第2話 魔王のスキル
気がついたとき、俺は広い草原に立っていた。
ふと空を見上げると、太陽が2つ…
「本当に異世界なんだな…クソッ!」
先程までのクソ女神から聞かされた話にやり場のない怒りが込み上げる…
「絶対にあのクソ女神の思い通りになんてなってやるもんか…」
そう決意し、とりあえずは現状を確認しようと試みる。
(ステータスとか見れるんだろうか?ま、試してみるか)
「ステータスオープン」
そして、自分の視界には、ゲーム画面のようなウインドウが開いている。
(おおっ!やった!出たっ!)
【名前】シドー
【種族】魔王
【LV】1
【HP】20/20
【SP】50/50
【力】5
【知恵】10
【体力】2
【精神】8
【速さ】4
【運】0
【アクティブスキル】
【
不老不滅
【
女神の制約、魔王の
【称号】
転生者、世界を超えし者、勇者の贄
「…弱っ」
魔王と言う割には思ったほど強くない自分のステータスを見て愕然とした。
しかし、嘆いていても仕方ないと、現状を確認すべく、
とりあえず目の前のステータスウインドウを調べることとする。
とりあえず、もっと詳しいことが知りたいと思いながら、ウインドウの
【
LV1…SPを消費して
「お?説明出た!けど…これだけ?」
唯一持っていたスキルはなんだか微妙な感じだった。
「さて、次は…っと」
気を取り直して他も見てみる。
【不老不滅】
老化せず、不滅の肉体を得る。
「おぉ!不老不死とかチートじゃん!無敵モードはありがたいな!」
【女神の制約】
魔王とその眷属は、
「あのクソ女神が言ってたのはこれか…まぁ、魔王になったとはいえ、人類を滅ぼそうとか考えてないし、なんとかなるだろ。ってか、
【魔王の
魔王とその眷属は、勇者と戦闘する場合、全ての能力値が激減し、全ての
「勇者に討たれて死ね…か。勇者と戦うときだけは不死は無効化され、能力は低下し、攻撃もできないってことか…どうあがいても魔王は勇者には絶対に勝てないってことかよ…」
先のことを考えても仕方がないので、とりあえずは勇者に会わないように気をつけるくらいしかできないな。と問題を先送りして、残りを確認することにした。
【転生者】
生まれ変わりを経験した者。必要経験値減。
「なるほど、称号ってのは飾りじゃなくて、効果があるんだな」
必要経験値減ってのは、レベルアップが早くなるってことでいいんだろうか…
【世界を超えし者】
2つ以上の異なる世界間を移動したことがある者。成長限界突破。
「この世界のレベル上限がいくつなのかわからないが、それを超えることができるってことか…」
【勇者の贄】
勇者との邂逅を約束された者。
勇者に討たれた時、全ての能力値が勇者に還元される。
「勇者に会わないように逃げ続けるってのは無理なのかもしれないな…」
その時がいつになるかはわからないので、まずは今できることを試すことにした。
「まずは、やってみるか…」
「
そう宣言した瞬間に、頭の中で誰かの声が聞こえた。
“
脳内にモンスター名のリストが現れた。
スライム…SP10
ホーンラビット…SP15
ゴブリン…SP20
…
「なるほど。この中から選ぶとSPを消費して
今のSPは50…なら、全部1匹ずついけるか?
脳内のリストの中からスライムを意識して…
「スライムを作成!」
体の中から、何かが抜けるような感じがした。
(これが魔力を使うって感覚か…)
目の前に黒い
段々と固まっていく。
そして、水色の楕円型で弾力がありそうな物体へと変化した。
「これが、スライムか〜。流動型じゃなくてよかった…」
とりあえず、名前をつけるか。
うーん…
スラ◯ン。いやいや、これはアウトなやつだろ。
うーん…
まぁ、お試しだし。
「よし、お前の名前はスラだ」
そう告げると、スライムの体が光り、体から魔力が抜けていくのを感じた。
(名付けにも魔力使うのかよ〜…)
「ステータスオープン」
【名前】シドー
【種族】魔王
【LV】1
【HP】20/20
【SP】10/50
【力】5
【知恵】10
【体力】2
【精神】8
【速さ】4
【運】0
【アクティブスキル】
【
不老不滅
【
女神の制約、魔王の
【称号】
転生者、世界を超えし者、勇者の贄
「は?」
スライム作成で使うSPは10のはずなのに、実際は40も減ってる…
名付けは3倍消費なのか?
まぁ、
なら、スラのステータスを確認しないとな。
「スラのステータスオープン」
ん?
何も起きない?
まさか、
「うーん…わからん」
俺はまだレベル1だ…
考えたところでわからないものはわからない。
今できることはもうないな。
なら、次は人のいるところを目指すか。
「じゃあ、行こうか、スラ。」
プルン♪
こうして、この世界での長い長い旅が始まったのだ。
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