第13話
入れ替わり立ち替わり、ボクは彼女たちの相手をした。科学技術がボクらよりすすんでいることは分かっているけれど、テクニックという意味でもすすんでいた。何しろ小学生にして、教え込まれた神代はエッチのテクがかなり上達していたぐらいなのだから。
疲れて萎えてきても、彼女らのテクニックですぐに元気になった。彼女らはそれが大人の体型らしいけれど、見た感じはボクの周りにいる少女のそれと同じだ。むしろ性的な特徴を強調する必要がなくなった……ということかもしれない。Y遺伝子がなくなり、男性が消えた。種を残すために、わざわざX遺伝子をY遺伝子のようにして男性を……睾丸をつくっている、という。
まるでハチのようだ……。女王バチと働きバチは、すべて女性。他の巣の女王バチと婚姻飛行をするためだけに、雄バチが生まれる。でも、雄といってもX遺伝子であるのだ。
ボクも生みだされたXX遺伝子をもつ男子――。
ただ、それはα-イブを生みだす試みだったのであり、そうして生まれたボクは特別になった……。
ここで興味本位で、彼女たちがボクを試していくのも、その特別ゆえ……。
彼女たちは生殖行為を体験することなく、一生を終える者もいる、という。それでも体外受精と、人工胎盤により子孫はつくれるし、そうしたシステマティックに世代をつなぐことが、ここでの常識だ。
つまり、ただの性欲の発露として、エッチを楽しむということはない。性の手ほどきも、学問としてそういうものが確立されているだけで、恐らくそれはY遺伝子が消失しそう……と分かった段階で子種を残すために研究、開発されたものだそうだ。彼女たちは、男がいない世界になって久しぶりに性を愉しむ……ということをしているのだ。
彼女たちは最初に紹介されたように経営者派、損得を考えて行動する。今、ボクとエッチをして、快楽を求めるのが得……と考えているのだろう。
ボクにとっては、顔がほとんど同じで見わけもつかないし、しかも下半分はほとんど隠れていて、よく分からない。手も縛られ、触ることも、キスすることもできない。ただ、下半身を弄られ、彼女たちに性の奉仕をするだけ……となっていた。
長らく弄ばれた末で、解放された……。
これは彼女たちから話を聞く代償、何らかの要求はされると思っていたけれど、まさかこういう形とは……。翌日には、ふらふらでまともに生活できなかったことは、言うまでもない。
しかし、問題が解決したわけではない。ボクの担任の事件は、自殺として処理された。実際、自ら飛び降りたのだからその通りだろう。ただ、それが何者かにより操作されたものだったとしたら……。
しかし、時おり命の危機を感じることがあっても、ボクは比較的穏やかな日々を送っていた。
小学四年生になるころには、ボクは多くの女性と関係するようになっていた。ナゼなら、それがアデラたちの望みだから。
美夢との恋人関係を解消したので、基本的にフリーだ。今でも彼女と一緒に通学、下校しているし、体の関係だってつづいている。でも、恋人ということではなく、あくまで仲の良い幼馴染が、そういうこともする……という感じだ。
それより、いきなりボクを訪ねてくる子もいて、その辺りはアデラの差し金ではないか? と疑っている。放っておくと、美夢に気兼ねをしてボクは誰とも付き合わない、と思っているようだ。
それは命を狙われている、と分かっていて、パートナーを危険にさらすことになるのに、あえて付き合おうとは思わない。ただ、肉体関係だけを求めてくる場合、受け入れることにしていた。
まだ肉体的に、子供をつくれるわけではないけれど、それも含めてアデラはデータが欲しい、というのだから。
ただ、こういうケースもあった。
彼女は一つ上の、沼田 愛紗といった。噂を聞いて訪ねてきた、といい、エッチを体験したいという。
彼女は胸もふくらみ、腰つきもふっくらとして女性らしい体だった。ただそれを男子にからかわれ、胸をさわられたりするので、ならばいっそそういう経験をしておこう、という理由だ。
まったく逆で、女性らしくなりたい、という理由も多いけれど、こうした守る理由もない、という理由の方が半数以上だ。だから疑うこともなかった。
実際に、彼女は積極的だったし、キスをしてもちょっと緊張し、唇を強張らせるなど、初々しさも見せた。胸の突起を舐めたり、弄ったりしても感度がいい。指で愛撫すると、早めに湿ってくるなど、そこは初めてとは思えない。
「いくよ」
ボクの言葉に小さく頷き、挿しこんでいくとそのきつさは初めての貫通だったことを思わせた。
でも、痛がったのは最初だけ。すぐに潤滑油もでてきて、スムーズになると腰をからめて、もっと、もっと……とせがんでくる。ボクも中々のいい具合に、求められるまま挿入しっ放しでつづける。
「上に乗ってもいい?」
初めてでも、積極的にそれを求めてくるなんて……と思っていたが、ボクの上に乗ってきた彼女の手が、首にまわった。首を絞められ、ボクも気づく。彼女の目が、何の感情も示していないことに……。
酸欠で脳がやられる前に、跳ね飛ばさないと……。でも年上で、体格的には同じぐらいの少女を、しかも下はつながったまま……。そのとき、ふと思いついてブリッジするように腰を上げた。
前のめりになっていた沼田は、そのまま見事に前回りして、壁に背中を衝突させていた。
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