第6話

「ただいま~」

「おかえりなさい。あれ?この子は?」

店長の息子の優希(ゆうき)君が出迎えた。

「あ~。稔君だ」

「こんばんは」

「こんばんは。君は何年生?」

「僕は小6です」

「そっか~。僕は中一よろしくね」

「こちらこそよろしくお願します」

「さ、どうぞ」

 

 

稔は居間に通された。

そこで稔は店長に質問した。

「まだお名前聞いていなかったんですけど」

「そうだね(笑)僕は大空健司よろしくね」

「僕は希望稔です。よろしくお願いします」

「お母さん。お風呂沸いてる?」

「沸いてるわよ」

「稔君、優希と一緒にお風呂にはいっておいで」

「はい」

 

 

稔と優希がお風呂から上がると食事の準備が整っていた。

「さあ。一緒に晩ご飯を食べよう」

「ありがとうござます。美味しそうだ」

 

 

店長は、美味しく食べながらさっきまでの経緯を妻と子供に説明をした。

妻は半信半疑ではあったが素直な稔を見て疑いの気持ちは薄らいでいた。

夕食が済み店長がお風呂に入っている間稔と優希は人生ゲームをすることになった。

それは

お金のことを稔に理解してもらうことだった。

 

 

「人生ゲームっておもしろそうだね」

「うん。おもしろいよ」

「これ、な~に?」

「これがお金なんだよ。でもおもちゃだけどね」

「ゲームのときだけ使うお金なんだね?」

「そうだよ。じゃあ始めるよ」

「ゲーム版の中にいろいろ書いてあるんだね」

「そうだよ。人生っていろいろお金が要るんだ」

「へ~。怪我とか病気とか入学とか結婚とかいろんなことが書いてある。投資で儲かるとか」

「お金の要る社会はお金がないと何も出来ないんだよ。だから働いてお金を稼ぐんだよ」

「それでレストランで食べるのもお金が要るんだね」

「そうだよ」

 

 

少しずつ理解した稔はゲームを楽しんでいたが。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る