも申請しちゃおうか」
って…そういえば、正規のランクアップ手順を知らないな…
「なぁ、明璃、どうすればCランクになれるんだ?」
そういった瞬間、怪訝な顔を向けられた。
「はぁ〜…そっか…おにぃは支部長権限だもんね…」
本当にいつの間にかBランクになってたもんなぁ…まぁ、ラッキーだったわけだけども。
「普通は適正レベル(LV30以上)で、申請可能で、指定ダンジョンの攻略か、一定以上のギルド貢献度達成のどちらかでランクアップだよ」
「なら、とりあえずギルド行って申請だけするか」
「うん!」
「本日はどのようなご要件でしょうか?」
ギルドの受付嬢が丁寧な対応で迎えてくれた。
「あ、はい。レベルが上がったので、ランクアップの申請をお願いしたくて…」
「かしこまりました。では、冒険者
「はい」
明璃が受付に冒険者のタグを渡す。
「少々お待ち下さい」
そう言って、受付嬢はカウンターの奥へと下がっていった。
…
…
「アタックするダンジョンは決まったか?」
「支部長…」
「まぁ、大体は決まりましたけど、他にもやるべきことがあるので…」
「そうか…まぁ、焦る必要はない。しっかり準備を整えてから挑戦するんだぞ」
「はい」
「そういえば、今、妹さんのランクアップの申請があったな。連れて行くつもりか?」
「はい」
その返答に支部長は何か考え込むような仕草を見せるが…
「ふむ…なら、荒野のダンジョンのボスのソロ討伐でどうだ?」
「あそこはCランクダンジョンですよ?明璃はCランクの申請なのに?」
「君らとパーティーを組んでいるのだろう?道中の協力は許可する」
「なるほど…そういうことでしたら、ちょうどいい」
「ちょうどいい?」
「あぁ…いえ。こちらの都合です」
「志穂くん!試験証を持ってきてくれ!」
志穂と呼ばれたギルド職員が、Cランクダンジョンの試験証を持ってきて、明璃に手渡した。
「では、健闘を祈る。無理だと思ったら、撤退して、何度でも挑戦していいからね。無理をしろと言っているわけじゃないんだ」
「はい!頑張ります!」
「君らがついているなら、万が一ということはないだろうが、Aランク試験に連れて行こうと言うなら、自身のランクより高いダンジョンを経験させておくのも悪くないだろう?」
「なるほど。支部長のご厚意に感謝します」
こうして、俺たちは元々の予定であったCランクダンジョンへ、明璃のランクアップ試験も兼ねて向かうことになった。
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