第21話 調査依頼
それから1週間ほどスライム道場に通って、俺のレベルはようやく2に上がった。
【名前】獅童 真央
【職業】召喚士
【LV】2
【HP】60/60
【SP】85/85
【力】14
【知恵】12
【体力】15
【精神】3
【速さ】11
【運】99
【スキル】
魔物鑑定、契約、召喚、送還、魂の絆(封印中)
【契約中】
1/1
俺の魔物の契約枠は増えなかった。
1日の休日を挟んで、今はギルドのロビーにある個室で仲間達と相談をしている。
「真央、酷なことを言うようだが、冒険者は諦めろ」
「…」
信吾の言葉に対して、誰も何も言わない。
「LV2に上がるまで、つきっきりで1週間だ。LV3までは1ヶ月はかかるだろう。さすがにそこまでは付き合えない。俺達にもやらなきゃならないことがある」
そうだ。彼らは秘薬を探すという目的がある。これ以上俺のために時間を割いてもらうわけにはいかない…
「信吾、そんな言い方しなくてもいいだろう」
「咲希、これは真央のことを思ってのことだ。このまま続ければ真央は命を落とすぞ。何も冒険者だけが生きる道じゃないだろう?」
「咲希さん」「咲希」
二人が慰めるように声をかける。
咲希の気持ちは痛いほどわかるのだ。彼のために冒険者として頑張ってきたのだから。共に歩む道が今、閉ざされようとしているのだから。
「わかった。今日までありがとうな。でも…俺はまだ諦めない!俺は俺なりに頑張ってみるよ」
そう言って、席を立ち、個室ブースを出ていった。
「真央っ!」
「咲希っ!放っておけ!」
「でもっ…」
「あいつだって、気持ちの整理をする時間が必要だろ」
信吾にそう諭されては、咲希は真央を追うことはできなかった。
真央が冒険者ギルドを出ていってしばらく経った頃。
ギルド内が騒がしくなった。
「おい、聞いたか?」
「あぁ、なんでも、Fランクダンジョンから未帰還者が出たらしいな」
「戻ってこないのは
「マジかよ!?なんで?Fランクダンジョンだろ?」
「わからん…」
その知らせはチーム
「嘘だろ…
「確か、スライム道場で
「スライム道場に何かイレギュラーがあったのでしょうか?」
「真央…まさかFランクダンジョンに行ってないよな…?」
個室にいた、チーム
「チーム
その申し出に、先程の騒動を結びつけた面々は、2つ返事で承諾する。
依頼内容は、Fランクダンジョンの
すでに、ギルド経由で
ギルドからは転移結晶の支給有。
報酬として、1000万、もしくはギルド貢献度の増加と閲覧制限資料の閲覧許可。
「依頼内容は以上です。すぐに向かわれますか?」
「行きます!」
真央のことが心配な咲希が即答する。
「咲希…さすがに何の準備もなく行くわけにはいかない」
「でもっ…」
「
「よし、各自、装備を整えて、明日の朝、調査に入るぞ!」
「了解!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、真央は…
俺はどうしても諦めきれずにFランクダンジョンへと来ていた。
LV2になったことで、自分の能力の上昇を微小ながら感じることができたからだ。
今までは信吾に守ってもらってもらいながらしか戦えなかった、ホーンラビットの動きが少しだけ見えるようになっていた。
2階でもどうにか戦えるようになったので、スライム道場の前まで来てしまった。もしかしたら、スライムだけなら…と考えていたのだ。
だが、スライム道場の入口はバリケードが敷かれ、厳重に封鎖してあって入れなかった。
しかし、そこで、俺は不思議な感覚に襲われた。それはこの先の
だが、部屋には入れないので、後ろ髪を引かれる思いだったが、その日は、ラビットをメインに倒しながら帰宅した。
次の日の朝、どうしても
俺はこっそりと、彼らの後を着いていった。
そして、
「真央っ!出てこい。いるのはわかってるんだ!」
信吾には俺の尾行はバレていたようだ。
「何かあったのか?」
と気になったことを聞いてみる。
「この部屋で冒険者が消息を絶った、俺達はギルドから調査依頼を受けている」
「な、なぁ、頼む…俺も連れて行ってくれないか?」
「ふざけるなっ!これは遊びじゃないんだよ」
信吾が激昂する。
「そうだ、真央。さすがに連れて行くわけにはいかない」
咲希も認めてくれない。
他の二人も同じ意見のようだ。
自分でも、何故かはわからないが、どうしても行かなくちゃいけない。そんな気がするのだ。
「頼むよ。なんでかはわからないけど、呼ばれてる気がするんだ…」
「なんだと?」
「父さんも冒険者は時には自分の直感を信じることも大事だって言ってた!」
「真央…いや…でも…」
咲希は迷っているようだ。
「いいか?危険だと判断したら、転移結晶を使って撤退する!俺の指示に従えるか?」
(これは、チャンスなのかもしれない…)
この時の信吾の頭にはよからぬ考えが浮かんでいた。
「信吾…?」
「咲希…こいつがこうなったら意地でも考えを変えない頑固者だってのは知ってるだろ?」
「いいの?」「いいんですか?」
「わかった。真央は何があっても私が守るよ」
「ありがとう、みんな…」
こうして、俺達は異変が起きている
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