KAC20221「二刀流と桃太郎」
ふきゅい。
第1話 桃太郎の別の世界線
昔々あるところにおじいちゃんとおばあちゃんがいました。
おじいちゃんは山へ芝刈りに、おばあちゃんは川へ洗濯をしに行きました。
おばあちゃんが川で洗濯をしていると、川上の方からどんぶらこどんぶらこと”桃”ではなく”二本”の”刀”が”流”れてきたではありませんか!
まさに「二」「刀」「流」です!
おばあちゃんは洗濯物そっちのけでその二本の刀を取りに行きました。
「こ、これであの鬼をぶち殺せるわ……」
おばあちゃんはその二本の刀を家に持ち帰りました。
◆
『婆さんや、ストーリー通りに桃太r、おっと失敬。川からなにか流れてきましたかな?』
「それがね爺さんや、ストーリー通りに桃太r、おっと失敬。あの果物が流れてくると思ったら、二本の刀が流れてきたんですよ!」
『こりゃあたまげた!桃太r、ええいッめんどくせい!桃太郎が流れてくるんちゃうんッ!?』
「あたしもそう思いましたよ!でも刀だったんです!!」
『んぐぐ……ワシらで倒せってことか、あの忌々しき鬼を!!』
「そうみたいですね……」
こうしておじいちゃんとおばあちゃんの鬼退治が始まりました。
――鬼ヶ島――
『オォイッッ!!テメェら、桃太郎たちが来たら「猿」「犬」「キジ」に適当に見せ場作ってから桃太郎にとどめ刺される感じだからなー!頭いれとけよォォオ!』
どうやら鬼側も大変なようですね。
『ボ、ボス鬼!そ、その後ろにいる爪楊枝二本は誰ですかい!』
『え―――』
「「グサッッッ」」
「「グサッッッ」」
『え、ちょっ、ガチで刺してんじゃ―――』
「「ドッス―――ンッッッ!!」」
「案外ワシらでも鬼倒せたのう」
『そうですね、爺さんや』
こうして「二」つの「刀」が「流」れてきたおかげで、世界が平和になりましたとさ。
あんまりめでたくなしあんまりめでたくなし。
KAC20221「二刀流と桃太郎」 ふきゅい。 @yuiyuiyui1031
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