無題
朝、起きる。遮光カーテンを開けずとも、その暗さと水面を走る車の音から今日も雨が降っていることが分かる。
なんとかベッドから起き上がり、重い身体を引き連れて、まとわりつく汗と湿気をシャワーで流す。
アパートを出る―――雨の日。捜しものをしている。それはきっと目に見えるものでなくて、もはや概念で、絶対に見つけられるはずのないことを知っている。
にもかかわらずふと、信号で立ち止まったとき、電車の車窓から外を眺めるとき、雨の一粒一粒に捜してしまう。
―――もはや、この世にあるはずなど、ないのに。
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