第4話

 家に帰ると、手付かずの朝食にハエがたかっていた。

それを処分して、江白はまた三人分の晩飯を作って並べた。

無言のまま食事を済ませて、寝台に寝転んで、まどろみの中に明るい笑い声を聞く。


 ハッと気がつくと、チョコとバニラがバタバタと走り回っていた。



「やばい!遅刻するー!」

「ジャンボ、なんで寝坊してんだよ!もー!」



 そんなことを言いながら、朝食もとらずに二人は外へ駆け出した。



「行ってきまーす!」



 もう家の外からそんな声が響く。

ジャンボは必死にその二人を追おうとしていたが、体が上手く動かせない。

声も出せない。

待ってくれ、今日だけは頼むから。


 ふと、目が覚めた。

部屋はとても静かだった。信じられないほどに。

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