第三幕 観艦式編
外章 英国に忍び寄る『ⅩⅩⅩ』
「なんか……見えないか?」
一人の英国兵が、空を見上げながらそんな風に言葉を零す。
「なんだ……あれ」
「でかいぞ……」
「味方に、あんな兵器あったか?」
分断されているロイヤルの最前線の兵たちは、一人の呟きから皆空を見上げ、そこにいる超大型の航空機に目を奪われる。
ここは最前線と言っても、敵情を偵察するための中継陣地、シェフィールド中継陣地の為、人は一個中隊程しかいない。
「おい、だれか、本部に連絡を――」
そう誰かが言い切る前に、その大型機から何十センチか分からないほど太い、赤紫色っぽい光線が地面に突き刺さり、辺りを薙ぎ払った。
「な、なんだ⁉ は、早く連絡——」
急いで通信機に飛びついた兵もろとも、通信アンテナ、車輛、その他もろもろの設備に光線が命中し融解、もしくは爆発を引き起こす。
他の兵が逃げ惑うが、容赦なく光線が周囲を薙ぎ払う。
この日、たった数分の間に何も連絡がないまま一個中隊が消失した。
状況がまったく分からない本部は、慌てて中継陣地に兵を送り状況を確認しようとした。
しかしそこには、何もなかった。
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