春休み

あれから春休みになった。


「いいのかな、…  これで、…」

そう思いながら天井をみていた。







あれは、とある日の休み時間。あまり人がいない廊下の隅で先輩に告白をしていた。


「天野くん!私、天野くんが好きなの!…、 付き合ってください!」

私は近くの教室で先生の手伝いをしていた。


(あ、久山さんだ、…)

久山くやま音々ねおんはこの学校の美少女。みんな可愛いと噂する。その顔はとても美人で、性格もとてもいい子で優しい。その子が天野先輩に告白をしていた。


天野先輩は私のことを始めて思ってくれた先輩だった。

私は先輩が嫌いで何度も部活をかえた。

一番最初は、一番入りたかったダンス部。これは先輩が理不尽すぎた。

そして、そのあと友達に勧められて美術部に入った。絵なんてまず、好きじゃなかった。それもあり、先輩からは絵が下手くそなど散々言われた。

そのあとはバレー部。バレー部は私のお姉ちゃんが入っていて楽しそうだった。つまらなかった。ただ疲れるだけで私は何もわからなかった。先輩からはいじめられた。こんなやつがバレーやっててもうまくなんない。そういう理由で部活外でもいじめられた。

そして今の部活。写真部。写真部なんてガラじゃないし、私も興味は無かった。とある日いとこと話してるときに、写真はいいぞって。だから、なんとなくで入った。



そして天野先輩に出会った。

何を撮っても、きれい!や、うまいね!など、色々褒めてくれた。

こんなことはなかった。私はとても嬉しかった。

そして先輩のことを好きになった。

でも、何もできることはなかった。


そして先輩は卒業式を終え、学校をでた。

私達は春休み。


「いいのかな、…  これで、…」

そんなことを思った。でも、何もできなかった。

そして始業式。

なんであの時できなかったんだろう。、

告白をすることも、会うことでもできない今。私はやっと後悔をした。

後悔しまくった。



そして、気がつくとなぜか学級委員長。

多分私が先生の手伝いをたくさんしていたからだろう。

そして、前と変わらず先生の手伝いをした。




するとその時、近くから声がした。






「あ、兄さん!なんなの、まじで、手伝えってさー、まぁいいけどさ」

先輩の声だった。



「え?!」

思わずそう言ってしまった。

「え?なに? あ!矢井やいちゃん!」

「………」

驚いて私は黙ってしまった。



「え、矢井やい恋晴こはるちゃんだよね?」

「あ、はい。」

「えっと、…どうしたの?、先生の手伝い?」

「はい。そうですね。あの、私天野先輩が好きです!」

「え?」

後悔した後だったからすぐ言えた。


「うん。いいよ。俺も矢井ちゃんに言いたかった。好きです。付き合ってください。」

「はい!ありがとう。、ございます…」

なんか泣けてきた。










あれから数年後。

「こーはるっ!」

「ん?どうしたの?」

「恋晴さ、結婚しない?」

「え?、、」











天野恋晴になりました。

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