第7話

「神代 美羽奈。私の妹なの。今日は彼女にしてあげて」

「……え?」

 神代 友理奈は二つ上で、ヒューメイリアンだと聞いている。でも、その妹はどうなのか? 顔は似ている気がするけれど、それは半分だけ血がつながっているためなのか? しかし「してあげて」とは、エッチのことなのだろうか? 友理奈とはすでにそういう関係に一度なっているけれど、妹とも?

 もじもじする妹は、これからすることを分かっているのだろうか?

 諸々の疑問に、最初に行動で示したのは友理奈だった。待って、と声をかけることもできず、どんどん服を脱ぎ始める。すると美羽奈もそれに続こうと、負けずに服を脱ぎ始めた。

 生まれてからまだ切ったことがない? というぐらいの長い髪、胸もふくらんでおらず、まだまだ子供……といっても、ボクと一つしか違わない。

 でも、彼女は本当にこれからすることを分かっているのか? ただ姉に、そう促されてその気になっているだけでは? そう考えて躊躇っていると、全裸となった友理奈が、ボクの背中からぎゅっと抱きついてきた。でもそれは、ボクのパンツを脱がすためだ。

「ちょっと待って。彼女は本当に了解しているのか? 何をするのか……」

「大丈夫。美羽奈は分かっているから」

 手慣れた様子で、ボクのパンツは下ろされた。目の前には、ベッドの上で美羽奈が全裸になって横たわる。

 ぎゅっと目をつぶり、手を握り締めて、足を広げているのだから、これから起こることを理解しているようだけれど……。


 ボクは背中から友理奈に押される形で、美羽奈に近づいていく。その背中に当たる柔らかいものと、彼女はボクのそれをにぎり、照準を絞るかのように美羽奈のそこに導いていく。

 気持ち的には戸惑っているのに、元気になってしまうそれが憎い……。でも、いくら大人びているといっても、ボクもそれほど経験は多くない。友理奈もそれが分かっているのだろう。背中越しに、優しく刺激するように握ってくる。

 きっとまだ、男の子とふつうの恋愛をしたこともないだろう。お遊戯や、お遊びでしか男の子と接触したことしかないのかもしれない。

 刺激され、大きくなったそれが友理奈の導きによって、美羽奈に迫っていく。本当にいいのか? という自問自答を繰り返しながら、ボクは彼女に入っていった。

「痛い!」

 美羽奈は唇をかたく結んで、手をぎゅっと握りしめて、その痛みを堪えているようだ。ボクも前戯がほとんどなく、彼女に至ったことを後悔しつつ、引き抜こうと体を後退させようとしたけれど、背中から抱き着くようにしている友理奈が「ダメよ。このまま……」と、ボクを体ごと押し込んだ。

「ひゃッ!」

 美羽奈は悲鳴のような声を上げて、奥までたどり着いたボクのそれを、体を震わせながら受け止めた。

 目から涙がこぼれているし、初めてのそれは痛みが強く、決してよい思い出ともならなかっただろう。

 ボクも「大丈夫?」と声をかけた。彼女は目を開けることがなかったけれど、小さく二回、こくん、こくんと頷く。

 恨みがましく、背後を振り返ったけれど、友理奈はそのまま唇を重ねてきて、ぎゅっと背中に胸を押し当てたまま、体を密着させるようにして、口の中では激しく舌を絡めてくる。

 ボクもそんなテクニックに、文句をいうこともできなくなっていた。


「ほら、もっとしてあげて」

 友理奈はそう耳元でささやくと、ボクのお腹の辺りに腕をまわし、体をつかんで押し引きする。美羽奈の未成熟なそこは、まだ潤滑液すら出ていないと思われ、摩擦で痛いはずだ。

 でも、最初に痛がってからは、堪え切れない痛みでもないのか、ぐっと唇を噛み締めている感じもあるけれど、律動にも体を合わせ、その都度の痛みというのはないように見える。

「ふむぅ……」

 彼女はそう呟くと、力が抜けたようにぐったりする。すると、友理奈もぼくの体を止めた。

「よかったでしょ、美羽奈?」

 つぶっていた目を薄っすらと開け、美羽奈も小さく頷く。

「ほら、今度は私……」

 友理奈はボクを自分の方へ向けると、すぐに跨ってきた。ボクをベッドにすわらせて、自分はボクに跨って激しく動く。彼女の方が背も高いし、体も大きい。二つも年上なので、この歳だと大きな差だ。

 彼女は自分が満足するまで動いて、一人でイッた。すると、さっきまでぐったりしていた美羽奈が近づいてきて「次、いい?」と、早くも第二ラウンドをおねだりしてくる。

 初体験はトラウマどころか、彼女にとってよりよいものとなったようだ。ただ、ボクも二人から迫られ、そちらの方が困惑となっていた。


 美羽奈は初めてで三回もイクと、ベッドの上で眠ってしまう。ボクは友理奈に「君は初めてじゃないの?」

「私、エッチはあなたとしたのが初めてよ」

「嘘だ……。だって手慣れていた」

「ふふ……。そう思えたかもね。でも、これは真実よ。私、性の手ほどきをうけていたの。でも、したことはない。だからあなたと出会って、これは! と思ったの」

「…………。君はあのとき、つぶやいたことを憶えている?」

「私、何か言った?」

「ヒューメイリアンとのエッチは最高って……」

「あぁ、そうだったんだ。ごめん、忘れて……。でも大丈夫。私もヒューメイリアンだから」

 やっぱり……。きっとそれは、彼女もまぐわうことを求められ、手ほどきをうけていた、となるのだろう。ただ、アデラたちとはちがう宇宙人、という点が気がかりでもあった。

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