第15話

 神代姉妹との関係も、ボクはつづけていた。

「何でここ?」

「だって、家でするとお姉ちゃんと一緒になっちゃうし、高校に行っちゃったから学校ではできないし……」

 美羽奈とカラオケに来ていた。姉の友理奈とは、通う高校がちがう。彼女は二つ上で、少し離れたお嬢様学校として知られる、女子校に通っている。

 美羽奈も来年は、そこに通うらしいけれど、今は地元の中学に通っており、家の近くの高校を択んだボクとも、こうして会う機会が多い。

「でも、監視カメラでみられるよ」

「大丈夫。トイレでパンツを脱いできたもの」

 そういって美羽奈は、椅子にすわっているボクの上に、制服のスカートのまま乗ってきた。そしてスカートで隠しながら、ボクもズボンを下ろす。

 彼女はすぐに、ボクのを手で自分の中へと導いた。

 挿入したまま、彼女はボクに抱きつくようにすると、動かずにじっとする。

 彼女はこういうエッチのやり方が好きなのだ。「ヒューメイリアンとのセックスは最高」という、姉の言葉通りに、ボクとの関係をつづける。

 恐らく、監視カメラでみていても、ボクらがただ抱き合っているようにしか見えないだろうけれど、これがボクたちのエッチだ。

 脈打つ感じ……、わずかに動くと擦れる感じ……、温かさ、硬さ、その形状、すべてが気持ちいいそうだ。

 ボクも、ヒューメイリアンとしての能力なのか? 陰部が適度に形状を変えることに気づいていた。それは相手に合わせ、大きさ、硬さ、形ですらぴったりとしたものにする。

 頭でやっていることではないので、しばらく気づかなかったけれど、姉の友理奈と三人でしているとき、友理奈のそれと、美羽奈のそれは違う、と感じた。でも、ボクのそれは順応して最適解を導き出す。どちらにも合わせるよう、入れる前から変化するのだ。


「……ん!」

 全然動いていないのに、彼女はそう呻くと、力が抜けてしまう。

 多分、彼女と付き合う男は大変かもしれない。男としてはほとんど気持ちよくないからだ。彼女と繋がっていられるだけで幸せ……という相手をみつければ、ちょうどよいだろうけれど……。

 こうしたことを考える理由もあった。彼女は美しく成長した。アイドルか、女優といっても通用するだろう。すっぴんなのに、町を歩けば数名の男が目で追いかけてくるのも、目を離せなくなったからだ。

 小さいころから髪が長く、それがボクの顔にもかかってくる。覆いかぶさるようにしているので、ボクは彼女の制服の中に手をいれ、それほど大きくなっていない胸にふれる。先端が尖っていて、こういうやり方で彼女は感じていることが、肉体からも伝わってくる。

 彼女はボクの首にまわした手で、ボクの顔を傾けると、唇を重ねてきた。キス自体はあまり好きでないようで、でも気持ちが高まってくると、やはりそうやって唇を求めてくる。

 姉の友理奈は、今でもキスが好きだ。口の中をどろどろにするぐらい、濃厚に求めてくる。

 でも、彼女はソフトに、軽く当てるをくり返し、その動きの中で下に嵌っているボクのそれが、微妙にこすれる方を気持ちよく感じているようだ。

 姉妹で、こうしてやり方が異なる。それは形ばかりでなく、時間をかけて、ゆっくりとイク美羽奈にとっては、狭いけれど二人きりのカラオケボックスのようなところの方がよいのかもしれなかった。


 神代の家は、マンションの最上階。要するに、彼女たちは本物のお嬢様である。

 ボクが美羽奈と一緒に訪ねていくと、友理奈が駆け寄ってきて、靴を脱ぐ前から濃厚なキスをかわしてくる。

 妹の前でも、関係ない。というより、妹とも一緒に楽しもう、としている。彼女は二回目にして、ボクを妹と引き合わせて妹ともしよう、としていたほどだ。

 口の中が、彼女の唾液でいっぱいになりそうになり、ボクも「ここで最後までする気かい?」と尋ねた。

 彼女もすぐに体を放すと、腕をとってボクを引っ張って、自分の部屋にいく。ふだんはリビングで過ごし、部屋はクイーンサイズのベッドで、ほとんど占有される。彼女は待ちきれないように、ボクをベッドに放り投げると、すぐに自分の服を脱ぐ。先ほどまで、たっぷりと楽しんだはずの美羽奈も、一緒に服を脱ぐ。積極的な姉のお供をする、という感じだ。

 来年は大学生だというのに、彼女はエッチをするときは子供のころのまま。

「大丈夫だから。大丈夫だから」と、つぶやきながら、生のままボクを導く。待ちきれないのだ。

 これでも、両親が家にいないときにしかできないので、そういうときにはめいっぱいしよう、とする。ボクも先ほど、美羽奈とは寸止めのようなエッチしかしていないので、彼女の中に思い切りだした。でも、一度きりで終わるはずもなく、彼女は腰の動きを止めない。ボクのそれは、萎えることもなく彼女の中にフィットしつづけるので、彼女も中に入ったことは気づいているだろうけれど、わざわざ止める理由がないのだ。


 一時間と少しで、まるで全力疾走のようなエッチを終えた友理奈は、満足そうな表情で横たわる。

 美羽奈は動くエッチはそれほど好きでないけれど、姉に付き合って一緒にしていた。疲れていない美羽奈に唇をよせ、その耳元に囁いた。

「ヒューメイリアンとのエッチは最高……そう友理奈に吹き込んだのは、キミだろう?」

 美羽奈は驚くこともなく、ボクの唇に唇を重ねてきて、それを離すと小さな声で「ええ……」とだけ呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る