恋愛体験1

恋……いいなぁー、憧れる…





恋なんて知らなかった。誰かの恋バナを聞いても共感できなかった。

(みんな何に悩んでるんだろう。なんで違う人といるところを見て嫉妬するんだろう。嫉妬ってなんだろう。)

そう思っていた。


「ねぇー!羽太しゅうた!」

「なに。」

「羽太って恋したことある?」

「うん。まぁ、」

「え?!羽太が?!」

「え、うん。」

「まじー?みんな恋愛って何に悩んでるの?」

「えー、その子が可愛すぎる。とか、離れたくない。とか?」

「や、ば……ちゃんと恋じゃん…」

「そうだよ。」

羽太の話はまるで少女漫画だった。

「好きっていって、どう思われるか、嫌われていたらどうなるのか、そんなことが怖くて、でも楽しくて。それが恋だよね。」

「へー、いいなー。恋してみたい…」

「え、する?俺と。」

「え?!」

「恋したいんだろ?あと、お前。」

「はい、何でしょう?…」

「物語書くやつ、恋愛にしたんだろ?」

「あ、……そうでした…。」

「な、恋しよう。俺と。」

突然のことでとても驚いた。でも、嬉しかった。

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